「原辰徳に憧れて特別編」それでもやっぱり“タツノリ”が好き~プロ野球死亡遊戯が愛する背番号8に愛惜を込めて贈る

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去る10月4日の最終戦東京ドームにて原辰徳巨人監督は退任のセレモニーを行った。長年“タツノリ応援”を自負してきた著者が不屈の若大将に送る入魂の一筆。

俺たちが応援する!

「旦那さんになにかあったら言ってください」

9歳の春、人生で一度だけ、ファンレターを送ったことがある。もちろん原辰徳へ……ではなく、タツノリの妻・明子さん宛にだ。そう個人情報ダダ漏れの80年代の選手名鑑に掲載されていた住所にヘタクソなボールペン書きで……っていや怖いよ、怖すぎだよ少年時代の俺。新球種のネーミングを聞かれて、助っ人打者が苦手な「納豆ボール。こうすれば外国人にも食われることはないからね」なんつって1秒も笑えないマスミギャグをかます往年の桑田真澄とはまた別のベクトルで狂ってるよ。だけど、確かにあの頃のタツノリには、9歳のガキを狂わす何かがあった。スーパースターの輝きだけではなく、大人社会の理不尽さと戦う、悲壮感とか憂いとかそんなものだ。

当時のマスコミのタツノリに対するバッシングは熾烈を極め、ONと比較して「巨人史上最低の四番打者」や「ひ弱なお嬢さん野球の象徴」と叩かれまくっていた。オヤジ系のタブロイド紙や週刊誌の新聞広告を眺めながら、「ならば俺たちがタツノリを応援してやる」と心に誓った子どもたちが全国に数百万人はいたと思う。昭和の根性論で生きるおじさん達から、団塊ジュニア世代のひ弱なガキと嘲笑された少年たちの心のずっと奥の方にタツノリは刺さったのだ。

低迷する巨人に 熱かけられずに

あの頃、原辰徳とは、“俺”ではなく、“俺たち”の代表だった。背番号8の背中を見て育ち、日本シリーズでの満塁弾やバット投げホームランを翌日の教室で「今週の少年ジャンプのドラゴンボール見た?」と同列で語り、95年10月8日の引退試合以降は情熱が燃え尽きて、熱心に巨人戦中継を見なくなった……。そんな少年時代を過ごした元ビッグベイビーズにとって、プロ野球の象徴は、偉大な長嶋でも、世界の王でもない。俺たちのヒーローは、原辰徳だった。でも、2023年10月4日東京ドーム、今季最終戦後のセレモニーでタツノリがマイクの前で自ら辞意を表明したとき、俺は涙ひとつ流さず、微妙に冷めていたんだ。通算1291勝は巨人監督史上最多。計17年間の原政権で2度のV3含む9度のリーグ優勝、3度の日本一。そんな常勝・原巨人を追いかけて、連日球場に通い詰めるうちに俺の職業はプロのスポーツライターになり、 “野球コラム日本一”の称号も手に入れた。人生でお世話になったのは、父ちゃん母ちゃんタツノリレベルで感謝してる。嫌いになれるわけないよ。

だからこそ、ここ数年はキツかった。だって、あれだけ楽しみにしていた原巨人の試合が全然面白くないんだもの。今シーズンにいたっては、始まる前から終わっていた。だって、開幕1・2戦目の先発がビーディとグリフィンの新助っ人投手のズンドコローテに加えて、頼みのクローザー大勢の離脱でブルペンも崩壊状態。さらにタツノリのむちゃくちゃなマシンガン継投は自軍をも撃ち抜いた。リーグ屈指の打てるキャッチャー大城がリーグトップタイの21犠打ってどんな意図の攻撃だよ。とか突っ込む気力すらない。特に41本塁打で自身三度目のホームラン王に輝いた不動の四番・岡本和真のポジションたらい回しは理解に苦しんだ。長年遊撃レギュラーを張ったベテラン坂本勇人の三塁転向というチーム事情はあったにせよ、一塁、さらには左翼も守る哀しみのホームランキング。

「中途半端にはやりたくないので、気持ちの整理をつけないと。本当なら一つのところでやるのが一番なんだ」

ちなみにこのコメントは岡本ではなく、現役晩年のタツノリの愚痴である。約30年前、一塁と三塁でポジションが固定されなかった背番号8に対して、長嶋監督は『週刊ベースボール』誌上で「ファーストでもサードでも、内野でも外野でも守れるようにしなければ」と苦言を呈している。それが自身が監督になると、岡本に同じような起用法を思い切りかますわけだ。さすがに笑えないし、これには乗れないぜ、タツノリ……。

プロ野球死亡遊戯・中溝康隆

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