2022-12-04 18:15

田村潔司「解析UWF」第3回…リアリティのある感情表現は、リアルな経験によってしか生まれない

1988年5月12日、 新生UWFの旗揚げ戦の試合前に行われた伝説のスピーチ
1988年5月12日、 新生UWFの旗揚げ戦の試合前に行われた伝説のスピーチ
写真提供=平工幸雄

高校を卒業後、憧れのプロレス界に入るべくUWFの門を叩いた田村であったが、その始まりは決して順風満帆なものとは言えなかった。想像を絶するほどに厳しい練習、そしてその痛みを分かち合うはずの仲間たちは、次々にリングから去っていった。苦難の連続は肉体的にも精神的にも田村を追い込んでいき、人生を通じて最も辛く厳しい試練の日々となった。後の田村を形作る糧となった、新弟子時代の苦くも思い出深き経験の数々を語っていただいた。

「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我にあり」

1988年5月12日、後楽園ホールで行われた新生UWF旗揚げ戦で、エースだった前田日明さんは(フランスの詩人ヴェルレーヌの言葉を引用して)こう挨拶したけれど、ボクは本当にUWFの選手というのは「選ばれし者」だったと思う。

それは数字が証明している。新生UWFは88年3月に団体として始動してから90年12月の終焉まで5回新人入門テストが行われたが、Uのリングでデビューできたのは、ボクと垣原賢人と冨宅飛駈のわずか3人。テストは各回200通以上の応募があったと聞いているから、単純計算で1000分の3。デビューまで漕ぎ着けられたのはわずか0.3パーセントの超狭き門だったのだ。

今、プロレス界には何十もの団体がありながら80~90年代よりもプロレスラー志願者が減っているため、多くの団体で身長、体重、さらには年齢といった入門基準を撤廃。「プロレスラー」としてデビューするだけなら、以前より比較的容易になっていると聞く。

また総合格闘技に関してもここ20年ほどでジムが爆発的に増え、格闘技プロモーションも増えているので、プロデビューする格闘家の数も大幅に増えた(その分、頂点までの道のりは険しくなったけれど)。

しかし、新生UWFの時代はプロの総合格闘技が事実上まだ存在せず(プロシューティングはまだ金銭的に「プロ」とは呼び難かったと思う)、プロレス団体も少なく、それでいながらレスラー志願者は今よりずっと多かったので、プロとしてデビューするまでが本当に大変だったのだ。

というわけで今回は、「UWFのレスラーになるまでの険しい道」をボクの実体験を元に語っていこうと思う。

闘魂と王道 – 昭和プロレスの16年戦争 – Kindle版
Amazonで購入

「BUBKA1月号」コラムパック

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books

紀伊國屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING23:30更新

  1. 藤江れいな、競馬の魅力を熱弁!思い出のレースはキセキが勝った菊花賞
  2. 鈴木みのるインタビュー、帝王・高山善廣のこれまでとこれから
  3. 【昇天】ドラゴンズ万歳! 金丸獲得だけじゃない「満点超え」ドラフトの理由とは? 青味噌のみそみそダイアリー #4
  4. 菜々緒、ダークグリーンのドレス姿でJDD生観戦「ワイドは当たりました!」
  5. AKB48大盛真歩「この身体に産んでくれてありがとう!」母に感謝
  6. 立浪政権の3年間、なぜこれほどまでに勝ちが遠のいたのか? 青味噌のみそみそダイアリー #3
  7. グラビアアイドル雪平莉左『競馬場の達人』に登場、競馬きっかけで乗馬にも挑戦中
  8. 【プロ野球】気鋭の中日ファン“赤味噌”が立浪ドラゴンズを語りに語る!「中日が久しぶりに強いところを見たいんです」
  9. 乃木坂46黒見明香さんが今季初“登板”、プロ顔負けの観察眼で大谷翔平選手&山本由伸投手を分析
  10. 大原優乃“URAWA BLUE”のワンピースで登壇
  1. 響き渡る“乃木坂46”&“葉月”コール!向井葉月から奥田いろはへ、涙の抱擁と共に受け継がれる「乃木坂らしさ」
  2. 「なんてかわいいの!」櫻坂46中嶋優月と谷口愛季、キュートなダウン姿を披露!山﨑天はなかやまきんに君と夢の共演
  3. 卒業控える日向坂46東村芽依、“門出”にふさわしい晴れやかな表情の表紙カット解禁
  4. 乃木坂46「36thSGアンダーライブ」完遂!全国5都市を巡るZeppツアーに、座長の奥田いろは「何も後悔はありません」
  5. 乃木坂46 岩本蓮加写真集『いたずらな風』に熱狂する菅原咲月だが、誘われたご飯は華麗にスルー!?
  6. 日向坂46 の逆襲が始まる東京ドーム公演に注目せよ!明暗分かれた『紅白』出場者から考える坂道3グループの現在地
  7. 「なにわ男子」大西流星、シャンプーのCM初出演!かわいらしい寝顔も披露
  8. 川口春奈、グルーガンを駆使してオリジナルPCケース作りに挑戦「“映え”な感じで、キラキラしていてかわいい」
  9. 川口春奈『JJ』表紙風広告に登場…サントリー×光文社の異色のコラボが実現
  10. 櫻坂46全国ツアー最終東京ドーム公演、2日間で11万人動員!海外からもBuddiesが駆けつける