プロレスラー高阪剛、格闘技人生に幕…TKが語るリングス時代
ヤマヨシの背中
――また高阪さんは柔道の実業団を経てリングス入りしたので、ある程度年齢もいっていたし、一刻も早く上に行きたい気持ちもあったんじゃないですか?
高阪剛 どっちかと言うと自分は入った時点でいちばん年上だったんですよ。23歳で入ったとき、すぐ上の坂田(亘)はハタチだったし、成瀬(昌由)さんも年下。山本(宜久)さんは同い年でしたけど、厳密に言うと学年では自分が1コ上っていう。
――高阪さん早生まれですもんね。
高阪剛 だから入門した時点で自分より年上は、若手で一番上の長井(満也)さんと前田さんしかいなかったんです。だから周りがみんな年下の中でいちばん下っ端をやってましたけど、格闘技の世界だから“番付”が上がればひっくり返せるんだという気持ちがあったので、それがモチベーションになりましたね。
――闘う男の世界はそうですよね。リングスには個性的な人たちが集まっていましたけど、山本宜久さんは特にいろんな伝説を残している人ですよね(笑)。
高阪剛 いや、素晴らしいですよ本当に。真面目すぎるくらい真面目な人なんですよね。だから時には真面目すぎて面白かったりもするんですけど、自分は山本さんの本当にクソ真面目に練習に取り組む姿を見て「リングスに入って良かったな」と思いましたもん。もちろん、みなさん厳しい練習をしてましたけど、山本さんは特に目につきましたね。
――山本さんは最近、自身のYouTubeチャンネルで大腸がんで闘病生活を送っていたことを告白されましたけど、高阪さんは山本さんが大病を患ってるってご存知でしたか?
高阪剛 いや、全く知らなかったんですよ。特に連絡を取り合う機会もなかったので、「便りがないのは元気な証拠」という感覚で、「たぶん元気にされてるんだろうな」って勝手に思ってたところがあって。それだけにがんだったと聞いて、やっぱりショックでしたね。