日本人女性初のWWE殿堂入り…ブル中野×玉袋筋太郎、極悪から激悪へ

書籍『玉袋筋太郎の全女極悪列伝』が好評発売中につき、記念対談を実施! 著者の玉袋筋太郎が日本人女性初のWWE殿堂入りを果たした「女帝」ブル中野を招き、「極悪」そしてその後の時代を語りました。
殿堂入りはしくじらない
玉袋筋太郎 いやあ、『極悪女王』が大反響ですごいですよね。
ブル中野 本当にダンプ(松本)さんの恩恵をいただいてますね。私のYouTubeもたくさんの人が見てくれてるんですよ。
玉袋筋太郎 素晴らしいね。『極悪女王』があれだけ大ブレイクしたことで、あの時代の全女の人たちの青春をみんな回収できたなって思うんですよ。
ブル中野 本当に良かったです。たぶん今だから、あの頃の話もできるのかなって。
玉袋筋太郎 でも、中野さんの場合は、『極悪女王』のヒット以前から世界的に再評価されてますから。WWE殿堂入りを果たしたってことで。遅くなりましたけど、あらためておめでとうございます!
ブル中野 ありがとうございます!
玉袋筋太郎 俺はね、今回出した『全女極悪列伝』の中でも数年前から録り溜めた当時の全女のレスラーのインタビューを収録させてもらってるんだけど。そこで「ブル中野はWWE殿堂入りするべき!」とか、「この人たちの人生、映画化決定!」とか言ってるんですよ。
ブル中野 えーっ、そうなんですか? 予言者(笑)。
玉袋筋太郎 予言者じゃないんですけどね(笑)。ブル中野はそれぐらい世界的に評価されるべきレスラーだと思ってたし、とにかく全女のレスラーたちの生き様にしびれまくってたから。中野さんが殿堂入りして、『極悪女王』であの頃の全女が再評価されるっていうのは、うれしいし、誇らしいですよ。
ブル中野 ありがとうございます。私も本当にうれしいです。
玉袋筋太郎 ちなみに殿堂入りの連絡っていうのは、WWEから直に来るんですか?
ブル中野 サイモン(・ケリー猪木)さんがWWEと日本の選手をつなぐお仕事をされてるんですけど、そのサイモンさんから「WWEがZOOMで話をしたいと言っています」という連絡をいただいたんですよ。でも、最初にそれを聞いた時、WWEからクレームを入れられるのかなって思ったんですよ。
玉袋筋太郎 なんでですか?
ブル中野 私が1994年にWWEに参戦していた時に交わした契約で、「退団後も内情を話してはいけない」とか、そういう項目があったと思うんですよ。全然、読んでないんですけど(笑)。でも、私はYouTubeでメドゥーサ(アランドラ・ブレイズ)とWWEで試合してた頃の話とか、WWEでの生活の話なんかもしてるんで。それに対してクレームが付いて、罰金でも請求されるのかなって(笑)。
玉袋筋太郎 もしそうだったら、向こうは罰金どころじゃなく訴訟ですよ(笑)。
ブル中野 でも違ったんで、「ああ、良かった」って(笑)。
玉袋筋太郎 罰金どころか殿堂入りだもんね。殿堂入り式典の映像も見させてもらったけど、英語で、しかもプロンプターなしでスピーチしてましたよね。
ブル中野 そうです、はい。
玉袋筋太郎 あれは感動した。今はアメリカ大統領のスピーチだってプロンプター見ながらやってたりするのにさ。それをそらんじちゃったんだから。でも、やっぱりかなり緊張しました?
ブル中野 そうですね。あの緊張は『しくじり先生』に出たとき以来だなって。
玉袋筋太郎 『しくじり先生』で緊張してた人が、WWE殿堂入りスピーチでしくじらなかったのがすごいよ(笑)。会場には、WWEスーパースターもいるわけですよね。
ブル中野 いろんな人から「おめでとう」って言われましたね。私がWWEに上がっていた時に一緒だったアンダーテイカーも「久しぶり!」みたいな感じで来て。
玉袋筋太郎 元同僚がとんでもない大物だよ(笑)。中野さんがWWEにいた頃って、他にどういった選手たちがいたんですか?
ブル中野 当時はアンダーテイカーとブレット・ハート。あとはショーン・マイケルズや、ディーゼルっていう名前だったケビン・ナッシュなんかがトップでしたね。1・2・3キッド(ショーン・ウォルトマン)にも会ったんですけど、当時はいちばん若くて少年みたいだったのが、すごいおじさんになっててびっくりしました(笑)。
玉袋筋太郎 さすがに30年たつと“キッド”じゃなくなってたんだな(笑)。でも、日本の女子プロレスラーであるブル中野が、そういう世界のレジェンドと一緒に活躍してたのもすごいし、それが評価されて今年殿堂入りしたわけだからね。本来なら夕方のニュース番組で報じたり、新聞の号外出さなきゃいけないことですよ。俺が刷っちゃおうかと思ったもん、ガリ版で(笑)。
ブル中野 でも、まだまだ日本ではアメリカと比べて、プロレスラーの地位だったり、女子の価値っていうのが低いと思うので、次に日本人女性で殿堂入りが出たときは、もっと大きく扱ってもらえる時代になってたらって思います。
玉袋筋太郎 いやホント、先駆けだもんな。ブル様が踏み出して、その一足が道となったわけだもんな。
文・構成=堀江ガンツ
ブル中野プロフィール
ブル中野=ぶる なかの|1968年1月8日生まれ、埼玉県で育つ。1983年に全日本女子プロレスに入門、ダンプ松本率いる極悪同盟の一員として活躍する。獄門党を結成後はアジャ・コングとの抗争、金網デスマッチで一世を風靡。1993年よりアメリカのWWF(現WWE)に参戦、世界女子王座を獲得する。2024年、日本女子レスラーとしては史上初となるWWE殿堂入りを果たした。
玉袋筋太郎プロフィール
玉袋筋太郎=たまぶくろ すじたろう|1967年6月22日、東京都生まれ。高校卒業後、ビートたけしに弟子入りし、1987年に水道橋博士と「浅草キッド」を結成。テレビ、ラジオなどのメディアや著書の執筆など幅広く活躍中。スナックをこよなく愛し、社団法人全日本スナック連盟会長も務める。

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