宮戸優光×鈴川真一、リアル“闘魂”スタイルの掟…ついに「アントニオ猪木最後の愛弟子」が沈黙を破った
アントニオ猪木をはじめ数多くのレジェンドが登場し、闘魂を語り継ぐインタビュー集『玉袋筋太郎の闘魂伝承座談会』の発売を記念し、「猪木信者」宮戸優光と「猪木最後の愛弟子」鈴川真一がインタビューに登場。敬愛する師匠との思い出や、今だからこそ語れる在りし日の思い出を大いに語った特別対談です。
負けて拍手の妙
――宮戸さん、1月9日に阿佐ヶ谷ロフトAで行われた『玉袋筋太郎の闘魂伝承座談会』発売記念トークライブでは、アントニオ猪木さんの貴重なお話をたくさんしていただき、ありがとうございました!
宮戸優光 こちらこそ楽しかったです。ちょっとしゃべりすぎましたね(笑)。
――猪木信者に大好評でしたよ(笑)。今回はその追撃戦として、“アントニオ猪木最後の不肖の愛弟子”鈴川真一選手と、宮戸さんも現場部長として関わられた猪木さんの団体、IGF時代の話を中心にうかがえたらと思います。まず、鈴川さんはメディアに出るのは久しぶりですか?
鈴川真一 すごく久しぶりですね。
宮戸優光 最後に出た記憶は?
鈴川真一 いつだったかな……。
宮戸優光 僕が知ってる範囲だと、デビューして1、2年までしか出てない感じなんだけど(笑)。
――いやいや、その後も2010年代に『巌流島』とかで活躍してましたから。
宮戸優光 そうだ。忘れてたって言ったら怒られるけど、彼は巌流島では無敗ですからね。その後、RIZINで活躍した選手たちみんなと当たっているけど、一回も負けてませんから。
鈴川真一 シビサイ(頌真)とかシュレック(関根“シュレック”秀樹)に勝ちましたね。
――ただその後、21年に大麻所持の事件を起こしたことにより表舞台から遠ざかっていましたけど。その間、猪木さんが亡くなられたニュースをどのようにして聞きましたか?
鈴川真一 最初にそのニュースを聞いた時、「嘘だろ?」って信じられなかったですね。会長の具合が悪いことはもちろん知ってましたし、イベントのタイミングとかでよく呼んでいただいて、付き人もさせてもらったんですけど。自分は勝手に猪木会長は不死身だと思っていたので、誰もが死というものから避けられないんだと。あとは、会長のそばでいろいろやらせていただけたのは、貴重な時間だったなと、あらためて思いますね。
――鈴川選手は猪木さんの晩年の付き人だったんですか?
宮戸優光 付き人というわけではないんだけど、猪木会長からことあるごとに呼ばれてたんですよ。彼はこういう風貌だけど、15歳で相撲の世界に入ってるから、いろんな部分で気が回るんです。だから鈴川選手が猪木会長に付いているときは、僕も安心だし、会長も楽だったんだと思いますね。
――猪木さんも、鈴川選手のことは最後まで気に掛けられてたらしいですね?
宮戸優光 僕が横にいさせていただいてる時、猪木会長から「鈴川はどうしてる?」っていうことは、よく聞かれました。「練習は来てるのか?」って聞かれて、「来てます」ってお答えすると、「そうか」って、そこで少し安心するような感じはありましたね。
――表舞台から離れていた間も、ずっとCACCスネークピットジャパンで練習は続けられてたんですよね?
鈴川真一 練習は好きなんですよ。こっちの業界に来てからスクワットを教えてもらいましたけど、四股をずっと踏んできたんで。やっぱり四股を踏み続けると気持ちも上がってくるし、体の調子もいいんで。稽古し続けるのが自分にとっては普通ですね。
宮戸優光 こう言ったら失礼かもしれませんが、お相撲さん上がりのプロレスラーは一部を除いて練習嫌いというイメージがあったじゃないですか。
――天龍(源一郎)さんとかを除いて、正直そういうイメージはありました。
宮戸優光 でも、彼に関してはちょっとぶきっちょだけど本当に練習好きで、猪木会長もそういう彼の姿勢を見てくれてたんだと思いますよ。相撲時代に140キロ以上あった体を、プロレスに入って数ヶ月で110キロくらいのレスラーの体に絞ったでしょ。そしてデビュー戦のマーク・コールマン戦、その後のジェロム・レ・バンナ戦なんかは、猪木会長も褒めてましたから。結果はメインイベントでKO負けだったから、会長も一瞬青ざめましたけど、翌日、鈴川選手は「お前は負けたけど名前は落ちなかったな」って言われてましたよ。
鈴川真一 バンナ戦は、負けて初めてお客さんから拍手をもらいましたね。相撲の時もそうですけど、勝負の世界で負けて拍手をもらうっていうのは、それまでなかった。どんなにいい相撲を取っても負けは負けでしたから。でも、プロレスのリングでは負けて拍手がもらえて、お客さんもよろこんでくれた。すごく不思議でしたけど、こんなのは初めての感覚だなって思いましたね。
――あのK-1ナンバーワンのハードパンチャーであるジェロム・レ・バンナの強烈な打撃を何発も食いながら向かっていきましたからね。そりゃあ、負けても拍手を送りますよ!
宮戸優光 あの時、7、8回ダウンしたけど、その都度立ち上がって向かっていったでしょ? いわゆる総合(格闘技)でも、1回や2回ダウンしたら試合を止めるじゃないですか。でも、彼は7回、8回倒れても立ち上がるから、「レフェリーはなんで止めないんだ」という批判が出たくらいでね。
――壮絶でしたよ。
宮戸優光 でも、猪木会長が言われたのは、あそこで立ち上がるのがプロだと。僕はあの時、猪木会長に言われていた言葉が今も忘れていません。「プロを名乗っているアマチュアと、若い頃から相撲で鍛えられた本当のプロは違う」って、鈴川選手をそう評価していました。
鈴川真一 相手も本物のプロのジェロム・レ・バンナ先生でしたからね。やっぱり、向かい合ってもいい顔してましたよ。本気で俺のこと殴ってくれたし(笑)。またやりたいですよね、あのクラスの奴と。
宮戸優光 ただね、ちょっとやるのが早すぎた。デビューしたての人間に、チャンピオンだったヤツを当てちゃうわけだから。
――デビュー戦がいきなりPRIDE・GP王者のマーク・コールマンで、しかもコールマンが試合中にガス欠して鈴川選手が勝っちゃいましたからね。
宮戸優光 あの特殊なデビュー戦があったことで、彼のこの世界での運命は少し複雑になってしまったと思う。僕は当時、IGFの現場部長として鈴川選手には段階を踏んでもらいたかったし、猪木会長は僕が言わんとするところを汲んでくださっていたと思うんですけど、会社の方針には逆らえないというかね。でも、そんな中で、相撲から来て、体を絞って必死にやってる鈴川選手のことは、猪木会長も認めていらしたと思う。他の選手に対する見方と、彼に対する見方は違っていましたから。
取材・文=堀江ガンツ
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宮戸優光プロフィール
みやと・ゆうこう|1963年6月4日生まれ、神奈川県出身。1985年、第1次UWFでデビュー。第1次UWFが崩壊後は、新日本プロレスへ参戦する。1988年、第2次UWFの旗揚げに参加。第2次UWF解散後は、UWFインターナショナルの旗揚げに参加。「Uインターの頭脳」として、舵取り役・参謀役として活躍。1999年、『U.W.F.スネークピットジャパン』(現C.A.C.C.スネークピットジャパン)を設立、現在に至るまで後進の育成に
励んでいる。
鈴川真一プロフィール
すずかわ・しんいち|1983年9月21日生まれ、兵庫県出身。中学卒業後、押尾川部屋に入門し、1999年に初土俵、2007年11月に新入幕を果たす。「若麒麟」の四股名で活躍し、最高位は西前頭9枚目。2009年の不祥事により各界を去った後、IGFに入団、宮戸優光GMが主宰するU.W.F.スネークピットジャパンにて、プロレスの指導を受ける。過激な闘魂伝承者として現在も活躍を続けている。
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発売記念対談 第2回
宮戸優光×鈴川真一「リアル“闘魂”スタイルの掟」
【BUBKAレポート】
・Book Return
第63回 鈴木おさむ
「仕事の辞め方」
・すべての球団は消耗品であるbyプロ野球死亡遊戯
#16「1991年の金田ロッテ」
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#37 原田茂幸
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