サウンドクリエイター・Dorian氏が語る現在のアイドルソングシーン
楽曲派という言葉が死語になる前に伝えることがある!ということで始まった当連載。今回は、脇田もなりの最新アルバム『UNI』のトータルプロデュースを務めたDorian氏が登場。脇田もなりの可能性を最大値まで引き上げた本作を振り返るとともに、シティ・ポップに昇華されがちな現在のアイドルソングシーンについてバッサリと語ってもらいました!
アトロクMIXの反響
――Dorianさんが脇田もなりさんのアルバム『UNI』をまるごと1枚プロデュースすることになったのはどんな経緯があったのでしょうか?
Dorian 前のアルバム『RIGHT HERE』で1曲作ったんですけど(『エスパドリーユでつかまえて』)、そのタイミングで宇多丸さんの「アトロク(アフター6ジャンクション)」でもなりちゃんがライブすることになりまして。もなりちゃんはそれまで何度か出ていて、毎回違う編成でやっていたという話を(VIVID SOUNDの)韮澤(貴彦)さんから聞きまして、今回もひとひねり加えた形でやりたいと。オケで歌う、バンドで歌うというのとはまた違って、今回は弾き語りみたいな感じでいこうと思っていると聞いたときに、このアルバムの曲を全国の不特定多数の人が最初に耳にするというのはそれだと伝わりにくいんじゃないかなと思ったんです。だったらこういうやり方はどうですか、という流れになったんですね。それでシーケンス+シンセ+αみたいな形で関わるようになったのが最初で。
――それが今のライブ形態に繋がってるんですね。
Dorian バンドでライブをやると人数も必要でお金がかかるし、シンプルなDJセットでやったりもしてたんだけど、それはそれで寂しいという話を聞いて、プレイヤビリティもありつつDJの稼働性もあるのがこのやり方だったんです。ライブ構成を練っていくなかで、この曲のあとにこういう曲があったらいいのにね、もっと落とせる曲があるといいよね、みたいな話が出てきて、それを具現化する作業を積み重ねていったらアルバムに繋がっていきました。
――アトロク出演がきっかけで可能性が広がっていった。
Dorian 可能性が広がっていったのは始めてすぐではなかったんです。そのあと何度かライブをしたんですけど、世の中がコロナになっちゃったんですよ。お客さんを入れてやるライブだったはずが、不可抗力で配信になってしまった。その時にようやく、もなりちゃんのノンストップゾーンに足を踏み入れられたと言いますか。4つ打ちのダンスミュージック的な曲がいくつかあって、これが繋がる感じでできたらいいんじゃないかとみんなと相談していて。で、僕が用意したら、みんなが想像していたよりも繋がりすぎていたみたいで(笑)。
――がっつりシームレスにミックスしたわけですね。
Dorian ただ順番に流すという感じではなく、ちゃんとDJ MIXみたいな感じでやったら、これはお客さんナシでやったのがもったいないねと。そこから、そういう部分もしっかり出していくようになりました。これはバンドでできることではないし、シンプルなDJ MIXよりももうちょっと複雑な形なので、この編成のひとつの武器としてやっていこうということで発展していったのかなと思います。
――そこでアイディアも色々と出てきて、アルバムに至ったんですね。
Dorian それも徐々に、でしたね。もちろんアルバムを作りたいねと言ってはいたんですけど、構想みたいなのは一切なかったです。個人的には、彼女の気分が落ちていたように見えていた時もあって。先行き不安で自信がなさげに見えたので、そういう言葉をかけたら元気になるかなという軽い気持ちもありました。
――やっぱりコロナの不安は誰しもあったはずで。アルバムを作るという目標ができたら、まずはそこに向かっていこうと思えますもんね。
Dorian 僕が勝手に言い始めたところもあったんですけどね(笑)。
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取材・文/南波一海
Dorian=ドリアン|オールインワン・グルーヴマシンを使ったライヴやDJで支持を集めるトラックメイカー。七尾旅人×やけのはら『Rollin’ Rollin’』で頭角を表し、クラブシーンから熱烈な支持を受ける。TOWA TEI、一十三十一、VIDEOTAPEMUSIC、ZEN-LA-ROCKらの作品への参加や様々なアーティストのリミックスや楽曲提供、TVCM、など多数手掛けている。
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