RHYMESTER宇多丸のマブ論、やっぱ最高峰、Perfume!そして、偉大なりしょこたん!
今月ド頭は、ここ日本において、今日的な「アイドル」の在り方に最大級の影響を及ぼしたと言っていい二組のレジェンド、その流石過ぎる最新作から……。
まずは久々のPerfume! 彼女たちの奇跡的な成功によって、ジャンル全体の音楽的クオリティが一気に底上げされたことは、23年間続いてきた当連載の中でも、明らかに最も重要な出来事だったと言えるでしょう。昨年のアルバム『PLASMA』から先行配信された『Spinning World』もそれこそ年間ベスト級の大傑作でしたが(取り上げるタイミングを逸してしまったのはひとえに私の責任です)、今回一年以上ぶりにリリースされたシングル『Moon』、わけてもシカゴハウスなテイストも織り込まれたカップリング『ラヴ・クラウド』の、圧倒的な精度とパワフルさと来たら……! 今もって彼女たちこそが最前線であり最高峰であることを、改めて思い知らされた次第。ずっとこのレベルで向上し続けてるって、わかっちゃいたけどやっぱ凄すぎない?
一方、「らしさ」の枠組みを逸脱する剥き出しの個性で、言ってみれば当該ジャンルに巨大な「自由」をもたらした、しょこたんこと中川翔子。ケンモチヒデフミ作詞作曲編曲によるその名もズバリ『中川翔子』は、そうした彼女の偉大な特異性を讃えるような超自己言及的ナンバー、狙いどころの勝利!
MAINAMIND『Lucky Charm』は、テディ・ライリー調のツボを見事に押さえたトラックにソウルフルな歌唱が生き生きと跳ねまくる、まさに彼女ならではの快作!脇田もなりのアルバム『UNI』はDorianが全曲プロデュース、元より相性最高のコンビゆえ既発作含めどれも素晴らしいのは言うまでもなくですが、ここでは特に、とんでもなく気持ちいい極上ラヴァーズロックに仕上がった『めくる Make Love』をチョイス……ラヴァーズと言えば、寺嶋由芙がついにつんく御大と組んだ『大宇宙の無限愛』のカップリング、お馴染み大林亮三アレンジで松浦亜弥をカバーした『気がつけば あなた』も、めちゃくちゃいい!
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宇多丸|ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパー。放送業界の最高栄誉「ギャラクシー賞」を受賞するなど、メディアでの活躍もめざましい。
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