生駒里奈さん、舞台俳優として輝く表現力【光画楼喜譚】
アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーで、卒業後は俳優として活躍する生駒里奈さん。先日、生駒さんが出演している少年社中25周年記念公演・舞台『光画楼喜譚』を見させていただきました。会場に到着すると、生駒さんのファンクラブ「モノクローズ」のキーホルダーやTシャツを身につけた女性を多く見かけ、乃木坂46の頃と変わらず幅広い層から支持されていることを改めて実感しました。
SNSでは「生駒ちゃんの演技がさらに成長していた」などの感想を毎日目にします。もちろん私もその成長を肌で感じた一人です。生駒さんのことを知った時期や見てきた作品によって、人それぞれ彼女の成長の感じ方に差は出てきますが、私自身が今回感じた成長は、“舞台俳優”として大きくなっている姿でした。座席数が180席の小さな劇場でマイクを通さずに飛び交う役者さんたちの肉声。腹の底から出てくる声に「生駒ちゃんって、こんなに太い声を出せるようになったの!?」と、驚きを隠せませんでした。
また、生駒さんは喜怒哀楽を表現することに優れていると思います。この舞台でもそうですが、彼女が出演している作品を見るときは特に「怒」を演じるシーンに注目してもらいたいです。決められた画角で繊細な演技が求められる映画・ドラマの撮影に対し、観客それぞれが自由に視点を選べて途切れることなく進行する舞台演劇は、誰がどこから見ても分かるように大きな演技が必要になります。映画・ドラマでの彼女は繊細な動きで怒りの感情をあらわにし、舞台上の演劇となれば「これでもか!」というくらい全身を使った大きな動きで「怒」を表現できるのが今の生駒さんです。
少年社中と生駒さんの出合い
それは、劇団の主宰であり脚本・脚色・演出を務める毛利亘宏さんが、2017年春に行われた乃木坂46の舞台『あさひなぐ』を観劇し、同年夏に主催の舞台『モマの火星探検記(以下:モマ)』への出演オファーを出したのが始まりでした。モマの稽古場で生駒さんは「とんでもないところに放り込まれてしまった」と、劇団員の演技力が段違いで高いことに圧倒されたそうです。私もこの舞台を見たときに少年社中という劇団があることを知ったのですが、開演して最初の10分で演劇の概念を覆されたほど、役者さんたちの演技に圧倒されたのを覚えています。
あえて役作りをしないことで自身が演じる役に近づくことを学び、昔から得意なダンスは少年社中の醍醐味(だいごみ)でもある迫力のダンスシーンで生かされ、逆に苦手だった歌唱については自信を彼女に与えてくれたのがこの劇団でした。そして何よりも、劇団員の皆さんがいつも温かく迎えてくれることが生駒さんの成長につながっているのだと思います。乃木坂46卒業後のインタビューで「モマに出ていなかったら俳優の道を選んでなかった」と話していたのが今でも印象に残っています。そして、“俳優”から“舞台俳優”としての才能を引き出し、開花させてくれたのが少年社中であると私は思いました。
舞台『光画楼喜譚』は明日、9月18日(月)に千秋楽を迎えます。
生駒さんは周りからの声を聞いたときに、そこで初めて自身の成長に気付ける一面があります。彼女が出演している作品を見た方は、ぜひその感想をSNSや手紙で届けてみてください。皆さんの声は生駒さんが次のステージに進むための力になるはずです。
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