乃木坂46向井葉月さんがファンに愛される理由…セレモニアルピッチに挑戦

乃木坂46向井葉月さんがセレモニアルピッチに挑戦
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「野球を仕事にしたくない」と打ち明けた過去。その衝撃的な告白から数年後、彼女はベルーナドームのマウンドに立っていた。いったいどんな心境の変化があったのだろうか? 私は乃木坂46のある楽曲からその答えを導き出した。

9月1日(金)埼玉西武ライオンズの本拠地・ベルーナドームにて、乃木坂46向井葉月さんのセレモニアルピッチが行われた。この日を迎えるに当たり、支えてきてくださった人たちへ感謝の気持ちを込めて投げたという一球。使用したボールは本番で用意された新品のものではなく、練習場でサプライズ対面を果たした憧れの岡田雅利選手から託されたボール“獅子魂”だった。本番、左腕から放たれたボールはインコースに反れてワンバウンドでキャッチャーのグローブに収まった。思い描いていた投球ができず一瞬悔しい表情を浮かべていたが、その軌道はまるで彼女の始球式を実現させるべく、向井さんを応援する人たちが待ち望んできたここまでの道のり“遠回りの軌道”そのものだった。結果はストライクとはいかなかったものの、一度は見失いかけていた夢を実現できたこと、それが何より私たちの一生の宝物になったのだ。

ライオンズが好き過ぎる

そもそもなぜ、ライオンズ愛あふれる向井さんが野球を仕事にしたくなかったのか? それは、ライオンズが好き過ぎるからこそ仕事にしたくないという彼女なりの真っすぐな理由だった。始球式ひとつにしても、「自分が関わったことでライオンズが負けてしまったら…」と考えてしまうほど球団への愛情が深い。これまで多くの乃木坂46メンバーが始球式に参加してきた流れがあるだけに、向井さんの始球式も秒読みと期待されていた中で、「野球を仕事にしたくない」という言葉を聞いて戸惑ったファンは少なくないはず。

しかし、そこでアドバイスをくれたのが同期の久保史緒里さんだった。

久保さんも大の野球好きで、熱狂的な東北楽天ゴールデンイーグルスのファンなのは有名な話。向井さんとは対照的で、かなえたい夢を「夢ノート」に書き込み、ラジオをはじめとする多くのメディアで自身の野球好きを積極的に発信しては、現在も野球関連の夢を次々とかなえている。ある日、久保さんが向井さんにかけた言葉…

「好きなことはどんどん発信していった方がいいよ!」

それが乃木坂46のためにも愛する球団のためにも、そして自分にもプラスの方向に還元されていく。その言葉は間違いなく向井さんの心を動かしていた。アンダーメンバーの向井さんと比較すると、メディアへの露出に恵まれている選抜メンバーの久保さんは、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組で“オールマイティ向井”という愛称をつけては、毎週欠かさない野球トークに向井さんの名前をいつも押し出している。同じ野球好きでそれが同期ともなれば、自分のことのように感情を分かち合い、情報を共有して発信してくれるのが久保さんの優しさだ。あの衝撃的な言葉を聞いて以来、ファンが言えなかったことを久保さんが代わりに伝えてくれた気がした。

勝利の女神として

今や、ライオンズファンからも勝利の女神として注目されている向井さん。彼女がホーム開催試合の仕事に関わった日は『乃木坂配信中』『文化放送ライオンズナイター』『セレモニアルピッチ』と、いずれもライオンズが勝利している。また、プライベートで球場に青炎を送りに行った際にもライオンズの連敗をストップさせたほどの女神だ。ただ、そこに注目し過ぎるとプレッシャーを与えてしまうのでほどほどにして、当日の現地ではもう一つ注目された場面があった。それはセレモニアルピッチを終えてバックヤードに戻る際、ファウルラインをまたいだあとに再びグラウンド方向に体を向けて深々と一礼をしたのだ。向井さんが乃木坂ファンからもライオンズファンからも愛される理由、その全てがこの一瞬に詰まっていた。

彼女の影響で、埼玉西武ライオンズ・岡田雅利選手を知った人も多いだろう。逆に、乃木坂46には向井葉月さんというライオンズ愛あふれるメンバーがいることを、同じくらい多くの人に知ってもらえたはずだ。それでも彼女は「今日の目的は私の成功じゃなくて、ライオンズの勝利だったので勝ててうれしいです」と試合後のインタビューで一途な愛を貫いた。

今年4月、乃木坂46は32枚目SG『人は夢を二度見る』をNHKうたコンで披露した。舞台の都合で出演できなかった梅澤美波さんの代打には、アンダーメンバーから向井さんが選ばれた。岩本蓮加さんが梅澤さんの位置にコンバートし、岩本さんの位置に向井さんが入ったフォーメーションで新曲を披露。選抜メンバーに混ざった向井さんが画面に映ると、彼女のライオンズに対する熱い想いと、ファンが夢見た始球式を実現できた想いが曲の歌詞にシンクロしていて涙があふれてしまった。いつかこの曲をセンターで歌う向井さんを見たい。私は夢の続きを見るために寝がえりを打つことにした。

来年はハタケヤマのグローブでリベンジを果たそう。
向井さん、ナイスピッチ!

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