日向坂46影山優佳「やっぱりね、寂しいのよ」おひさまへ卒業メッセージ
アイドルグループ「日向坂46」の一期生・影山優佳の卒業セレモニーが、7月19日(水)、東京国際フォーラムにて行われた。
セレモニー終盤には影山優佳から最後のメッセージが送られた。
影山優佳卒業メッセージ
え~可愛いですか(笑)。
ありがとうございます。皆さんへの思いを覚えきれなかったので、お手紙にさせていただきました。ここで読ませていただきます。話したいことが多すぎて…6枚になってしまったので、ちょっと早口でお話するので、ちょっとお気軽にお聞きください。
こんちゃ!日向坂46の影山優佳です。今回は、影山優佳卒業セレモニーに足を運んでくださったり、配信を見てくださったり、本当にありがとうございます。あともう一つ自己紹介をさせてください。“あなたのハートにゲーゲンプレス”こんにちは、日向坂46の影山優佳で~す! すいません、ありがとうございます。
私は今までこの日向坂46のグループでの活動の中で、このキャッチコピーを披露することが実はあまりなかったので、これも私がやり残したことということで、今この場にいる皆さん、配信をご覧の皆さんと一緒にかなえられたことが本当にうれしいです。聞いてくださってありがとうございます。
卒業発表から5カ月
今年の2月17日に卒業発表してから丸5カ月が過ぎました。私が卒業を決意した時からすると、もう1年以上たっていたのかなと思います。加入したばかりの頃の私も、高校の単位が足りなくて活動休止をした私も、自分の全てだと思っていたものを失っていた頃の私も、今こうしてこんなにもすてきな場所で、すてきな皆さんに私の卒業を祝ってもらえること、想像できてなかったんじゃないかなと思います。
ここから、私のこれまでだったり、今の想いなど、少し込み入った話をするかもしれません。伝わりにくい表現がありますこと、お許しください。
私は先ほど挙げたような人生の分岐点の時間に、深く谷底に突き落とされたような時間を過ごしてしまったこともありました。人は私を完璧だと言ってくれるけど、私は完璧じゃない。だからこそ、完璧じゃないといけない、完璧にならなければならないのだと。完璧でなければ私じゃないのだと、常に私という存在に後ろめたさを感じていました。卒業してから今日までも、正直怖い思いを、悲しい思いをするなどして、自分自身へ不安を感じることがよくありました。でも今はこ~んなにも、こんなにも私のことを支えてくれる人が、直接であってもなくても、応援の声を掛けてくれる人がいるんだと、皆さんの力を借りて胸を張ることができています。本当にありがとうございます。ありがとうございます。
振り返ると、休業から明けて復帰することを勧めてくれたのも、なかなかに負荷の高い個人活動との両立を応援し続けてくれたのも、メンバーのみんな、スタッフの皆さん、そしてファンの皆さんでした。今の私は皆さんのおかげでここに立てています。
少し後悔していること
そんな中で、私は今でも少し後悔していることがあります。それは、耳の特性でライブに不安を感じているとカミングアウトしたことです。これを言ったことによって、皆さんが私たちのライブで感じてもらった幸せとか勇気とか元気とか楽しさの記憶が、影ちゃんに無理をさせてしまったのかもしれないなっていう申し訳なさの記憶に、私のせいでもしかしたら塗り替えられてしまったかもしれない、そんな人もいるかもしれないと思いました。本当にごめんなさい。今の状態で言うと、舞台見に行くの好きだったり、あるいはライブの多くも、見に行くことができる程度なんですね。
もしかしたら、こうやって立つこともできるかもしれません。ただ、こんなにね、たくさんの愛のこもった皆さんに来ていただく大きな会場でやる日向坂46のライブは、だんだん私にとってはこのイヤモニの中の耳の中の音がとても大きな音に感じてしまうということがあります。だけといえば、それだけのことです。でも、私にとって大好きな日向坂46のライブで、苦しい顔をしてしまったり、気が滅入って気が散ってしまって、思うようなパフォーマンスができなかったりする自分が心底許せませんでした。
やっぱり私、日向坂46大好きだな
ライブをお休みさせていただくというお知らせは、みんなのようにまた輝いて生きるために、いつも無理をしすぎてしまう私自身を許してあげられるように、自分に素直にならなきゃな、変わらなきゃなと思ってのことでした。そして、その後の期間で、常に輝き続ける必要ないんだよっていうことを皆さんに教えていただきました。そのおかげで、今は、もうちょっと周りが見えるようになって、気持ちも穏やかになってきて、やっぱり私、日向坂46大好きだなってこととか、表現の活動、私大好きなんだなっていうことが実感することができています。
今は、視力が2.0で、ちょっと人混みが苦手で、家の外から、夜ご飯の匂いが当てられるみたいな(笑)、そういうちょっと感覚の鋭い自分が好きでいたいって思えるようになって、皆さんにも、自分自身を愛してというのは、今こうして聞いてくださっているファンの皆さんだけじゃなくて、メンバーにも伝えたい言葉です。自分を愛してください。
メンバーへのより深い思いみたいなのをこういうスピーチで話すと思うんですけど、なんかちょっと気恥ずかしいので、それぞれに実はお手紙を書いてきたので、また後で渡したいと思いますが、ここではちょっと軽くお話しようかなと思います。
同期! 先にいなくなってごめん。一期は誰かが辞める時はせーので、みんなが辞める時だっていう話が大好きだった。私が甘えられるようになったことを成長だと言ってくれてありがとう。みんなに会えたことが私の人生の誇りだよ。後輩! けやき坂46・日向坂46に入ってきてくれてありがとう。このグループを愛してくれてありがとう。前に進みたいのに前が分からなくなることだって、自分が何者分かららなくなることだって、大体笑ってりゃなんとかなる。私が人生をもって証明するぞ! これからを頼んだぞ!
はい、すいません(笑)。ちょっと意気込んでしまいました。改めて、いろいろな挫折や失敗がこの身に降りかかっても、メンバー、スタッフさん、そして今こうして温かいまなざしを向けてくださっている皆さんが背中を押してくれたから、今の私があります。私って本当に幸せもんです。出会ってくださってありがとうございます。
これからのことについて
これからのことについて話したいと思います。まず抽象的なことに言うと、先ほどのVTRでもあったんですけど、自分を許せるようになりたいです。そして、もっともっともっと大きな人間になって、ある日どこからか『影山優佳ちゃんって日向坂46にいたんだね』『あそこってすごいんだね』みたいな話が聞こえてくるようになったらいいなって思います。
具体的にっていうと、どうなっていくかは私自身も分からないです。お芝居を見ることが大好きなので、そちらに進んでいくのかもしれないし、あるいはちょっと充電するのかもしれないです。また、不思議な資格とか見つけて勉強するのかなっていうこともあるかもしれない。それでも皆さん、どんな未来になっても、私を温かく見守っていてくれませんでしょうか。ありがとうございます。見守らなくても、なんかちょっと頭の片隅にでも、脳内メーカーの端のチョンぐらいでも入れてもらえたらなって思います。そして日向坂46をよろしくお願いします。日向坂46はこれからです。最後に一つ、私らしくここで豆知識をお話ししたいと思います。一番星とは、夕暮れの時に空を見上げて、あなたが一番初めに見ることのできた星です。そうです、あなたが初めて認識した星です。あなたにとっての一番星はなんですか。
先ほど皆さんから輝き続ける必要はないと教えてもらったと話したんですけど、あなたが方向だったり目標だったりを見失ってしまった時に、パッと辺りを照らせる、そんな温かい星に私はなりたいです。これからも日向坂46をよろしくお願いします。影山優佳もちょっとだけよろしくお願いいたします。
とまあ、ここまで書いたんですけど、やっぱりね、寂しいのよ(笑)。メンバーに会えなくなることも、皆さんに会えなくなることも、寂しい、悔しい。切ないけど、だからこそ、もっと頑張って這いつくばって生きていって…うん、生きていきます。これからもよろしくお願いします。
2023年7月19日、日向坂46影山優佳。
サプライズで一期生が登場
ここで影山にサプライズで一期生が登場。「ない段取りだったから」と怯える影山を囲んで、けやき坂46が初めてもらった始まりの曲である「ひらがなけやき」をアカペラで歌った。「ほんとに、一期生でいられて幸せだった」「この一期生じゃなかったら頑張れてなかったなと思うので」「卒業したら友達になれると思うので」と言いながら、影山は思わず涙をこぼした。
そして全員が呼び込まれ、それぞれ影山へのメッセージを伝える。髙橋未来虹や河田陽菜らが号泣しながら語る姿に、観客は胸を打たれた。最後に、佐々木久美が一期生を代表してメッセージを伝えた。
「本当に影が日向坂にもたらしてくれたものっていうのは、ほかの何にも代えられない、本当にすてきな景色だったし、すごい甘えるのが苦手で不器用なところも私たちは全部知ってるし、影の日向坂にくれた愛は全員にちゃんと伝わってるから本当にこうやってみんなで送り出すことができたのも本当にうれしいし、影と同期で、そして私たちの元に大変なことがあったのに帰ってきてくれてありがとうっていう気持ちでいっぱいです。自分のことをおろそかにしがちだから、これからはちゃんと自分のことを一番に考えてすてきな人生を歩んでください。これが本当に全員からの願いです。本当に今までありがとう。卒業おめでとう!」
再び影山からラストメッセージ
「ありがとう。いやー、びっくりしたなあ。まさか。私は今までサッカーだったりクイズだったり、いろいろ自分にできることを、自分にしかできないことにしてそれが日向坂のためになってたらいいなあ、なんて思ってたけど、本当は心の中では私の活動は何の役にも立てないんじゃないかなってずっと思ってて。ファンの人からもらう、あるいはメンバーからもらう『ありがとう』の言葉でさえも、本物ではないかのように感じてしまうときもありました。でも今こうしてサプライズですてきな言葉とすてきなお花をくれて、皆さんが温かくそれを見守ってくださって、このグループの一員になれてよかったなって思います。これからこのグループの外からこのグループの幸せをもっともっと増やせるように頑張っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします」
イベントのラストは、卒業する影山のために作られた最初にして最後のセンター曲「友よ 一番星だ」を披露。青春感のある曲調で、去りゆく者と仲間の思いを歌った。
15歳でグループに加入し、休業と復帰、メディアでの個人活動、耳の特性によるライブ休演、そして仲間に見送られての卒業と、これほど栄光と挫折を味わってきたアイドルも少ないだろう。影山が教えてくれた、勉強も苦手なことも努力で克服しようとする生き方、そして自分を愛そうとする姿勢は、これからの日向坂46に勇気と強さを与えてくれるはずだ。
日向坂46「影山優佳 卒業セレモニー」
会場:東京国際フォーラム ホールA
日時:7月19日(水)開演 19:00
M1 永遠の白線
M2 おいで夏の境界線
M3 夏色のミュール
M4 その他大勢タイプ
M5 誰よりも高く跳べ!2020
M6 友よ 一番星だ
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