樋口日奈「今はサウナ」乃木坂46時代に壁にぶつかった時のリフレッシュ法は?
7月15日(土)深夜からテレビ大阪/BSテレ東で放送されるドラマ「湯遊ワンダーランド」の記者会見が行われ、出演するともさかりえ、須賀健太、岩井七世、樋口日奈、さらに原作者であるまんきつ氏が登壇した。
実在する銭湯を舞台に、女性サウナーのリアルな実態や、誰もが共感するサウナあるあるを描く同作。主人公・きつこ役をともさかりえが務めるほか、きつこの弟・やっちゃん役を須賀健太が、きつこの義理の妹・美衣子を岩井七世が、きつこのアシスタント・沼崎を樋口日奈が演じる。
――それぞれの役柄や作品について観じたことなどを教えてください。
ともさかりえ:きつこを演じさせてもらっています。面白いキャラクターに出合わせてもらったなと、そのご縁に感謝しながら毎日撮影をしています。女性サウナーの世界はちょっと独特な村社会というか、男性のサウナドラマとは全然違う視点があると思います。まんきつ先生の独特な世界観や面白さを皆さまにお伝えできればと思っております。
須賀健太:僕が演じるやっちゃんは、ともさかさん演じるきつこの弟で、お姉ちゃんをサウナに誘うというか、サウナに行ってこいと言う、ある意味このドラマのスタートを作る立ち位置にいる人物です。ただ毎回、辛らつな言葉をお姉ちゃんに投げ、せっかくサウナでととのった心をズタボロにしていくというキャラクターです。原作を読ませていただいたときから、2人の関係性がすごく独特だと感じて、そこが僕にとっては愛おしく感じられています。そういう部分を大事にしっかりと演じたいなと思います。変わった姉弟関係を描けているといいなと思います。
岩井七世:やっちゃんの妻できつこさんの義理の妹・美衣子を演じます。美衣子はひと癖も二癖もある姉弟を見守っています。とはいえ、美衣子自身もちょっと不思議な人なので、話数を重ねるにつれてそういった一面を見せられたらと思います。私自身が銭湯やサウナが好きで、原作をお風呂上がりに読んでいました。大好きなマンガだったので、自分がマンガの世界には入れるのは夢のようです。
樋口日奈:沼崎はきつこ先生のアシスタントですが、まず原作と見た目が全然違っていて…。衣装合わせのときは、私も原作の沼崎をイメージしていたんですが、髪型から服装まで全く違う沼袋で驚きました。ただ、中身は原作を大事にして演じたいと思います。きつこ先生と関わることで、サウナをきっかけにどんどん人と目が合せられるようになり、少しずつ開放的になっていく沼崎の姿を楽しんでいただきたいです。
――役作りで苦労したところなどを教えてください。
ともさかりえ:マンガで描かれていることをそのまま再現すると、面白くなる部分とモノマネになりすぎて冷めてしまう部分が両方あって、それがかなり微妙だなと感じました。そういった部分をどう見せていくのかが、原作モノの難しさだったりするのかなと。ちなみにまんきつ先生が自由にやってくださいとおっしゃってくださったので、原作のきつこをリスペクトしつつ、映像化されたきつこというキャラクターを新しく作っていけたらと日々模索しています。きつこは前半は悪夢を見たり、見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえたりと、とにかくものすごく追い詰められている設定です。その追い詰められたりしている姿は端から見るとちょっとヤバいのですが、それがやっていくうちにすごく愛おしくなってくるから不思議で。どんなことでも気になったらそのことしか考えられなくなる、そのひたむきさがかわいいと思ってしまいます。そんなきつこを愛おしく思いながら日々撮影を続けています。
須賀健太:衣装合わせのときに監督から、『やっちゃんは裸足でいきたい』と言われて。それ自体は問題なかったのですが、初日はタイトルバック撮影で表参道を歩くシーンでも裸足でいきたいといわれて…。さすがに表参道を裸足というのはないんじゃないかという話になり、最終的にはビーチサンダルで落ち着いたのですが、危うく表参道を裸足であることになるところでした。
岩井七世:美衣子は壁や窓の側、階段の上からなど、色んなところからきつこさんを見ていて…。覗いているシーンってなかなか難しいなと思いました。あとお手洗いで言うと、お家の撮影が行われているのが古民家なので、カギがかなりアナログで。5分くらい閉じ込められちゃいました。あれは今後気をつけたいです(笑)。
樋口日奈:沼崎は見た目が原作と全く違うので、原作を大事にしている方からどう思われるのか少し怖かったのですが、沼崎の性格を大切にしたいと、監督と深いところまで話し合いました。ひとつひとつ、このシーンはどういうことなのかを考えながら演じるのは楽しかったです。あと髪型がかなり奇抜だったので、撮影以外の待ち時間などはちょっと恥ずかしくって(笑)。お手洗いがちょっと遠いところにあって1人で行かなきゃいけないときなんて、どうしようって…。撮影以外の沼崎が私を困らせていました。
――撮影中のエピソードを教えてください。
ともさかりえ:やっぱりサウナ絡みかな。撮影中は電源を落としてもらっているのですが、それでもやっぱりサウナの中は熱くて。女性用サウナはコンパクトで、そこに役者とカメラマンさん、音声さん、照明さん…とあり得ないくらいぎゅうぎゅうに入って撮影をしているので、かなり大変で。次第にちょっとずつ空気が淀んでいって、撮影が終わるころにはみんな口数が少なくなっていく。そんな感じで撮影しています。ただ、そんな耐久レースみたいな撮影を日々頑張っていると不思議と結束感が生まれてきています。
須賀健太:おうち家のシーンばかりですが、なかなか普段のドラマではないようなシーンを撮ることが多く。この間は、3人で身を清めるために化粧水をお互いに掛け合うみたいなシーンを撮影しました。引きで撮影をするため長時間そのシーンを撮っていたら、近所の学生たちがちょうど帰り道で家の前を通ってじっと見られて…。間違いなく気づかれていましたね。あれは恥ずかしかったです。そういう不思議なシーンはこのドラマならではだと思います。
岩井七世:私は樋口さんと現場で会うことがほとんどないんですよね。ずっと須賀さんとおうちの中から出られなくて。最近は、撮影現場のお家のスタジオは我が家のように、何も考えずに足が向かって行くようになりました。りえさんもお家にいる、3人で過ごす時間はかなり楽しいです。ちなみに一番楽しかったのは3人でスイカを食べるシーン。本当の家族と過ごしているような、夏休みみたいな気持ち味わえて楽しかったです。
樋口日奈:ともさかさんとサウナで一緒に撮影することが多いのですが、タオルを巻いて脱衣所の端で一緒に干し芋を食べたのはかなり思い出に残っています。
――きつこは壁にぶつかっているときにサウナと出合いますが、みなさんが壁にぶつかったときはどのようにリフレッシュしますか?
ともさかりえ:私はおうちのお風呂に入ることです。仕事で疲れて帰ってきても体は疲れているけど頭が働いていてなかなかリラックスできないことがよくあるので、そういうときは現実逃避じゃないですが、お風呂に入ってリラックスしています。まんきつ先生にお風呂に入れるといいお塩と日本酒をいただいたので、今度はそれを使ってリラックスしたいです。
須賀健太:僕は酒です(笑)。自分で言うのもなんですが童顔なので、酒を飲むというと必ずびっくりされるのですが、お酒がないと困っちゃいます。それくらい好きです。
岩井七世:悩みとは考えていたらいつかは解決するので、時間は大事。あとは、体からリラックスできる状態を作れば、頭も忘れてしまうので、そういう状況を作れるサウナが一番。サウナに入るとよく眠れるし、前日までのイヤなことなんてすぐに忘れることができます。そしてサウナに入ったら食べ物も美味しくなるのでおすすめです
樋口日奈:私は自己解決する派です。乃木坂46にいた頃は、家にいると涙がスッと出てしまうこともあったのですが、やっぱり気づけば涙は乾いているし、2時間後にはおなかがすくし、普通に寝て起きるし…と壁にぶつかりながらもどうにも止まらない人間の欲望みたいなものが出てしまうので、自然と復活していることが多かったです。ただ卒業してからは、サウナを知り、今はサウナがいいリフレッシュ場所です。熱そうと苦手意識を持っていたのがウソみたいです。
――最後に視聴者へのメッセージをお願いいたします。
ともさかりえ:登場人物は少ないですが、それぞれが個性的で愛すべきキャラクターが揃っています。ちょっと生き方が下手な人たちが集まった愛おしいドラマなので、原作ファンの方はもちろん、サウナに興味がない人にも見ていただき、サウナに行きたいと思っていただければ。そして女性用サウナではこんなやり取りが行われているんだ、こんなコミュニケーションがとられているんだと、のぞき見していただければうれしいです。
須賀健太:僕は出ていないですが、1話の冒頭は個人的にもツボだったので、ぜひそこを見ていただきたいなと思います。サウナの話ではありますが、それ以外の日常部分の会話も独特でシュールで、愛おしい登場人物が描かれていると思うので、そこにも注目していただければと思います。
岩井七世:サウナを知らない人がサウナドラマの主人公というのがすごくいいなと思っていて。たまたま見た方も、『熱いし入ったことがない』と思っている人も、ぜひこのドラマをきっかけにサウナにトライしてもらえれば。そしてドラマ自体が、ある種、銭湯やサウナのような存在になれたらと思います。真夜中ドラマなので、好きな飲み物でも飲みながら、のんびり見て楽しんでください。そして、女性サウナーが増えて女性用サウナが増えて、サウナが広くなることを信じています。
樋口日奈:独特の世界の中にあるクスッと笑える場面や、愛おしさを感じるところなど、どこか浮遊感に近い感覚を覚えました。この感覚、サウナでととのったときの感覚に近いように感じています。なので、みなさんもドラマを見てととのってもらえれば。幸福感が自然とじわじわにじみ出てくるんじゃないかなと思います。ソファーなどでフワーっとなりながら楽しんでください。
「湯遊ワンダーランド」第1話あらすじ
きつこは突然ブログがバズった漫画家。とはいえ何もネタが思い浮かばず、上京先の弟・やっちゃんの家で、悪夢にうなされるどん底の日々を過ごしていた。見かねたやっちゃんは、きつこに毒が回っていると指摘し、解毒手段としてサウナを勧める。きつこは疑いながらも苦しみから解放されるなら…と、意を決し銭湯へ向かう。
懐かしい雰囲気と広いお風呂を楽しんだきつこは、ついに重いサウナの扉を開ける。そして、初めて出会うサウナの世界に戸惑っていると、銭湯を牛耳るババア=ヌシが現れる。
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