AKB48チーム8活動休止と新プロジェクト開始
4月30日のコンサートをもって約9年間の歴史に一旦幕を下ろす形となったチーム8。そして、オーディション企画「OUT OF 48」の開催も始まり、AKB48はまた新たなフェーズへと突入しつつある。その歴史を振り返りながら、グループの現在地を考察する。
チーム8の特異性
AKB48チーム8が4月30日のコンサートをもって活動休止に入る。
チーム8(以下、エイト)は2014年4月に発足し、各都道府県から1名ずつ選ばれたメンバーが活動していくという画期的なチームとして誕生。
エイトが新しかったのはそれだけではない。AKB48のコンセプト「会いに行けるアイドル」を逆手にとって、「会いに行くアイドル」を旗印にした点もまた画期的だった。
さらに、トヨタ自動車が全面サポートしたことも従来のAKB48にはない考えで、いったいどんなチームになるのかと注目を集めた。
エイトはコンセプトに忠実に全国へと出向いた。イベントやコンサートへの出演を軸として、メンバーはそれぞれの地元で番組を持つこともあった。そしてイベントは撮影可能だったこともあり、AKB48に関心がなかった層にも人気は波及した。
何度も合宿を重ね、一流の講師陣がメンバーを鍛え上げた。パフォーマンスに磨きがかかり、エイトの色が決まった。デビュー時の平均年齢は14.4歳。若さも武器だった。
初期エイトは新鮮に映った。その理由のひとつは、「全員が同期」という点だった。2014年の時点で、全員が横一線というチームはAKB48内には存在しなかった。縦の関係がないため、一丸となりやすかったのだ。その一丸さに心を打たれるファンが続出した。その結果、AKB48本体にとって、エイトは不気味な存在になっていった。
結成当初、エイトは基本的には本体と絡むことはほとんどなかった。大きなコンサートにチームとして出演するくらいで、後に他のチームと兼任することになる未来は誰も予想していなかった。エイトはあくまでエイトだった。エイトの価値はそこにあった。乃木坂46が「グループ外の公式ライバル」なら、エイトは「グループ内の公式ライバル」だった。
エイトの存在は、AKB48のメンバーを刺激した。シングルの選抜メンバーにエイトが入るようになっていったり、選抜総選挙にランクインするようになっていったりしたからだ。本体にしてみれば、自分の椅子を奪われまいと必死になる。エイトは独自の価値を見出しながらも、本体を刺激するという意味でも存在価値があった。
しかしながら、時間の経過とともに本体とエイトは融合していった。それまでにも数人が本体のチームに兼任していたが、2017年12月に行われた組閣発表でエイトの全メンバーが本体のチームと兼任することになった。この発表によって、エイトはグループ内で切磋琢磨する存在という役割を事実上、終えた。その後、チームキャプテンにエイトのメンバーが就任するなど、本体とエイトの線引きをすることにも意味がなくなっていった。
この数年、卒業メンバーが出ても補充が行われなくなっていた。2年前の3月には、トヨタ自動車はサポート体制から撤退したとみられる。むしろ今年4月までの9年間、よく継続した。小栗有以、本田仁美といった人気メンバーを輩出したことも大きな功績として挙げられる。エイトはAKB48史に残る実績を残してくれた。
4月30日、活動休止コンサートの最後はどの曲になるのか。あの曲のイントロが流れ、あの口上が聞かれたら、最高の場面を作ることができる。そのシーンは永遠にファンとメンバーの心に残ることになる。セットリストはまだ分からないが、そんな瞬間に立ち会いたいものだ。
取材・文/犬飼華
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