Superfly越智志帆、パブリックイメージとの違いに思い悩む時期も
アーティストのSuperfly 越智志帆が、4月13日に初の著作となるエッセイ集「ドキュメンタリー」(新潮社)を発売。都内で行われた取材会に出席した。
「ドキュメンタリー」というタイトルについて越智志帆は「このエッセイの中でも書いているんですけど、私は普段作詞をしていて、今回エッセイを書かせてもらって、この差って…同じ言葉を扱う“表現”ですけど、この差ってなんだろうって考えた時に、作詞っていうのは、写真のようなもの。多くの情報は入れられないけど、行間を楽しむもの。エッセイっていうのは、まるで映像作品のようかなって思ったんです。本当に長い時間考えているけど、ずっとカメラで追っかけているような、そういう感覚があって、本当に格好悪い私がたくさん描かれているんですけど、まさにその映像作品がまとまったエッセイになっているので、このタイトルは絶対に『ドキュメンタリー』だなと。私は、タイトル付けるのがすごい苦手なんですけど(笑)。曲のタイトルとかアルバムタイトルも、みんなの力を借りないと付けられないんですけど、この『ドキュメンタリー』は、私から提案しました」と、意外な一面も含め、その思いを打ち明けた。
元々はWEBで連載していたものに、新たに書下ろしも加えた本作。作品のこだわりについて「こだわったというか、それなりにボリュームがあるエッセイなので、一つ一つが。テクニックとか、そういったことで乗り越えられるようなボリュームではないから、“感性一発”でいきたいなとは思ってたんですけど(笑)。さっきは今回のエッセイは映像作品だって言ったんですが、本当に素の私を描かざるを得ないところがあったんですね。でも、私はパブリックイメージと、普段の私って結構ギャップがあるらしくて、プライベートでお会いしたり、初めてお会いしたりする人には結構驚かれるんです。そのギャップが持ち味とも思うし、自分の中でもちょっとコンプレックスでも…ちょっと苦しいなと思う時もあったので、こういうエッセイという場所で、プライベートも普段なかなか見せることのない自分を、とてもオープンに描けるというのは大切にしたいなと思って。だから、飾らない…パブリックイメージを意識しないように書こうと思ってました」と、普段のステージ上でのイメージとは違う姿をのぞかせた。
「ウタのタネ」というタイトルで連載されていたエッセイ。その“タネ”の源についても質問が及んだ。
「連載は月1であって、いつまで続くかっていうのも分からなくて、『これ絶対いずれネタ切れが来るぞと』思って(笑)。『最初は自己紹介すればなんとかなるか』とか(笑)。そういうふうに思っていたんですけど。これも不思議と、作詞をする時と同じで、書く時期が来たら、書くべきことがやってくるんです(笑)。いつも不思議だなと思うんですけど、ふっと現れて、これについて考えてみようかなと思って進めることが多かったです。あまり悩むことはなかったですね。1回だけ書くネタがない時があって、その時は“考えることがない”っていうテーマで書きました。かえって楽しかったですね」と、正直に創作の裏側も明かしていた。
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