『AKB48、最近聞いたよね…』という番組タイトルに込められた思い…元番組Pが捉えたAKBの2年間
『家、ついて行ってイイですか?』など数々のヒット作を生み出してきた元テレ東プロデューサー・高橋弘樹氏。2年前から彼が手がけたAKB48のレギュラー番組は多くの話題を呼び、グループ再浮上に一役買った。雑誌やラジオ出演、タイアップ獲得など、彼が番組を通してグループにもたらした功績は数知れないが、一体その裏では何が考えられていたのだろうか?
ひろゆき出演の意図
――出演依頼をしている最中にテレビ東京を退社されることになって驚いているんですけど、現在の高橋さんの肩書というと……?
高橋弘樹 株式会社tonariのCEOになります。まあ、社長でも何でもいいんですけど、零細企業のおじさんです(笑)。
――制作会社とかですか?
高橋弘樹 制作会社もやりますし、AKB48のお仕事もお受けします。でも、どちらかというと、(テレ東時代に手掛けていた)「日経テレ東大学」のようなYouTubeメディアを作る会社だと思っていただければ。
――退社のニュースを聞いて、高橋さんの身の振り方もそうですし、『AKB48、最近聞いたよね…~一緒になんかやってみませんか?~』はどうなるんだろうと心配していました。
高橋弘樹 僕は2月末まで社員だったので、それまでの仕事はしています。ロケした回が4月中旬オンエア分までありますね。2月のヨガの回を最後に自分が編集するのはやめにして、残りをどうするかはテレ東に任せています。
――4月以降も番組は続くんですか?
高橋弘樹 まだしばらく続くと思います。
――そうでしたか!そもそもですが、AKB48の番組を担当することになったのはどういう経緯があったんですか?
高橋弘樹 テレ東とAKB48の運営サイドが番組をやりたいということで話が雑談レベルから浮上したのが始まりです。その頃、AKB48はキー局で冠番組がなかったんですよね。
――『乃木坂に、越されました』が2年前の7月に放送開始ですから、そうですね。
高橋弘樹 キー局のゴールデンタイムへの出演もほとんどなくて、どうにかしようということですね。その座組に誘われました。
――それまでAKB48と仕事をしたことは?
高橋弘樹 番組にゲストで来ていただいたことはあります。向井地美音さんとか何人かですね。ガッツリとしたアイドル番組をやったことはほぼないです。半年か一年くらいジャニーズさんとやらせていただいたくらいで。
――それはテレビマンとしての考え方として関わってこなかったんですか?
高橋弘樹 そうです。面倒臭いことも多いし(笑)。それよりも企画重視のコンテンツを作るのが好きなので。いわゆる「タレント行政」みたいなことはあまりしてこなかったです。
――AKB48と仕事をすることになり、じゃあ中身をどうするという話になりますよね。
高橋弘樹 番組名を変えながらやってきて一貫したコンセプトは、AKB48は今でも人気はありますけど、再浮上しようじゃないかというものです。前期は結構迷走してました。プレイヤーも多かったですし。話し合いをしながらではあったんですけど、僕の考えがあれば、他の方の考えもありますから、うまくまとめきれなかったですね。しかも、コロナ禍の真っただ中だったので、AKB48の良さである大人数というものがマイナスに作用してしまって。ロケしようとすると誰かがコロナで中止、みたいな状況でした。そんななか、方向性と意思決定を絞ってやるようになって、『AKB48、最近聞いた?~一緒になんかやってみませんか?~』のシリーズに落ち着きました。
――再浮上がコンセプトだったんですね。
高橋弘樹 紅白歌合戦に出場できなかったことがニュースになっていたりしたので、再出場できるくらいになるまで知名度を上げましょう、と。それと、坂道を意識したのはありました。後期はそこまで意識しませんでしたけど、やっぱり乃木坂46さんが絶頂期にありますから、それを超えることを目標に、すべての企画にうっすらとテーマとしてあった気がします。これは乃木坂46はやらないだろうとか、乃木坂46より体張ろうよとか。
――番組を始めるにあたりメンバーと面談しましたが、どんなことを感じましたか?
高橋弘樹 みんな一生懸命なのに、不安を抱えていて報われない子が多いな、もったいないなと思いました。どのアイドルもそうかもしれないけど、AKB48もそうなんだなって肌で感じました。
――その面談は何を意図していたんですか?
高橋弘樹 メンバーを全然知らなかったんですよ。タレントさんと、ガッツリ仕事をする時はご飯でも食べに行くものかもしれないんですけど、80人もいたらその時間もないし、アイドルだからこちらも気を遣うじゃないですか。そこで、ちゃんと知るために面談しようと思いました。あと、最初に打ち出した企画に対してやる気はあるのかって聞きたかったので。
――番組を始めるにあたり、バラエティにアイドルをどう落とし込むかという発想はありましたか?
高橋弘樹 それはありました。企画というフレームにアイドルをはめ込むという作業ですから。『乃木坂に~』では上手くいかなかったと思いますけど、ファンの方よりもその外を見ていました。外に対して訴求するような番組を開発したいという思いがスタッフにはありました。世間は今のAKB48をあまり知らないわけですから、企画性で興味を持たせるしかないんですよね。そこにAKB48がチャレンジしているという構図が話題になればいいなと考えていました。
――初期はそのためにひろゆきさんがキャスティングされたんですかね。
高橋弘樹 スタッフの雑談で、「ひろゆきさん、いいよね」と名前が挙がりました。AKB48に興味がない代表例といいますか。「AKB48はかわいくない」みたいな発言をしていましたから、そういう発言をしている方のほうが番組は立体的になるんじゃないかという狙いがありました。
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取材・文/犬飼華
高橋弘樹=たかはし・ひろき|1981年生まれ。2005年にテレビ東京に入社後、『家、ついて行ってイイですか?』などのヒット作を生み出す。2023年3月、株式会社tonari代表取締役CEOに就任。経済メディア「ReHacQ」のプロデューサーを務める。
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