乃木坂46池田瑛紗、ネガティブな一面も徐々に克服…“芯の強さ”で5期生楽曲センターを務める
文具店に並ぶ鉛筆。見た目はどれも同じだが、その一本一本は違った特徴を持っている。彼女が描くデッサンは書き出しがユニの3Bで始まり、次に、お気に入りだというステッドラーのFに替えて書き込まれ完成されていく。
乃木坂46の5期生・池田瑛紗。名前のテレサに意味はないらしい。ファンからは “てれさぱん”の愛称で親しまれ、同期の中では最年長だが本人いわく、中身は子供の部分が多いのだとか。昨年2月1日に加入した5期生は、その翌日から毎日一人ずつ公式YouTubeチャンネル乃木坂配信中でお披露目されていったのだが、池田は学業の都合でほかのメンバーとは1カ月ほど遅い3月19日のお披露目となった。
アイドルという職業
あれから一年、根暗で人見知りな性格は今でも変わっていない。加入前から乃木坂46が好きだった彼女だが、オーディションを受けたのは友人に薦められたのがきっかけだ。まわりの可愛い女の子たちに圧倒されてオーディション会場では半ば諦め、誰の記憶にも残らないように自分の姿を消していたという。幼い頃から絵を描くことが好きで、それを仕事にしようと美術予備校に通っていたが、5期生オーディション最終審査の合格を受けて「この職業に真面目に向き合いたい」「選抜に入りたい」と、アイドルという職業を長所にしようとする意識が芽生えていった。
池田の長所はなんといっても絵がうまいこと。同グループの賀喜遥香や井上和も画才なことで知られるが、この二人とはまた違ったテイストでアニメ風のイラストを描いたり、目に映ったあらゆるものに独自の創造力を加えて絵にすることができる優れた才能の持ち主だ。そんな彼女が昨年10月から、アートをテーマにしたバラエティー番組『小峠英二のなんて美だ!』にレギュラー出演している。以前まで樋口日奈が担当していた場所に、樋口のグループ卒業と入れ替わる形で仕事の席が回ってきたのだ。アートに関しては一般視聴者と同じ視点でトークを繰り広げていた樋口とは対照的に、池田は番組内で出されるクイズをすぐに当ててしまうほどの知識で、自身の得意分野が良い方向へと傾いていた。
ブログにつづる思い
その一方で「歌もダンスも足りていないのに、好きなことでお仕事をいただいて歯痒く思っています」と、正直な気持ちをブログに書いたことがあった。彼女が書くブログは時々、ネガティブな内容になることも少なくない。ただ、ネガティブなことと合わせて、それでも自分を応援してくれる人への感謝を忘れずに記してくれるのがうれしい。今年2月からは乃木坂46のモバイルメールに5期生が加わり、「頑張りすぎてない?」とファンが心配してしまうほどブログもモバメも更新頻度が高いのだが、感謝の言葉を毎回忘れずに書き添えるのが彼女のすてきなところであり、ここ最近はネガティブな内容も減ってきている。3月29日発売予定の32ndSG『人は夢を二度見る』には5期生曲『心にもないこと』が収録され、この曲のセンターに選ばれた彼女は同曲を初披露した5期生ライブの翌日に、いつも支えてくれる人たちへの感謝をブログに書いて公開した。
池田は以前こんなことを口にしていた。「カラフルなイメージは自分にはない」
グループ・メンバー・楽曲など、あらゆるものを色で例えることが多い乃木坂46だが、その時彼女は自分自身を“白黒”と表現している。それを聞いた私は、彼女がデッサンで使っている2本の鉛筆を思い出した。それぞれの特徴を比較してみると、書き出しに使うユニ3Bに比べ、そのあとの本格的な書き込みに使うステッドラーFは芯が硬くてしっかりしている特徴があることが分かった。
今、彼女は自分の目に映る目標をデッサンにしようとしている。書き出しが終わり、ユニを置いてステッドラーを手にしたところだ。「打たれ弱い性格」とも話していた彼女は今年、乃木神社で行われた成人式で「強くなりたい」と絵馬に小さな字で書いていたのだが、着実に強く硬く丈夫な芯へと変化している。乃木坂46の未来を描くには、池田瑛紗という鉛筆が必要であることは間違いないだろう。