櫻坂46『桜月』、作品に散りばめられた情熱と想い…『桜月』MV監督 金野恵利香
5thシングル『桜月』はどのように完成したのか。振り付けを担当した、TAKAHIRO、『桜月』のMV監督を務めた金野恵利香、そして今作のジャケットのアートディレクションを担当した安田晃大の言葉から、作品に散りばめられた情熱と想いを感じてほしい。
彼女たちのリアルを見せていったほうがいいのかなと 考えを押し付けすぎずにドキュメンタリーチックにしました
歌詞の世界とのリンク
――金野さんは昨年、『僕のジレンマ』のMVで初めて櫻坂46とご一緒しましたが、最初は彼女たちにどんなイメージを持っていましたか?
金野恵利香 実は最初はあまり詳しくなくて……『僕のジレンマ』のお仕事が決まり、全員参加曲だとわかったあとにいろいろ勉強しました。
――では、実際に現場でお会いした印象は?
金野恵利香 ちょっと中に入ったら、各々のキャラクターとか、表現が確立されているグループだなという印象を持ちました。今ではすっかり虜です。
――そのときに印象に残ったメンバーはいらっしゃいましたか?
金野恵利香 『僕のジレンマ』に関しては、やっぱり(渡邉)理佐さんですよね。理佐さんの存在がものすごかったです。あと、全員参加曲っていうことで、かなりめまぐるしい感じでした。
――なるほど。では、そこから1年近く経って、今回『桜月』という曲でまた監督をお願いしますという話になり、制作の初期段階で今のグループの状態やイメージの共有はどの程度あったんでしょう?
金野恵利香 いろいろなお話があったんですけど、守屋(麗奈)さんがセンターになるということで、生まれ変わるじゃないですけど新しい見せ方になるのかなと、そんな印象は受けました。
――その時点で、MVのテーマや世界観についての話題は?
金野恵利香 「別れ」というテーマが大きくありつつ、桜月は瞼の先にある暗い夜空に咲く満開の桜の思い出の輝きという考え方のもと、映像ではただ単純に別れというテーマを描くだけじゃなく、審美眼をテーマに、過去を振り返っているときにある価値、美しいものを見分ける眼力を持つことで別れが美しく見えるみたいな、そういう意味で目を印象的に描いていきました。
――審美眼というテーマに関連するのかもしれませんが、MVの中では守屋さんとほかのメンバーの目線が合っていない、といったシーンも見受けられます。特に目線というポイントにおいて、このシーンは特に意識したみたいなことはありましたか?
金野恵利香 特に意識したシーンは、寝そべっている守屋さんが目を閉じるところからスタートして思い出を回想していき、目を開けて今現在と過去がシンクロして、どんどん混ざり合っていくみたいな、そういうポイントのきっかけのシーンに目の演技を入れていきました。
――この曲から新しい櫻坂が始まるという印象を僕らも受けましたが、例えばこれまでの作品や楽曲との繋がりや流れは意識しましたか?
金野恵利香 映像的なつながりは特に意識していないですけど、自分なりにこの曲の歌詞とか曲調みたいなところから組み立てたみたいな感じでしたね。
――なるほど。この曲は歌詞やメロディからも制作側が相当力を入れていることが伝わってきます。それを映像で表現する上で、どういうことを意識したのかも気になりまして。
金野恵利香 まず、ちゃんとメンバーの皆さんが歌って、人物がくっきりとわかりやすく、個々が活きているものになればいいなという気持ちで。本人たちが発するものとして、歌詞が観ている人に届くみたいなことは意識しました。歌詞が結構重要というか、グッと入り込むきっかけになる気がしたので。
――過剰に何かを表現するというよりも、歌詞の世界を大切にリンクさせた映像という印象も受けました。
金野恵利香 確かに、根底を考えるときもそこはかなり意識していて。歌詞から受ける情景とか光の感じとか価値観とか、そういうところは相当考えました。
――映像の色味についても暗すぎず、明るすぎずのあの塩梅が曲調にもすごく合っていますよね。
金野恵利香 そうですね。あれは1番が日中で2番が夕方、最後の桜が舞うところは夜っていう、光のイメージもそれぞれ歌詞から連想して描きました。
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取材・文=西廣智一
金野恵利香=こんの・えりか|1989年生まれ、青森県出身。東京藝術大学美術学部先端芸術表現学科卒業。2013年株式会社TYOに入社。櫻坂46『僕のジレンマ』のMV監督を務めたほか、TVCM、webムービーのディレクションを多数手がける。
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