2023-03-06 21:00

櫻坂46『桜月』、作品に散りばめられた情熱と想い…ダンサー・振付師TAKAHIRO

櫻坂465thシングル『桜月』の振り付けを担当したTAKAHIRO
櫻坂465thシングル『桜月』の振り付けを担当したTAKAHIRO

5thシングル『桜月』はどのように完成したのか。振り付けを担当した、TAKAHIRO、『桜月』のMV監督を務めた金野恵利香、そして今作のジャケットのアートディレクションを担当した安田晃大の言葉から、作品に散りばめられた情熱と想いを感じてほしい。

誰も「泣いてください」とは言ってないのに守屋さんの瞳から一筋の涙がこぼれたのです 守屋さんを表現者として尊敬した瞬間でした

ふたつの感情

――『桜月』の歌詞を読んで、どんなインスピレーションを受けましたか?

TAKAHIRO 『桜月』の歌詞にありありと描かれた、リアルな人間の感情歌に景色や情景が脳裏に溢れました。そして涙が出ました。そして、この歌詞の主人公の言葉には、思考と感情の二つが共存しているように感じました。思考や理性を通って紡がれる言葉と、たぎる感情が体現する筆圧のそれぞれがアンバランスに共存する作品と思うのです。社会的な共通言語の文字の中に、人の心が寓意画のように別の色を筆跡に落としている。歌詞の世界に浸ると、感情と思考・理性の曖昧な境界線に立っているような感覚になります。美しくて儚くて、大人の奥行きを持ちながら青々しいのです。

――そんな世界をダンスで表現することは難しそうですが。

TAKAHIRO 二つの顔を持つ、この歌詞はどちらを表現してほしいと求めているのか。振付も寓意的に、しかし歌詞に込められた想いに向き合いながら一文字一文字と対話をする感覚でした。振りを構築させていただいている時、涙が込み上げてくるので、何度か制作を止めました。制作ダンサーも感情を感じながら向き合ってくれました。

――MV制作にあたって金野監督はどのようなコミュニケーションを取ったのでしょうか?

TAKAHIRO 事前にミーティングをしました、撮影直前には電話で互いに思っていることを話しました。私からは、この歌詞にまつわる、これまでの彼女たちのストーリーや個人個人の背景を情報としてお伝えさせていただきました。当日は金野監督に旗を振っていただき、メンバーと撮影チーム皆で集中した時間を過ごしました。

――MVのイントロでは、表題メンバー全員で時計の針を表現するような振りがあります。

TAKAHIRO 時計という短期的な時間と捉えていただいてもいいですし、1月から12月までの暦と捉えていただいてもかまいません。『桜月』は暦でいうと3月ですが、「寒さも感じないくらい 僕たちは向き合ってたのに」という歌詞は冬を予感させます。なので、歌に出てくる2人の時間は「向き合う」関係性ができるまでに幾つもの時間と幾つかの季節が流れ、今に至ったことを感じさせてくれます。

――そこに12人が重なっていると。メンバーが倒れていく動きは、何を意識したのでしょうか。

TAKAHIRO 想像の世界に主人公が入り込んでいく様を意識しています。『桜月』は主観的で、一人称の視点で書かれています。歌詞の中で主人公は「そっと瞼を閉じる」描写がありますが、その瞬間をこの作品ではとても大切にしています。閉じた瞳の先に見えるものはいつでも夜空です。そして、自分の記憶と思いがあれば自分の夜空には想像の力でどんな世界も映し出せる。言葉に紡がれる思考と感情の色の違いにリンクするように、身体表現で想像と現実のグラデーションを表現しようと意識しました。

――そして、守屋麗奈さんのソロダンスがあります。

TAKAHIRO この物語のすべてを感じるままに伝えるように意識して踊っていただきました。

――フロントの小林由依さんと小池美波さん、2列目、3列目とダンスが続きます。

TAKAHIRO 『桜月』は「僕」視点で、「君」からの視点が描かれていないので、すべてのメンバーにひとりの主人公の気持ちを体現してもらいました。ただ、先ほども話したように、ひとりの人間の中でふたつの思いが共存しているため、メンバーによってスポットの当て方を変えています。

――このメンバーの表現がよかった、というのはありますか?

TAKAHIRO 田村保乃さんと森田ひかるさんは、確かに見つけていた心の重なり合いの瞬間を手放してしまった様を表現してくれました。机の上で踊っている井上(梨名)さんや武元(唯衣)さんは、ターンができないような制約された空間でも気持ちの強さを表現してくれました。各シーンにメンバーそれぞれの良さが出ていました。特によかったことはみんなの気持ちが繋がっていたことです。異なる感情とはいえ、ひとりの主人公のものなので、ひとつの線で繋がっていかないと嘘になってしまう。次の人に感情のボールを投げていくのですが、高かったり低かったりすると繋がりません。メンバーが歌の心を感じ作品を一つに繋げて下さった事が素晴らしいなと思いました。

――インタビューの続き、櫻坂46特集は発売中の「BRODY4月号」で!

取材・文=大貫真之介

TAKAHIRO=1981年9月4日生まれ、東京都出身。ダンサーとしてNY・アポロシアターに出演し、注目を集める。現在は振付師、演出家としても活躍し、櫻坂46をはじめ、数多くのアーティストの振り付けや舞台演出・構成を手がけるなど、幅広く活動している。

櫻坂46表紙:BRODY (ブロディ) 2023年4月号

Amazon Kindle
楽天Kobo
Apple Books
紀伊國屋Kinoppy
BOOK☆WALKER
honto
セブンネットショッピング
DMM
ebookjapan
ブックパス
Reader Store
COCORO BOOKS
コミックシーモア
ブックライブ
dブック
ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA 2024年11月号 BUBKA 2024年11月号増刊 BUBKA 2024年11月号
BUBKA 2024年11月号コラムパック DOLCE Vol.13 尊みを感じて桜井
新谷姫加 相楽伊織 いけちゃん

BUBKA RANKING17:30更新

  1. 日向坂46 松田好花が深夜に自爆!オードリー若林との記念写真がピンボケに終わるも「カメラのカネムラ」のおかげで無事解決
  2. 「松田もだって36……」オードリー若林の年齢イジりに日向坂46松田好花「おばさんイジりは良くない」と大激怒!?
  3. 日向坂46 松田好花がオードリー若林との夢の共演の「裏側」河田陽菜と埼玉でネタ探しするほど追い詰められた一週間
  4. 日向坂46小坂菜緒『EX大衆』リニューアル号表紙を飾る
  5. 乃木坂46の37thシングル『歩道橋』センターは、4期生の遠藤さくら!音源の配信も決定!
  6. 日向坂46の松田好花が撮るメンバー写真が有能すぎる!“カメラガチ勢”の金村美玖との撮り合いが白熱化⁉
  7. 齋藤飛鳥曰く「覚悟が決まると最強」!23歳になった乃木坂46のエース・遠藤さくらが放つ“あざとさ”と“か弱さ”と“輝かしさ”!
  8. 菅井友香、祝!運転免許取得「一人旅にも挑戦してみたい」キッチンカーへの憧れも
  9. 日向坂46と二人三脚で歩んできたオードリー若林「自分の目利きが間違っていた」と、松田好花をガチ分析
  10. 日向坂46×ラジオ…収録現場に密着『BRODY8月号』表紙&特集解禁
  1. 注目の新人グラドル葵くみ、チアリーディングで鍛え抜いたプロポーションが躍動
  2. パリコレ最終審査で沸かせた椎菜貴妃、パーフェクトボディーでDVDデビュー
  3. グラビアアイドル小嶋明梨、お気に入りは「究極に面積が少ない和柄のマイクロ水着」
  4. 小嶋明梨、手作りビキニで登壇「温かいです…ココだけは」モコモコ素材をアピール
  5. 日向坂46濱岸ひより1st写真集より書店特典ポスター&ポストカード絵柄全13種解禁
  6. 清楚系美少女グラドル小嶋明梨、極上の色白スレンダーボディーを披露
  7. 美少女グラドル桜羽のえ、少女と大人の狭間で揺れる19歳のリアルな姿にドキッ
  8. 高身長スレンダーボディー篠塚みあ、19歳とは思えない艷やかな表情と圧倒的なスタイル
  9. 杉本有美、通算10作目のトレカ発売「水着自体着るのも久しぶり…新鮮でした」
  10. “令和のハイレグプリンセス”林田百加が紹介する深夜ドラマコラム!第18回は「私の町の千葉くんは。」!