クリープハイプ尾崎世界観、「生きづらさ」ゆえに感じる「生きやすさ」…吉田豪による新連載スタート

――『共感百景』とかで出会う他ジャンルの人のほうが刺激にもなるだろうし。

尾崎世界観 そうですね。でも『共感百景』に出して頂いて、居場所ないなって思いました。

――え!あそこも居場所ではなかった?

尾崎世界観 そうなんですよ。自分がやっている言葉を遣う仕事が活かせるかなと思ったんですけど、やっぱり居場所ないなと思いました。『共感百景』って意外とキラキラしてるんですね。思っていた以上に。

――各ジャンルの多少くすぶってる人たちが集まってる感じはありましたけど。

尾崎世界観 でも一軍感がありました。「居場所がない」と言う居場所がある人もいるというのが最近わかってきて。修学旅行のときに「ぜんぜん寝られなかったよ」って言いながら意外と寝てる人とか、テスト前に「勉強してなかった」って言いながら勉強してる人とか、それに近い感覚なんですけど。けっこうみんな明るいですよね。たまにテレビに出ると、どのタイミングで挨拶をすればいいかわからないし、でも意外とみんな仲良くしていて。表向きにはつながっていると思っていなかった人が初対面じゃない感じで。

――すでに仲良く飲んでたりで。

尾崎世界観 そうなんです。テレビは特にそうですね。派遣のバイトに行ったら、前の現場で一緒だった人同士で仲良く固まってるのを見て疎外感を感じるのと同じで、みんな意外とつながっている。派遣のバイト初日に感じていたああいう気持ちをテレビに出てまでまだ感じるんだって思って。

――ここまできても変わらなかった!

尾崎世界観 トリプルファイヤーの吉田(靖直)さんなんてめちゃくちゃアクティブな人ですよね。

――あのムードを出しながら、あれだけ女子と飲みまくってる人もいないですからね。

尾崎世界観 だから疑いしかないです(笑)。

――わかり合える人が減ってきたものの、バンドの世界の居心地は悪くはない?

尾崎世界観 やることが決まってきているし、良くはないですけど、無理して心地よくいる必要もないという感じが最近はありますね。それはネガティブな意味ではなく。昔はフェスの数も限られていて、そこでしっかり打ち上げがあったりして交流が生まれていたと思うんですけど、いまはバックヤードにすらあまり人がいない。次の日には別の場所でフェスがあるから、みんなそこに移動するので、他のバンドに会う機会も減りました。

――尾崎さんって基本がジェラシーの人じゃないですか。フェスで他のバンドの音を聴きたくなくて耳栓してたとか、本を出しても本屋に他の本が並んでるのがつらくて行けなくなったとか、かなりのレベルで。

尾崎世界観 そう、ずっと変わらないんですよ。

――何をやってもジェラシーはついて回る。

尾崎世界観 だから最近はもう見ないようにしていて、Twitterでもほとんど検索せず。Spotifyを見ると再生回数が出てくるんですよね、月間の。ああいうのも見たくないので、何か聴きたいときは薄目で。勝手にプレイリストの表紙とか出てくるので、検索の窓だけ見て薄目でやってるんですけど、たまに気持ちが落ち着いてるタイミングがあるんですよ。精神がわりとフラットで、夜中に眠れなくて体力があるとき、まとめてやっちゃうんです。我慢したら我慢しただけ検索しちゃうし、見ちゃう。結局それで元気だったものが全部削られて。

――ダハハハハ!結局は削られる(笑)。

尾崎世界観 やっぱりそこにいっちゃうんですよね。何かもっと元気をポジティブなものに使うこともできるんですけど、いま体力があるってわかるとつい検索してしまって、後輩のバンドがこんなに聴かれてるんだ!ってなったりして。それは昔から変わらない。やっぱり見たくなるんでしょうね。ホントにこの時期が嫌いですね、年末の時期にだいたいランキングが出てくるじゃないですか。

――年末はベストテン関係ばっかりですよ。

尾崎世界観 あの、年末のまとめにかかる空気がすごく嫌いで。

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