櫻坂46・菅井友香「最っ高に楽しかったです」笑って手を振りながらアイドル人生に幕
櫻坂46の全国ツアー『2nd TOUR“As you know?”』の最終公演が11月9日、東京ドームで行われた。
初日公演ではアンコールに欅坂46の「Overture」とともに、卒業を控えた菅井が「今歌いたい曲」として「10月のプールに飛び込んだ」「世界には愛しかない」など欅坂46楽曲を複数披露したが、この日も欅坂46の「Overture」が流れ始めると客席からどよめきの声が上がる。
これに続いて披露されたのが「不協和音」とあって、予想外の1曲に客席のボルテージも急加速。当時の青い衣装を着用し、鬼気迫る表情で渾身のダンスを見せる菅井やメンバーたちは、3年前の欅坂46東京ドーム公演がフラッシュバックするほどの鮮烈なパフォーマンスで観る者を圧倒させた。
欅坂46『THE LAST LIVE』で初披露して以来となる「砂塵」へと続くと、場の空気も一変。笑みを浮かべながら踊るメンバーの中、菅井がフライング演出で中を舞うなど、楽曲の世界観が目の前で再現されていった。
貴重な2曲を終え、菅井の7年を振り返るVTRへと続くと、いよいよ菅井の卒業セレモニーへと突入する。ティアラとドレスを身にまとった菅井は、「思い返すと本当に波瀾万丈なアイドル人生でした」とこの7年へ想いをはせながら今の素直な気持ちを吐露。
なかなかうまくいかない日々に対して、彼女は「私はキャプテンとして、せめて皆さんとグループをつなぐ架け橋になろうと向き合っていました」と語り、「周りを信じることが難しくなってしまって、心にうそをつかなくちゃいけなくなり、笑えることが難しくなってしまう時期もありました。そんな時に、応援してくださる皆さんがいてくださることが本当に心の救いでした」とBuddiesへの感謝を告げる。
さらに、「大切な欅坂46も、大好きな櫻坂46もそれぞれにしかない楽曲、メンバーの魅力がたくさんあります。どっちがいい悪いではなく、それぞれを尊重しながら、どっちも愛してもらえたらうれしいと思います」を口にしてから、「私自身もまた皆様とお会いできるよう私の道を頑張って、これまでの経験を忘れずに、楽しかったこと苦しかったこと、すべて抱きしめて前に進んでいきたいと思います」と今後の抱負を掲げてあいさつを締めくくった。
その後、菅井へのサプライズとしてメンバーがひとりずつ、菅井へのメッセージを認めた手紙を読み上げ、1輪の花をプレゼントしていく。二期生たちは誰に対しても平等に、無償の愛をくれたキャプテンへの感謝を伝え、同期の一期生は7年間の思い出とともに労いの言葉を贈る。そして、「次の道に踏み出すために、今日ここで大切に歌えたらと思います」とこの日のために用意された新曲「その日まで」を披露。
二期生から一期生へと、メンバー一人一人が菅井を介して絆をつないでいくような演出・振り付けとともに、菅井は観る者へ感謝の気持ちを表現。曲中には「今日までグループを守るために戦ってきました。悲しいこともありましたけど、最っ高に楽しかったです。7年間の応援、ありがとうございました!」と力強く語る一幕もあり、最後は大量の紙吹雪が舞う中、彼女のトレードマークでもある「がんばりき」ポーズを見せながら笑顔でステージをあとにした。
そして、菅井が去ったあとに新キャプテンとなる松田が「このメンバーならどんな困難も乗り越えられると思うし、どんな道も進んでいけると思います。またこのステージに立てるように切磋琢磨していきたいです」と新たな抱負を口にし、3時間を超える東京ドーム公演を終えた。
12月にはデビュー2周年を迎える櫻坂46は今後、三期生を迎え新たな一歩を踏み出すことになる。この大きな節目を経てどんな未来を見せてくれるのか、今後の飛躍に期待したい。
(文/西廣智一)