佐久間宣行Pが今のアイドル業界であえて火中の栗を拾ったワケ~吉田豪インタビュー
テレビ・ラジオ・YouTubeなど、さまざまなメディアを通して世の中を面白くする佐久間宣行によるアイドルプロデュースプロジェクトが進行中。バラエティをベースにものづくりを行う佐久間Pが、アイドルシーンにどのようにして一石投じるのか? プロインタビュアー・吉田豪が掘り下げます。
青春のやり直し
佐久間宣行 わざわざ(『ゴッドタン』収録前のテレビ東京・天王洲スタジオまで)来てもらってありがとうございます。
――佐久間さんが青春高校3年C組アイドル部の元メンバーに頼まれてアイドルプロデュースをやることになった経緯はYouTubeで全部公開してますけど、誤解が多いじゃないですか。ホントにガチなのに、「最初から全部決まってるんだろ」とか言われたりして。
佐久間宣行 ホントにガチです。ただ何やったって「全部決まってただろ」って言われるから。要はあの5人をデビューさせたいというプロジェクトがあったんだけど……。
――英語の曲を歌ったりの企画ですね。
佐久間宣行 そうやっていろいろ模索したけど、たぶんスポンサーがつかなかったとかレコード会社がつかなくて頓挫したっていう状態が去年、今年の頭で。そこで事務所の方からも相談を受けつつ、俺は自信ないって言ってたんだけど本人たちからも相談を受けたのが始まりなのは間違いなくて。そこからいろいろ考えたんですけど、『青春高校』というグループがうまくいかなかった理由はいくつかあるんだろうなって。
――あれって母体となった番組は秋元康企画監修で、佐久間さん演出で、メイプル超合金、バイきんぐ、千鳥、三四郎、おぎやはぎ、バカリズム、バナナマン、アンタッチャブル、東京03が司会する帯番組という、ビッグプロジェクトだったわけじゃないですか。
佐久間宣行 そうそう。あれがいまだによくわからないのは、もともとアイドルを生みたいわけじゃなかったから。プロジェクトを進めていって、現状だとマネタイズってアイドルしかできないんだなっていう業界の構造にぶち当たってアイドル部ができたような気がするというか。僕はもともとバラエティとしての番組の演出担当だからアイドルのプロジェクトとか楽曲も全然決めてるわけじゃないし。
――その部分にはほぼノータッチで。
佐久間宣行 だからテレビ東京と秋元さんとかとのプロジェクトの推移でいうとそういうことだと思うんですけど、そこでアイドル部ができたから、もともと心底アイドル志望の子もいるし、そうじゃない子もいるからモチベーションに差があるし、友達を作りたいぐらいの気持ちで来てる子もいたのと、そのわりには準備されすぎてて応援されないというか。
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