2022-07-31 20:30

佐久間宣行Pが今のアイドル業界であえて火中の栗を拾ったワケ~吉田豪インタビュー

プロインタビュアー・吉田豪が佐久間宣行プロデューサーに迫る
プロインタビュアー・吉田豪が佐久間宣行プロデューサーに迫る

――ああ、はいはい。アイドルは運営がヒールになって、そんな運営に対抗して健気に頑張るアイドルを応援する構図がベストなんですけど、佐久間さんがヒールになるのは難しいし、そうすると佐久間さんが健気に頑張ってる感じになって、アイドル側がヒールになる可能性があるっていうヤツですよね。

佐久間宣行 そうです、そこで問題なのは俺の人間性もバレてるから。たしかに俺もそうだと思って。俺が責任を背負ってヒールをやらないと、あの子たちの物語にはならないっていうのが1個。もう1個は、何せちゃんとあの子たち5人を見たときに、もうちょい推進力になる子が入ったり、もしくは「ホントにアイドルやりたいの?」って子にこのタイミングでやめるきっかけを作ってあげないとダメなんじゃないかと思って、バラしてオーディションやろうともう決めたって感じです。

――あのときボクも竹中先生も言ったと思うんですけど、こんなに女の子たちの人生を背負うことになるからっていうことをちゃんと考える運営の人ってなかなかいないんですよ。みんなもっと気軽に手を出して、気軽に「もう終わり」ってやっちゃうわけで。

佐久間宣行 そういう意味ではホント向いてないんだと思います(笑)。昨日、元アップフロントの山田(昌治、YU-Mエンターテインメント代表)さんに相談しましたもん、3時間ぐらい飯食いながら。でもあの人も、「自分がアイドル戦国時代にいたときとは違って、いまはその子たちの先の人生を考えて、その子たちが何をやりたいの? から始めて、ゼロイチはあっちにある状態じゃないとダメだと思ってるんで」みたいに言ってて。

――かつてあれだけ軍隊システムでやってた人が、いまはすっかり変わったんですよね。

佐久間宣行 そうそう、10年前とか15年前とかはその総長みたいなことやってた人が言ってましたよ。だからやっぱゼロイチの炎はあっちにないとダメなんだろうなと思いますね。それに俺は『ウレロ☆』って番組を始めたとき、グループをやめたばかりの早見あかりと一緒にやってたんで。あの頃はももクロとよく一緒に仕事してたから、10代の子たちと川上(アキラ)さんの関係性というか。

――あそこは特殊ですよね。

佐久間宣行 特殊な関係性を見てて、あのぐらいまでクレイジーにならないと売れないんだろうなって思ってたんですよね。結局、どっかにホントにクレイジーさがないとエンタメ界ってうまくいかないんじゃないかって。

――佐久間さん向いてないじゃないですか。

佐久間宣行 そう! でも今回のことに関しては俺しかやる人がいないのは間違いないんで。

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