「documentaly of 江籠裕奈」ソロプロジェクトを紐解く3人の証言
ソロライブ、1st写真集、ソロシングルと、グループアイドルの一員にとっての憧れを次々と叶えてきた江籠裕奈。こうした一連の動きの背景は、彼女を見つけ、信頼し、育て、共に歩んできたスタッフなしでは語ることができない。マネジメント・楽曲・歌唱に深く関わる三者の証言とともに、江籠裕奈ソロプロジェクトを紐解いてみよう。
なぜ江籠だったのか?
2011年、5期生としてSKE48に合格した江籠裕奈。当時は小学生だったが、今や立派な十年選手だ。2015年、『コケティッシュ渋滞中』で選抜入りするまでにも時間がかかった。以後、選抜常連となるものの常に前のポジションに立っていたわけではない。しかし、この2年で急速にソロアイドルとしての活動を加速させている。それはなぜだろうか? 江籠の所属事務所「ゼスト」の第1マネジメント事業本部の本部長・田村謙典氏はこう説明する。第1マネジメント事業本部とは、SKE48の関連事業すべてを網羅する部署である。
田村謙典氏「江籠のソロ活動は、昨年3月のソロライブからスタートしました。あの日は野島樺乃、ティーンズユニット(現プリマステラ)と江籠がそれぞれライブをしたわけですけど、会社としては江籠をモデルや女優として売り出す戦略を考えていました」
その前に、本人の意志を確認しておく必要がある。そこで会社は江籠にヒアリングを実施した。
田村謙典氏「女優やモデルとして売り出すなら、どこに営業をしたらいいか。そういったことを考えていたところ、江籠から相談があります、と。『よく考えたけど、私がやりたいのは女優とかモデルじゃなくて、アイドルなんです』と言うんです。僕らはそれを聞いて、ハッとしました。僕たちはメンバーの“その先”を考えてあげないといけません。アイドルは永久にできませんから。でも、江籠はアイドルとして生きていきたいと考えている。会社としては、これもアリだなと判断しました」
江籠の“その先”が見つかった。それが江籠裕奈のソロアイドル化計画だった。
田村謙典氏「江籠のソロプロジェクトは“その先”の例を作るという意味もあります。実力と人気が伴っているならば、“その先”のステージを用意する。しかも、それは連続していないと意味がありません」
氏は以前からユニットのあり方について違うアプローチができるのではないかと考えていた。従来のユニットは、シングルのカップリングで組まれる。メンバー編成はチームをまたいでいる場合がほとんどだから、劇場公演でその曲が披露されることはない。シングルのMVとコンサートで披露されるのみ。瞬間的な効果はあるが、持続的かつ経済的な効果は期待できない。昨年3月のソロライブは好評だった。田村氏も現地で視察している。
田村謙典氏「応募の倍率もよかったです。江籠とも話しましたが、現場で観てもらう人を増やしていこうと。これから箱を大きくしていきたいです」
1stソロライブが終わると、江籠は7月のアイドルフェス「SEKIGAHRARA IDOL WARS2021~関ケ原唄姫合戦~in尾張」にソロで参戦を果たしている。これもソロプロジェクトの一環である。SKE48のシングル『あの頃の君を見つけた』のカップリングに江籠のソロ曲『自転車のベルで伝えたい』が収録されたのも、昨年夏のことだった。また、いくつかの雑誌でグラビアも展開。延期になってしまったが、2ndソロライブの開催も発表され、完全にソロ活動のレールが敷かれた。
田村謙典氏「せっかく秋元先生に歌詞を書いていただけるのに、特にMVが無い劇場版カップリング曲には歌う機会が少ない楽曲が多いんです。それをなくしていきたかったことと、江籠がソロ活動を始めた時期が一致しました。これは僕の好き嫌いではなく、そのメンバーやユニットに動きがあるかどうかで決めています。SKE48にとって一番いい選択をその都度しているつもりです」
延期になっていた2ndソロライブを成功させると、年明けには1st写真集『わがままな可愛さ』を発売させた。これもソロ活動の一環と捉えることができる。そして、6月の3rdソロライブでソロシングル『君が大好き、みたいなんです』の発売が発表された。
田村謙典氏「ゼストでCDを発売して、ライブを主催する。こういう実験をカミフレでしていたわけですが、チームS新公演のアルバムも江籠のシングルも同じ流れにあるものです」
では、江籠にどんな曲を歌ってもらうのか。そして、それはどんなコンセプトなのか。ゼストは楽曲制作に取り掛かった。
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取材・文/犬飼華
江籠裕奈=えご・ゆうな|2000年3月29日、愛知県出身。SKE48・チームKⅡ所属。ひとたび踊れば一瞬でファンのハートを5人抜きし、神の手を使ってゴールを量産するディえごマラドーナ。球技はちょっぴり苦手。得意技は落ちサビプレゼント。愛称は「えごちゃん」。
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