SKE48須田亜香里“人生最大の壁”からの再浮上…輝かしいアイドル人生のゴールが9月末に
公演で与えられたポジションは最後列の端。それでも腐ることなく、むしろそれを武器として、劇場でファンを一人ずつロックオンした。じわじわと人気を伸ばし、握手会では長蛇の列ができるようになった。“握手会の女王”と呼ばれるようになり、AKB48の選抜にも顔を出すようになった。テレビ番組で木村拓哉に握手の極意を直接伝えたこともあった。
それもこれも、すべては自分を知ってほしいから。これくらい肝が据わっていないと、この世界で勝ち抜くことはできない。
そんな須田の心が折れたことがあった。2015年の選抜総選挙だ。前年は10位。選抜入りは確実視されていたが、ふたを開けてみるとまさかの18位。16位までに入れず、選抜落ちをした。涙のスピーチはほとんど聞き取れず、その姿は“人生最大の壁”にぶち当たったことを表していた。
だが、須田は再浮上する。自分のことは世間に知ってもらえつつあったが、その自分とは「スピーチが長く、総選挙で惨敗したメンバー」だった。それで気が済むような須田亜香里ではない。私の知っている須田亜香里とは、自分を知ってもらうために「えっ、もう終わりですか? まだ話ありますよ」と微笑みながら取材を長引かせる須田亜香里であり、SKE48のコンサートのリハーサルで先輩メンバーに臆することなく手を挙げて、「ここはもっとこうしたほうがいいと思います」と、堂々と意見する須田亜香里だ。
翌年の総選挙では7位にランクイン。2017年には事務所移籍も果たした。『痛快TV スカっとジャパン』(フジテレビ系)では、やり込められる悪女を演じた。自身の写真集が爆死しても、ネタにできる強さを身につけた。