乃木坂46山下美月「もっと燃えたいと思ったし 自分も輝きたいと思った」伊藤理々杏&久保史緒里、3期生インタビュー【BUBKAアーカイブ】
乃木坂46・伊藤理々杏&久保史緒里&山下美月にインタビューを実施――。「盛者必衰の理」を打ち破るための3期生の戦いは、きっと東京ドームまでたどり着いた1期生・2期生以上に厳しいものになる。ただ、その挑戦権を保有しているのは3期生だけだ。魂を受け継ぐのも、歴史を変えるのも、彼女たちにしかできないこと。新しい物語は静かに進行中だ。 (BUBKAアーカイブ…今回は、2018年1月号より乃木坂46・伊藤理々杏&久保史緒里&山下美月をピックアップ。記事の情報は発売当時のもので最新のものではありません)
自分だって
――今、みなさんに折り鶴を持ってただいて撮影をしました。
伊藤理々杏 どういう意味だったんですか?
山下美月 …平和の象徴?
久保史緒里 わかった!「大空へ羽ばたく」。
伊藤理々杏 なるほど、そういう意味か~。
――「鶴は千年、亀は万年」ということわざがありますが、乃木坂46も千年続くようなグループになってほしいね、その未来が明るいものになるかは3期生に託されているよね、という意味を込めて折り鶴を…若干、まわりくどいかもしれませんけど(苦笑)。
伊藤理々杏 いやいやいや(笑)。
山下美月 いけますよ。3017年まで。
久保史緒里 ウフフ。
――というわけで、今日は“未来の乃木坂46”について、みなさんの忌憚ないご意見を聞かせていただければと思ってます。
3人 よろしくお願いします!
――まず、3期生の現状についてみなさんはどう感じていますか?
山下美月 いい意味で、だんだんいい感じにバラけてきたというか、ほぐれてきたと思います。
伊藤理々杏 今は個人の仕事もあれば、3期生全員でイベントに出させてもらったり、単独で何かをやらせていただくこともあるので、どっちもできてるなっていう感じですね。
久保史緒里 たとえば、「若様軍団」(若月佑美が3期生の梅澤美波、阪口珠美、山下美月の3人を従えて結成したユニット)みたいに先輩をまじえた団体でも活動できていることが嬉しいです。(山下は)「若様!若様!」みたいに慕っているし、若月さんの写真集もすぐ買いに行ってたよね?
山下美月 私はLOVEだから!
久保史緒里 そうやって先輩との交流も増えてきたことで、なんていうか「乃木坂だな~」って感じています。
山下美月 久保ちゃんも「チューリップ」(高山一実、能條愛未などの仲良し軍団)でしょ?
久保史緒里 研究生だけどね。
伊藤理々杏 研究生なんてあるんだ!?
久保史緒里 日村(勇紀)さんと同じ立場(笑)。だから、日村さんとどっちが先に正規メンバーに昇格するか競ってるんです。
――もちろん大変なこともあると思いますが、楽しみながら活動しているのが伝わってきますね。
伊藤理々杏 はい、楽しいです!
山下美月 でも、1年経ってやっと楽しめてきた感があるよね?
久保史緒里 たしかに。すこしだけ楽しむ余裕が出てきたのかも。
山下美月 いろんなこと経験させてもらって、いい意味で余裕ができたっていうか。
――逆に、慣れてきたことで気が緩んでしまうことはないですか?
久保史緒里 いや、3期生を見ていても、そう感じるメンバーは一人もいないです。
山下美月 焦りも感じるし、プレッシャーもあるので。
伊藤理々杏 まだ緩むほどの余裕は全然ないです。むしろ「ヤバいかもしれない」って思うことは常にあります。
山下美月 つぎはどんなことが待っているんだろう?って。
伊藤理々杏 もうビクビクしながら。デビューして1年間、大きいイベントを告げられて、それに向かってずっと走ってきたんですよ。だからしばらく大きいイベントが予定にないと「なにかが待ち受けているんじゃないか…」って。
久保史緒里 私も『見殺し姫』(3期生の主演舞台)の最終日に「つぎは何が来るんだろう…」ってビクビクしてました。
山下美月 わかる、わかる(笑)。
――「3期生全員で」ってことではないですが、それこそつぎは「シングルの選抜」というのがリアルになってくると思います。
伊藤理々杏 そうですね。
山下美月 たしかに。
久保史緒里 でも、3期同士でよく話さない?「いつ交じるんだろうね?」って、よく話している気がする。
伊藤理々杏 うん。
山下美月 今までそんなに現実味がなかったというか、自分が選抜さんと一緒にテレビに出ている姿なんて…っていう気持ちでいたけど、よだもも(与田祐希・大園桃子)がああやって先輩方の前に立ってセンターで踊っている映像を観て、こんなこともありえるんだ!?って。
――今後、自分がそこに立つ可能性も全然あるわけですよね。
山下美月 でも、3期生って特殊な立ち位置だと思うんです。アンダーでもないし、研究生でもなくて。
伊藤理々杏 乃木坂46のなかで自分たちがどこに立っているのか?って、まだふわふわしたところがあって…。ずっと「3期生」という括りがあるわけじゃないと思うし。
山下美月 その括りをはずされた瞬間がちょっと怖いよね。
久保史緒里 うん、わかる。
伊藤理々杏 自分はどうなるんだろうな?って。
――手っ取り早いのは選抜に入ることですよね。選抜という居場所を見つければ、そこでさらに飛躍できる。
久保史緒里 でも誰かが選抜に入ったら、3期生全体の活動がなくなる…。
伊藤理々杏 それが怖いんです!
山下美月 でも、18枚目でよだももが選ばれたときは、3期生で何かをやることがなくなると思っていたけど、そんなこともなかった。
――『見殺し姫』がありましたもんね。つぎのシングルで選抜メンバーに選ばれるのは自分でありたい、という気持ちはないんですか?
3人 う~ん。
山下美月 …怖いです。
――でも、その可能性のある3人だと思いますけどね。
山下美月 よだももってどこに行っても馴染めるじゃないですか。
伊藤理々杏 愛されるキャラクターだし。
山下美月 センターに立ってもグループに馴染めるけど、もし私が選抜に入ったら違和感を感じる人もいるんだろうなぁって思うし、いろんな場所で選抜曲を踊っている自分を想像すると、できる自信がないっていうか…。
――いつか必ず選抜に入る日が来ると思うんですよ。だったら早いほうがいいなというふうには思いませんか?
久保史緒里 「やりたいことはすぐにやったほうがいい」っていう言葉を聞いたとがあって。
――誰からですか?
久保史緒里 川栄李奈さんの言葉なんですけど、この言葉を聞いて、私は今まで「実力が伴ってから前に出たい」っていう考え方だったけど、それって単純に逃げだな、と思ったんです。未来をおそれず、今を大切にしよう、って。
伊藤理々杏 「実力がついてから」っていうよりも、選抜にいったらもっとそれ以上の実力を得られると思います。やっぱり、選抜でいろんなことを経験できると思うんですよ。だから、できるだけ早いほうが、自分の将来に対する不安もちょっと減るのかな、って思います。
山下美月 私は、同期のメンバーが選抜に入って自分が入れないままだったとしても、それはそれで燃えられると思うし、もし選抜に入ったとしても、その場所を絶対に自分のものにしよう!って頑張れると思います。
――死守しようと。
山下美月 選抜に入る・入らないというより、「絶対その場所を逃さない」というか。たとえフロントで踊っていたとしても、3列目で踊っていたとしても輝ける人は絶対に輝けると思うんですよ。そういう人に私はなりたくて。どんな場所でも誰かの目に止まってもらえるように頑張りたいです。乃木坂46に入れたのも奇跡レベルの確率だし、アイドルができるのは人生の中のほんの一瞬だから、だったら輝けるだけ輝きたいと思っています。
――悠長に構えていたらチャンスを逃してしまうかもしれないですもんね。久保さんは、今すぐ実現したいことのひとつが選抜として活動することですか?
久保史緒里 えぇ~~。今すぐですか?
――声に出して言っていいと思いますけどね。
久保史緒里 いや、でも、最近気がついたんですよ。「謙虚」と「謙遜」は違うなって。だから、正直に言ってしまうと…よだももの選抜を見ていて、自分もいつかなりたい!って強く思いました。
Mステ
――『ミュージックステーション』で『逃げ水』を披露したときのみなさんの感想を聞かせてもらえますか? あの『Mステ』の放送日は、3期生にとっても重要な日だったと思うんです。全国の人に「これが乃木坂46の新しい未来です」ってバーン!と見せたわけじゃないですか。そこにいたのは大園さんと与田さんだった。あれをみなさんはどう観ていたのかな?と思いまして。
伊藤理々杏 …観てない。
――それはどうしてですか?
伊藤理々杏 やっぱり観れなかったです。それはきっと悔しいってことなんだと思うんですけど。もし観て納得しちゃったら、自分の気持ちが鎮火しちゃうような気がしたんです。あえて観ないことで、このままメラメラ燃え続けていたほうが成長できるんじゃないかなって。
――たしかに、テレビに出ている2人の姿を見て「すごい!」と思ったら、自分の中の炎がしぼんでしまうというか、気持が後退しちゃいますもんね。久保さんは『Mステ』ご覧になりましたか?
久保史緒里 自分とは重ね合わせずに観ていました。
――客観的に観られた?
久保史緒里 ほかの3期生が雑誌グラビアに出ているのと同じ感覚で、「おぉ~、出てる!」っていうふうに観ていましたね。その時期にふと思ったのが、たしかに2人が選抜に入ったのはすごいことだし、センターもすごいことだけど、よだももと私たちの間に一線を引きたくなかったんです。与田ちゃんと桃ちゃんと私は違うって一線を引いちゃたら、終わりだと思ったんですよ。
――伊藤さんに近い考え方ですね。特別視しないというか。
久保史緒里 『Mステ』のときはしてなかったかもしれないです。あっ、でも泣きました。すごい泣きました。
――泣いたんですね(笑)。
久保史緒里 憧れとか悔しさとか、いろんな感情で泣いてた気がします。
山下美月 私は録画して何回も観ました。でも、悔しい気持ちはなかったです。負けず嫌いなんですけど、自分も頑張ったらよだももみたいに輝ける場所がきっとあるはずだから、今、その順番がたまたま自分じゃなかっただけっていう考え方をしていて。順番やタイミングもあるし、私の実力で18枚目の機会にセンターに行けたかというと絶対に行けなかったと思うので。『逃げ水』はよだももの代表曲になったけど、もし自分が選抜に入ったらそのときに与えられた曲を絶対に自分のものにしたいし、そこで必死に輝けるように誰よりも研究したい。たとえ一瞬でも目に止まるような表情だったり、パフォーマンスをできる人間になりたい!って、『Mステ』を観ながらそう強く思っていました。
――そういう見方をするということは、山下さんの心の中に「2人に負けてない」という気持ちがあるからなのでは?
山下美月 う~ん。やっぱり2人が選抜にいって、先輩方と一緒にキラキラ輝いて、成長して帰ってきたときは「すごいなぁ」と思いました。でも、『(3人の)プリンシパル』で一緒に戦ってきた仲だし、単独ライブも一緒に作り上げてきた仲だから、ほかの3期生10人もまだまだ戦えるんだぞ!っていう意思もありましたね。
――何度も繰り返し観たのは、その気持ちを燃やすため?
山下美月 はい。もっと燃えたい! もっと頑張りたい! と思ったからです。
大好きだから
――“未来の乃木坂46”についても聞かせてください。3期生のみなさんは、今後、先輩からいろんなものを受け継ぎ、想いを託される立場にあると思うのですが、ただ世代交代ってそんなに生易しいものじゃないと思うんですね。
伊藤理々杏 もともと好きだったからこそ、難しいっていうのは身に染みてわかります。
山下美月 私もアイドルがすごく好きだったので、世代交代の難しさはわかります。もし先輩が卒業されてしまったら「3期生はいいや」って思われてしまうかもしれないし。だから、そう思われないためにも、今の乃木坂46の基盤を残しつつ、また新しい基盤を3期生で作っていかなきゃいけないんです。「3期生は違うアイドルグループを見てるみたい」って言われるので、それに違和感を感じているファンの方もいるだろうけど…。
伊藤理々杏 言われるねぇ。
山下美月 でも、先輩方に乗っかっているだけの3期生だったら、このままどんどん落ちていくのかなって。だから、自分たちが新しい風を吹かせられるメンバーになるんだ!という気持ちを忘れずに、頑張っていきたい。
――先輩のモノマネになってもしょうがないですもんね。
山下美月 そう。乃木坂ぶってもね?
久保史緒里 でも、やっぱり先輩方が作り上げてきたものはすごく大きいなと思って、東京ドームのステージに立ったときにビビっちゃったんです。これをいつかは自分たちが先頭に立って、続けていくのが怖いな…って。でも、やらなきゃいけないことだし、それが私が乃木坂46に入った意味だと思っていて。今、すごく大事なバトンを託されているのが3期生だなって思うんです。それをさらに次の世代へと繋いでいくっていう意味では、ここでバトンを落としちゃいけないので。
――でも、難しいとされるアイドルの世代交代に、3期生はあらたな回答を提示してくれる期待感もあるんです。
山下美月 やっぱりどのグループでも1期生は強いと思うので、難しいとは思いますけど…。
久保史緒里 なかなか、ね。でも、このタイミングで加入して、ありがたいことに最初からたくさんのチャンスをいただけたのは、新たな歴史を作るためなんだ、ってプラスに考えたいです。
伊藤理々杏 大好きな乃木坂46をなくしたくないので、自分たちがいっぱい頑張って、これからもたくさんの人に見てもらえるようになりたいです。それこそ、最初の折り鶴の話じゃないけど、乃木坂46が千年続くアイドルになったらいいな、って。
――ファンの人も、みなさんが未来に立ち向かっていく姿を見たいと思いますよ。
久保史緒里 ずっと見守ってほしいし、飽きさせないようにずっと見てもらえるような人になりたいです。
山下美月 3期生は負けず嫌いで、メラメラしている子が多いんです。それが「乃木坂46っぽくないね」って思われるかもしれないけど、ファンの方々に私たちのやる気とか情熱とか本気を認めてもらえるように頑張りたいなって思います。
――それこそ、表面上だけ乃木坂ぶっても意味がないですもんね。
伊藤理々杏 まだ3期生の色に違和感がある人って結構いるかもしれないけど、3期生の色をだんだん乃木坂らしさにしたいな、って思います。
取材・文/宮田英一郎
伊藤理々杏=いとう・りりあ|2002年10月8日生まれ、沖縄県出身。燃えて煌めく乃木坂46のアガイティーダ。「寝っ転がってうとうとしてると、いつのまにか、あれ何時間経ってるんだ…? という出来事ありますよね?」とブログに書いていた。これがウチナータイムの正体だ! 愛称は「りりあん」。
久保史緒里=くぼ・しおり|2001年7月14日生まれ、宮城県出身。ひとめぼれするほどめんこい、宮城の純米ガール。Seventeenで、共に専属モデルを務める広瀬すずに「生まれ変わったらなりたいSeventeenモデルは、久保ちゃん」と言わしめるほどの魅力を持つ。愛称は「くぼちゃん」。
山下美月=やました・みづき|1999年7月26日生まれ、東京都出身。世界観のクセがすごい、乃木坂46のストレンジムーン。最近は柿にハマっており、柿だけを毎日買うことで店員に「この人毎日柿だけ買ってく変な人だな…」と思われてると思うとゾックゾクするらしい。愛称は「づっきー」。
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