ラストアイドルとは何だったのか?三拍子(高倉陵・久保孝真)×吉田豪、テレビには映らない少女たちの過酷な舞台裏を語る
高倉陵 もちろん、そのなかでいろいろあるとは思うけど、すっごいみんなニコニコして、この子とこの子が仲いいみたいなそういうドキュメンタリーを観て、これはラストアイドルとはぜんぜん違うと思って(笑)。
久保孝真 そのぶんファンの方は熱い可能性ありますよ。「みんなつらいんだから!」って。
吉田豪 でも、圧倒的につらかったラストアイドルのメンバーは、そろそろ報われてもいいでしょ、みたいな思いがあるんですけどね。
高倉陵 そう! ファンの人はずっとそういう思いで見てきたと思うんですよね。
久保孝真 そうですよ、みんなSHOWROOMで泣くし(笑)。17LIVEの配信中も泣くし。
高倉陵 「一緒に戦うんだ!」みたいな。ファンの人は「俺らが支えるんだ!」って。
久保孝真 ジャンヌ・ダルクみたいだな。
吉田豪 ポロッと言ったメンバーの言葉が忘れられないですもん、「私たちは戦うことにしか存在価値がないんですよ」みたいな感じの。
久保孝真 うわーっ、悲しいなあ……。
高倉陵 その企画で生まれた子だからそう思っちゃうんだろうな。
吉田豪 ロボットアニメの名ゼリフみたいな。
高倉陵 ハハハハハハ! そうですね。
久保孝真 戦うために生まれてきたっていう。
吉田豪 それがあるから、みんな「戦いたい」って話をずっとしてたんですよね。そうしないと世間に届かないみたいな思いがあって。
久保孝真 だから挑戦ではありましたよね。たらればになってしまいますけど、『サバイブ』に長月がいたらどうなったのかなとか、みんな観たかったと思うんですよ。
吉田豪 やっぱり、いまは残酷なものをコンテンツ化するのは難しいんだろうなと思います。
久保孝真 みんな真逆ですもんね。
吉田豪 こんな世の中だから平和がいい、と。
久保孝真 平和なメンバーたちで、どバラエティをやるみたいなのが主流ですもんね。
吉田豪 温かい芸人さんに守ってもらいながら。
高倉陵 僕らこれしか知らないからアイドルってこうなんだって思っちゃってるけど、ぜんぜん違うんだろうな。ただ感情がどうなるかわからない、ラストアイドルだからここまで好きになってるのかもしれないですし。
久保孝真 戦ってたら頑張ってると思っちゃう。
高倉陵 恋愛でもそういう女性に惹かれるね。
久保孝真 高倉さんはね。
高倉陵 戦ってる人とか。
久保孝真 高倉さん戦ってる女性好きなんでね。
高倉陵 たいへんな感じの子が。
吉田豪 格闘家とか(笑)。
高倉陵 そうか、バトルしてましたね、元嫁も(笑)。戦ってる人が好きですね。
取材・文=吉田豪
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