乃木坂46北野日奈子「正解も不正解もないとこが『アンダー』のいいところなのかなって思う」
――『アンダー』は約1年半前の曲ですが、当時とは受け止め方は違ってきましたか?
北野日奈子 当時感じた気持ちを忘れることはありません。曲をいただいた時は、もうアンダーはアンダーのお仕事がたくさんあって、それぞれに誇れるものもあるという状況でした。そんな状況だったので、「このタイミングでこの歌詞をどういう気持ちで歌えばいいの?」という戸惑いがありました。嫌いというわけではないです。休業中も今でも『アンダー』についてはよく考えることがあるんです。乃木坂46の歌を考える時、だいたい頭に正解がある状態で歌うんですけど、『アンダー』はどれだけ考えても正解が出ないんです。答えをいくつ出しても、これじゃないなと思ってしまって。ということは、正解も不正解もないんじゃないかと思うようになりました。そこが『アンダー』のいいところなのかなって。
――たしかに、今までとは“聞こえ”が違いましたね。それも、北野さんがその日のマイクで話していた、「自分で光を放てるのがアンダーだ」という言葉そのものというか。
北野日奈子 それがアンダーメンバーの強さです。スポットライトが当たってなくても、主人公じゃなくても、そうじゃないんだって思えるんです。他のグループにはこういうのってないと思うんです。それが乃木坂46のアンダーのすごさだなって思います。
――アンダーだけど、写真集を出せるっていうのもすごい話ですよね。写真集のインタビューで、「過去を変えることはできないけど、過去の持つ意味なら変えることができる」と書いてありましたが、それはソロダンスに象徴されているなと思いました。“牛久の悲劇”の意味を変えたじゃないですか。
北野日奈子 そうですね(笑)。牛久だけじゃなくて、休業していたという過去の意味も変えられてるかなぁっていう感じがするんです。
――ネット上のインタビュー記事で、「こんなに悔いのないライブは初めてだ」と書いてありました。そんな感覚だったんですね。
北野日奈子 スカッとしました。みんな『日常』終わりでバテバテなんですよ。それくらい動く曲が続いたから。みんなバテてるけど、「やり切ったー!」っていう空気を後ろから感じたんです。ひとつになって、みんなと同じ空気を共有できたのが嬉しくて。たぶん走馬灯に出てくるでしょうね。それくらい嬉しかった。
――川後陽菜さんのラストっていうのも乗っかりましたしね。
北野日奈子 川後さんは本音を口にしない人だけど、最後の挨拶で声を詰まらせていましたよね。そこに今までの辛さがこもっていました。そんな本音が見えたことが嬉しかったです。