乃木坂46秋元真夏「飛鳥が泣いているのを見て『ウザい』と思われてもいいから近くにいてあげたいと思った」
――曲が終わったあとには、言葉につまるほど込み上げてくるものがあったようで。
齋藤飛鳥 いまになって思い返してみると、涙で言葉が出ないってすごくかっこ悪いなって(笑)。
秋元真夏 そんなことないよ! 飛鳥が泣いてるってわかった瞬間、みんな動揺して振り付けがぎくしゃくしちゃったんだから(笑)。
齋藤飛鳥 アハハハハ。でもしゃべらなくて良かったのかなって思ってます、逆に。
――確かに、たくさん言葉を重ねていくよりも雄弁な涙だったかもしれません。そんな齋藤さんの精神的な支えとして、もはや秋元さんの存在は欠かせないものになっていますよね。齋藤さんは仙台公演のMCで「真夏の優しさには本当に助けられています」と話していました。
齋藤飛鳥 もともと私はネガティブだから不安やプレッシャーはずっと抱えた状態ではあったんですけど、でも誰かに言うほどではなかったし、言うのもダサいから自分のなかに留めていたんです。ただ、一度だけどうしても我慢できなくなっちゃったときがあって。なにかの収録のあとに楽屋でひとりで泣いていたんですね。そうしたら真夏が寄ってきて励ましてくれて。そのあとにちょっと時間があったから真夏とマネージャーさんと3人で軽くご飯に行って、そこでいろいろと吐き出して聞いてもらってすっきりできたんです。前から真夏は誰にでも優しいし、私がセンターに決まったときからもずっと優しい言葉をかけ続けてくれていたんですけど、そこで話を聞いてもらったときに「あ、真夏には言えるな」と思って。それから真夏にだけ話したりとか、言わなくてもなにかあったら目が合ったりとか(笑)。
秋元真夏 私も基本的に悩みをひとに話すタイプではないんですよ。性格的に飛鳥とタイプが似ているかというと違うと思うんですけど、根本の部分では近いものを感じていて。もし飛鳥がひとりで抱え込んでいたとしたらこれは相当つらいだろうなって思っていたから、もし私なんかでも話して楽になるのなら聞いてあげたいな、ぐらいの気持ちだったんですけどね。本当に私はお節介すぎるから(笑)。
――よく自分の直したいところとして挙げていますよね。
秋元真夏 さじ加減を気をつけないと「このひと、めっちゃウザい!」ってことになってしまうので……ただ、飛鳥にならウザいって思われてもまあいいかなって。さっき話していた収録のあとで飛鳥が楽屋で泣いちゃったときって、完全に爆発したような感じだったんですよ。
齋藤飛鳥 フフフフフ。
秋元真夏 たぶん、溜まっていたものがはち切れてしまったと思うんです。あのときの飛鳥を見てからは、自分がどう思われてもいいからとりあえず飛鳥の近くにいてあげたいなって。
――秋元さんはツアーが終わった直後のブログでいちばん最初に齋藤さんとの2ショット写真をあげて、彼女について「頑張り屋さんの踏ん張り屋さん」と書いていましたね。
秋元真夏 やっぱりツアー中はなにかと飛鳥がしゃべってまとめることが多くて、それを毎公演ずっとやらなくちゃいけないんですよ。飛鳥はセンターに選ばれてまもないときに「自分は積極的にしゃべるタイプじゃないからすごく不安がある」って話していましたけど、それを特に誰に相談するわけでもなく、自分で解決して逃げずにちゃんと応えていたのは立派でしたね。センターになったことで成長した度合いでいくと、歴代でも1位なんじゃないかって思うぐらい。