乃木坂46久保史緒里「最近気づいたんです やましーの存在が特別であることに」
――相当な覚悟がいることだと思いますが……。
山下美月 でも、そこをずっと否定していても、自分を越えていけないと思ったので。3期生はアイドルっぽいルックスの子や、年下の妹っぽい子も多いけど、だったら私は目つきギラギラ系でいこう!って。
――それでいうと、久保さんは「乃木坂46らしさ」にあふれたメンバーのような印象があります。
山下美月 そうですよね。正直、めっちゃ羨ましいですよ(笑)。すこし陰があって、おしとやかで、本当に恵まれすぎてません?
――乃木坂46の申し子的存在ですよね。
山下美月 私は乃木坂らしくなさすぎて……。
久保史緒里 いやいやいや(笑)。
山下美月 でも、久保ちゃんは乃木坂46のイメージに合ってるなって思う。
久保史緒里 よく「乃木坂らしさがあるね」って言っていただけるんですけど、どうしてなのか自分では本当にまったくわからなくて。「乃木坂らしさ」っていうのがどういうものかというのも、全然理解してない……。
――久保さんのおしとやかで、ちょっと儚げなところが乃木坂46のイメージと重なるんですかね。
久保史緒里 もちろん「乃木坂らしい」って言っていただけるのは本当にうれしいんですよ。ただ、そう言っていただけることで「乃木坂らしくいなきゃ」と思っているわけでもなくて。自分からイメージに寄せていきたくない、というか。たとえば、「優しそうだね」って言われて「優しくいなきゃいけない」と思うのは違うような気がして。そうじゃなくて、自分をしっかり持っていたいんです。「乃木坂46のメンバーの一人としてこうありたい」というイメージもあるけど、そうある前にまずは自分自身を捨てずに、素の自分を出していこう、という思いで今までずっとやってきたので。
山下美月 めっちゃわかる……。私が「乃木坂らしくない」って言われるのは、たぶん『プリンシパル』のイメージが強いからだと思います。久保ちゃんが自分の実力で役を勝ち取っていくのに対して、私は「やる気!」「熱意!」「根怪!」みたいな(笑)。
――そういう闘志むき出しのところや、ガッツあふれるところが山下さんのよさだと思いますけどね。
山下美月 「気合い」で役を勝ち取ろうとしてるガチな奴、っていう印象だったと思います。でも、来てくださった方に見つけてもらうにはどうしたらいいだろう? って考えたうえでのああいうパフォーマンス……自分のなかでは、あれはパフォーマンスだったんです。そういう私の姿を見て「乃木坂らしくない」っていう方もいたけど、だからといって、自分を曲げたくなかったんです。先輩方からも「初期の頃、『プリンシパル』でみんな本気で泣き叫びながらぶつかり合ったから、今の乃木坂ができたんだよ」という言葉を聞いていたので。だから、自分はこれでいいんだ、って思えたんです。
久保史緒里 舞台に上がった瞬間、なにかが吹っ切れたように変わるやましーの姿を見て、私ももっと自分をさらけ出していけなきゃいけないんだ、って思いました。「私なんて……」みたいに閉じこもっていないで、もっと外に向けて自分を出していかなきゃいけないと思えたのは、本当にやましーのおかげなんです。
山下美月 そんな……うれしい。