乃木坂46齋藤飛鳥、“インプット”へのこだわり「周りの意見を受け入れていくことがいかに大切か」
――話を戻しますと、齋藤さんは『POP OF THE WORLD』で選曲していたようにビートルズや初期のボブ・ディランなど60年代のロックも聴くんですよね。ビートルズに至っては、関連作品としてバッドフィンガーまでチェックしていたり。
齋藤飛鳥 ビートルズはベーシックなところは聴いたことがあったんですけど、もうちょっと突っ込んだところを勧められてからさらにハマっていって。ボブ・ディランは伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』が映画化されたときに劇中で使われていた「Blowin’ In The Wind」がきっかけになっています。
――伊坂幸太郎さんは『ゴールデンスランバー』のようにビートルズの曲名をタイトルに冠した作品もありますもんね。多忙な生活のなかで音楽に鼓舞されたり救われることは多いですか?
齋藤飛鳥 私は応援ソングみたいな曲はあまり聴かないから、逆に暗い気分のときにはちょっと暗い雰囲気の曲を聴くんです。それである程度下のほうに気持ちを落としてから「よし、がんばろう」って切り替えるのが好きですね。
――どん底まで曲に一緒に付き合ってもらうといいますか。
齋藤飛鳥 そうですね。そんな感じ。
――きっと齋藤さんはヴェルヴェット・アンダーグラウンドとかジョイ・ディヴィジョンあたり好きだと思いますよ。
齋藤飛鳥 あ、ジョイ・ディヴィジョンは聴いたことがあります。
――さすが、すでにそのへんはチェック済みなんですね。ちょっと古い話になりますが、音楽ということでは齋藤さんがゲストボーカルとして参加したMONDO GROSSOの『惑星タントラ』がすごく鮮烈で。
齋藤飛鳥 あのお仕事は本当にうれしかったですね。
――『惑星タントラ』について齋藤さんがコメントしている記事はほとんど読んだ記憶がないので改めてお話を聞かせてもらえますか? なにかと収穫の多いお仕事だったと思いますので。
齋藤飛鳥 そうですね。私自身めちゃくちゃうれしくて「大沢伸一さんって本当に存在するんだ!」みたいな感じでした(笑)。もうお会いできただけでも本当にうれしくて。しかも作詞がやくしまるえつこさんで、歌詞が書いてある紙も大切にとっておいてあります。これまでに楽しかった仕事、記憶に残っている仕事はたくさんあるけど、そのなかでもMONDO GROSOの作品に参加できたことは確実に上位にくる良い思い出ですね。スタッフさんから褒めていただくことも多かったし、アイドルファンじゃないところからの反響もたくさんあって。やっぱりアイドルファンの皆さんは私がなにをやっても褒めてくれる優しい方たちばかりだから(笑)、もちろんそこを評価していただけるのはありがたいんですけど、そうじゃない方に見つけてもらえたのはすごくうれしかったです。