元チャットモンチー・高橋久美子「エビ中は、バンドっぽい感じがした」<私立恵比寿中学の音楽のすべて>
私立恵比寿中学のあの名曲は、どのように誕生したのか? 不安定な歌唱力を自称していたエビ中は、なぜ実力派ボーカリスト集団に成長したのか? 作詞・作曲・編曲家陣に話をきくことで、その正体を言語化する当連載。今回は、『朝顔』、『青い青い星の名前』などで胸に刺さる歌詞を生み出してきた、元チャットモンチーの高橋久美子に語ってもらった。
小久保柚乃の『シャングリラ』
――高橋さんは『朝顔』(’18年8月に配信限定リリースされた『FAMIEN’18e.p.』に収録)と『青い青い星の名前』(’19年6月リリースのシングル『トレンディガール』完全生産限定盤Bに収録)の歌詞を手がけていますが、昨年9月開催のライブ『ちゅうおん』で、その2曲と高橋さんがドラマーとして在籍していたチャットモンチーの代表曲『シャングリラ』(高橋が作詞)のカバーが披露されました。
高橋 ね! びっくりです。あとでライブレポートを読んで、「そうなんや!」って、すごくうれしかったです。
――『シャングリラ』は小久保柚乃さんがソロでカバーしましたが、ライブ音源を聴かれてどんな印象でしたか?
高橋 とっても素晴しかったです。小久保さんが、自分の歌にしてくれてるなっていう感じがしました。『シャングリラ』という曲は男の子の目線で書いた歌詞だったので、それを本当の少年のような感じで歌ってくださっていて。特に、歌詞の〈あぁあ〉のところがえっちゃん(チャットモンチーのボーカル・橋本絵莉子)とはまた違ったオリジナルな感じで、10代の少年少女たちの気持ちがすごくリアルに伝わってきました。聴いていて、感動してしまいましたね。めちゃくちゃいいですよね、あそこ! 「うわ、そう来たか!」と思いました。語っているかのような、本当に心のこもった〈あぁあ〉でしたよね。いろんな方に伝わったのではないかと思います。
――当日は会場にいたんですけど、あの〈あぁあ〉の一瞬で、気持ちをぐっと持っていかれたんですよね。
高橋 本当に、ねぇ! しかも、加入されて短期間であそこまで歌えるのはすごいなと。そう思って、聴いていました。
――『朝顔』と『青い青い星の名前』は、9人でパフォーマンスされました。このライブ音源を聴いた印象は?
高橋 CDよりも、さらに強さや生命力みたいなものが増していて、すごくかっこいいなって思いました。『朝顔』は、新メンバーが入ってから新たに朗読の部分をアルバム(これまで発表されてきた夏の恒例ライブ『ファミえん』のテーマソングなどを現体制で再レコーディングした、’21年8月発表の『FAMIEN’21L.P.』)用につけ足したんですよね。だから、新メンバーの桜木(心菜)さんと風見(和香)さんと小久保さんに、新たに加えた〈あなたは、今もエクボ作って笑ってますか? 廊下ダッシュして、叱られてないかな? 泣きたいときに、泣けてるかな?〉の3行を、どんなふうに朗読してくれるんだろうって楽しみにしながら聴きました。聴いてみたら、まさに3人が現役の学生だからこそ、「廊下ダッシュして、叱られてないかな?」にも臨場感があって、より『朝顔』のかわいらしさも増した気がしましたね。
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