乃木坂46北野日奈子さん、家族・メンバー・スタッフに支えられ本当の強さを手にする
“いつか”は突然やってきました。乃木坂46の2期生・北野日奈子さんの卒業です。卒業発表を知ったとき、私は今までとは違う寂しさを感じました。それは小学生の頃に味わった、仲が良かったクラスメイトが転校してしまうときの寂しさに似ています。もう会えないと分かっているのに「また遊ぼうね!」と約束を交わし、そのまま遠くへ行ってしまうあの瞬間です。クラスに必ず一人はいる無邪気な女の子、そんな親しみやすさを持っている彼女だからこそ余計に寂しさを感じてしまうのかもしれません。
2013年3月、2期生オーディションに合格した北野さんは研究生からのスタートでした。その後、8枚目シングル『気づいたら片想い』で初選抜入りを果たすものの、彼女は見えない敵と戦う日々を送ることになります。その見えない敵とは「自分の居場所」です。選抜入りを常に目標としていた彼女にとって、選抜とアンダーを行き来することはつらかったと思います。選抜が定着してきたかと思えば、3期生の加入と同時に選抜落ち。それまで味方だと思っていた自分の居場所が一転して敵へと変化していき、さらにそのとき与えられたのが、中元日芽香さんとWセンターを組んだアンダー曲『アンダー』です。「みんなから私のことがもし見えなくても」という出だしの歌詞に胸を締め付けられます。