櫻坂46最新「BACKS LIVE!!」をプレイバック!「いのちゅけ」時代の到来と、裏ではバチバチ「イザベル4姉妹」の「喧嘩の花道」!?

撮影=上山陽介
3月6日(木)・7日(金)の2日間、櫻坂46が武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて「11th Single BACKS LIVE!!」を開催。2日目はライブ配信も行われた。本稿では同ライブの気になったパフォーマンスを紹介していく。
今回のBACKSメンバー(表題曲『UDAGAWA GENERATION』を歌う選抜メンバー以外)は、一期生が小池美波、二期生が井上梨名・遠藤光莉・大沼晶保・幸阪茉里乃・武元唯衣・増本綺良、三期生が遠藤理子・小田倉麗奈・小島凪紗・中嶋優月の計11名。その中でも『Nothing special』のセンターである中嶋は今回が初めてBACKSメンバーとしての活動で、ライブの座長も初めてだった。

撮影=上山陽介

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ライブ序盤に披露されたのは、『ULTRAVIOLET』『愛し合いなさい』『19歳のガレット』『確信的クロワッサン』『夏の近道』の5曲。
『愛し合いなさい』では、ダンス力に定評がある遠藤光莉がセンターを務め、笑顔で踊りながらも合間に見せるキメ顔で、表現力の幅広さを見せつけた。『19歳のガレット』をセンターで踊った遠藤理子は終盤でソロダンスを披露。加入当初はダンスで遅れを取り、涙を見せることもあった彼女だったが、前作の期別楽曲で初センターを経験したことから、堂々とした踊りで成長を感じさせた。『確信的クロワッサン』は自称「国民の初恋」の井上のセンター曲。クロワッサンをパクパクと食べるキュートな振り付けで観客に魅了すると、そんな井上に冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(以下、『そこさく』)でガチ恋疑惑が浮上していた幸阪も曲の雰囲気に合わせた幸せそうな表情で踊っていた。

撮影=上山陽介

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『夏の近道』は序盤で一番の盛り上がりを見せていた。この曲は三期生がデビュー時にもらった初めての期別楽曲で、フレッシュさが最大の特徴。先行する三期生のイメージを一新する必要があるため、筆者は挑戦的な選曲だな、と感じていた。しかし、そんな心配をもろともしないのが二期生メンバーたち。笑顔で踊るセンターの増本だけでなく、井上は儚げに、武元がパワフルな表情で曲に没入すると、間奏のソロダンスパートでは遠藤光莉と武元が力強く踊ることで、同曲を二期生のものにしていた。

撮影=上山陽介

撮影=上山陽介
続けて披露されたのは『縁起担ぎ』『今さらSuddenly』『イザベルについて』『行かないで』の4曲。ここでは『縁起担ぎ』と『イザベルについて』の2曲について語りたい。
1日目の『On my way』と入れ替わりで、2日目に『縁起担ぎ』が披露され、両曲とも井上と武元の「いのちゅけ」コンビが歌っている。この2曲は櫻坂46で数少ないデュエット曲で、昨年11月に行われた『4th YEAR ANNIVERSARY LIVE』で聞いた際には、(2曲ともオリジナルメンバーである)松田里奈の歌声が軸だ、と感じていた。ところが、「いのちゅけ」がパフォーマンスすると「踊り」と「歌声」の2軸の曲に様変わり。配信が行われた2日目の『縁起担ぎ』では、武元のダンスからは観客を煽るような表情や仕草が随所で見られたのに対し、井上は落ちつかせるように安定した歌声とダンスを披露。この2人の絶妙なバランスが曲を成立させていた。披露後のMCコーナーでメンバーが「時代は『いのちゅけ』!」と語っていたが、2人のパフォーマンスに圧倒されたBuddiesも多いのではないだろうか?

撮影=上山陽介
そんな2人と増本・大沼の4人で披露された『イザベルについて』も注目だ。この4人はテレビ番組『サクラミーツ』にレギュラー出演中で、同曲は4人の初ユニット曲。一緒に番組をやっているため、コンビネーションは問題ないかと思いきや、4人は良い意味での「バチバチ」の関係とのこと。番組では度々喧嘩をする場面が見られ、2月28日(金)の放送では『イザベルについて』のライブリハで、「踊れる組」の井上・武元と「踊れない組」の大沼・増本で喧嘩が勃発したというエピソードが語られていた。同番組を見ていたBuddiesは、そんな4人の『イザベルについて』を楽しみにしていたに違いない。メインステージではなく、アリーナ席に挟まれた花道で1列に横並びになって踊る4人のパフォーマンスから、空間を支配する力があるこの4人はやっぱり“強い”という感想を抱いた。一方、パフォーマンス中はほぼ1列で4人が集まったのは一瞬だけ。披露後のMCコーナーでは、武元が「喧嘩するから花道でバランスにされたんかな」、「ちょいちょい集まるところで、またバチバチしていた」という裏話で会場を盛り上げていた。

撮影=上山陽介
その後は、物々しいBGMと赤いライト演出で会場の空気を一変させると、メンバー全員の「DANCE TRACK」から『嵐の前、世界の終わり』へ移っていき、ダンスパートの最後を飾った幸阪が同曲のセンターを務めた。ライブ序盤の『確信的クロワッサン』で見せた、恋する乙女のような雰囲気ではなく、表情を一切崩さずに目力だけで迫力を演出していた。

撮影=上山陽介

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そんな幸阪の『嵐の前、世界の終わり』に続いたのが、小田倉センターの『引きこもる時間はない』。彼女は前作の活動を腰の不調で一部制限。「BACKS LIVE!!」も欠席となった。彼女にとって復活したことをBuddiesたちに見せつける大事な今回のステージ。彼女も幸阪と似てパフォーマンス中にあまり表情が変わらない印象を持ったが、一瞬見せるキメ顔には目を引くものがあった。今後の期待を込めて、彼女の実力はこんなものではないと思う。目力だけでも存在感を発揮する幸阪や、どんな曲でも世界観に合わせて表情を作れる武元のような先輩たちを見て、パフォーマンス力を磨いてほしい。

撮影=上山陽介

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中盤の最後を飾ったのは小池センターの『隙間風よ』。小池と同期の卒業生・小林由依がオリジナルセンターの曲だ。疾走感と力強さを感じさせるメロディなのに対し、ゆったりと踊る部分が多く、その分細かい所まで感情が込めることができる。小池のパフォーマンスは、欅坂46からの約10年間で培った安定感や、曲の世界観に自分を落とし込む表現力をまざまざと見せつけていた。

撮影=上山陽介

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MCを挟んでのライブ終盤は一気に駆け抜けており、『条件反射で泣けてくる』『なぜ 恋をして来なかったんだろう』『僕は僕を好きになれない』『油を注せ!』『Nothing special』が披露された。
『なぜ 恋をして来なかったんだろう』では小島がセンターを務め、MVを彷彿とさせる演出が再現されていた。彼女と言えば、三期生曲『マモリビト』での苦しそうなところから最後は晴れやかになる表情の変化の印象が強かった。しかし、『なぜ 恋をして来なかったんだろう』では一曲を通して多幸感溢れる表情で踊っており、そういう雰囲気の曲の方が彼女に合っている気がした。彼女の晴れやかな表情は見ている側を幸せな気持ちにさせる力がある。

撮影=上山陽介
そんな小島に対し、パワフルさに振り切っているのが大沼だ。『僕は僕を好きになれない』を全力で踊る彼女のパフォーマンスは他メンバーと一線を画しており、狂気さえ感じるほど。ライブ終盤にリミッターが外れたかのように踊り狂う彼女の表情は圧巻だった。

撮影=上山陽介

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そして、BACKS曲の中でも屈指の人気曲である『油を注せ!』。ソロダンスを披露する武元と、その後ろに置かれた一脚だけの椅子から、次の曲が同曲だと分かったBuddiesたちも多いであろう武元の代名詞的な一曲。ソロダンスで会場の空気を掌握すると、ステージ上部で見下ろしながら椅子に座る姿からは女王の雰囲気が漂っていた。11人の誰よりも激しく踊る姿は「腹を括って諦めずに朝まで踊り続けた」と語る彼女のパフォーマンスに対する覚悟が現れていた。

撮影=上山陽介
ライブ本編の最後を飾ったのは、今回の「BACKS LIVE!!」の座長を務めた中嶋優月のセンター曲『Nothing special』。彼女は選抜発表時のブログで「積み重ねようとしてきたことは確かですが、その厚みが目に見えるほどに未だなってない」と語っており、目標を見失っているように感じた。しかし、『Nothing special』を踊る彼女からは、明確な答えを見つけたかのような、晴れやかで自信に満ち溢れていた。

撮影=上山陽介

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アンコールで『I’m in』を踊り、さらにWアンコールで再び『Nothing special』が披露され「11th Single BACKS LIVE!!」は終演となった。今回のBACKSメンバー11人は選抜メンバーから漏れてしまったが、確かな実力を持っていることは間違いないだろう。彼女たちの磨き上げてきた武器が存分に発揮された「BACKS LIVE!!」では、櫻坂46の層の厚さに驚かされた。4月からの全国ツアーや、東京ドームと京セラドーム大阪の5days公演に向けて、まずはBACKSメンバーが盛大なスタートを切ってくれた。

撮影=上山陽介
櫻坂46「11th Single BACKS LIVE!!」セットリスト
【DAY2】2025.3.7(FRI)
- Overture
- ULTRAVIOLET
- 愛し合いなさい
- 19歳のガレット
- 確信的クロワッサン
- 夏の近道
- 縁起担ぎ
- 今さらSuddenly
- イザベルについて
- 行かないで
- 嵐の前、世界の終わり
- 引きこもる時間はない。
- 隙間風よ
- 条件反射で泣けて来る
- なぜ 恋をして来なかったんだろう?
- 僕は僕を好きになれない
- 油を注せ!
- Nothing special
<アンコール>
EN. I’m in
<アンコール>

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