白石麻衣×西野七瀬から続く乃木坂46歴代Wセンターに名を連ねるのは井上和×中西アルノの「アルなぎ」コンビ!通算300曲目の最新シングル徹底考察

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毎週日曜深夜24時15分から放送中の『乃木坂工事中』。3月2日の放送では、38thシングル『ネーブルオレンジ』(3月26日リリース)の選抜発表が行われ、5期生・井上和と中西アルノがダブルセンターを務めることが明らかとなった。今作は、乃木坂46名義のリリース(CD/配信)楽曲が300曲に到達する記念すべき作品だ。今回は、そんな節目となる38thシングルのフォーメーションの注目ポイントを紹介していく。
乃木坂46のダブルセンター楽曲は34thシングル『Monopoly』以来、4作ぶり。5期生のダブルセンターは初めての試みだ。歴代のダブルセンター楽曲を振り返ると、期を代表するメンバーや、後にグループの顔となるメンバーがセンターを務めてきた。
グループ初のダブルセンター楽曲である13rdシングル『今、話したい誰かがいる』や、初めてレコード大賞を受賞した17thシングル『インフルエンサー』では、1期生・白石麻衣と西野七瀬がセンターを務めた。さらに19thシングル『いつかできるから今日できる』は、齋藤飛鳥と西野の組み合わせとなり、白石や西野の卒業後、齋藤がグループの顔となっていった。
また、3期生では2月22日・23日開催の「乃木坂46 与田祐希卒業コンサート」での復活が記憶に新しい、与田祐希と大園桃子の「よだもも」コンビによる18thシングル『逃げ水』や、1・2期生卒業後の新生乃木坂46のスタートを飾った、久保史緒里と山下美月の「くぼした」コンビによる32ndシングル『人は夢を二度見る』。そして、34thシングル『Monopoly』では、4期生・賀喜遥香と遠藤さくらの「かきさく」コンビがセンターを務めた。
38thシングル『ネーブルオレンジ』でダブルセンターを務める、中西と井上の「アルなぎ」コンビ。5期生メンバーの中で、表題曲のセンターを経験している2人のダブルセンターは、以前から期待されていた。しかし、そんな2人はこれまで全く違った道のりを歩んできた。
中西は加入直後に29thシングル『Actually…』のセンターに抜擢されており、最初にグループの顔として期待されたメンバーだった。しかし、『Actually…』のリリース直前に中西は活動を自粛。復帰後はアンダーメンバーとして活動を再開し、持前の歌唱力や愛すべき「どんくささ」で地道にファンからの人気を獲得していった。その結果、36thシングル『チートデイ』で7作ぶりに選抜入りを果たし、そこから3作目でセンターに帰ってきた。一方、井上は5期生が本格的に選抜活動に参加した『人は夢を二度見る』以降、同期の中で唯一、1・2列目のポジションで活動しており、表題曲センターを2度経験。どちらも乃木坂46の夏の代名詞である「真夏の全国ツアー」の期間だったため、2年連続でツアーの座長を務めてきたメンバーだ。
同期でありながらも対照的なキャリアを歩んできた2人。そんな2人のダブルセンターが期待されてきたのは、お互いに支え合い、弱みを見せ合える関係性であることを多くのファンが知っているからだ。井上が初めて表題曲のセンターを務めた33rdシングル『おひとりさま天国』では、選抜発表直後に中西が誰よりも先に井上の元に駆け寄って声をかけたことが、中西のブログやその瞬間を目撃した3期生・梅澤美波の証言で明らかになっている。また、井上の2度目のセンター楽曲36thシングル『チートデイ』で選抜復帰した中西は「力になれますように」とブログで綴っている。一方、3月3日から一週間限定で乃木坂46の公式YouTubeチャンネルで公開中の「『絶望の一秒前』-真夏の全国ツアー2024 LIVE ver.-」では、井上と中西のデュエットで同曲を披露すると、井上が中西の涙をぬぐう一幕があり、ライブを象徴するシーンとなった。
『BRODY2月号』(2024年12月発売)で中西は、ファンが期待する「2人のダブルセンター」に対して、「なぎの背負っているものを少しでも軽くできる人になれたら」と語っている。5期生の中でも特に期待やプレッシャーと向き合ってきた2人が、約3年かけて遂に横並びとなり、重圧を分かち合うことになった。新たにグループの顔となった2人のダブルセンター楽曲の解禁が待ち遠しい。
さらに、井上と中西を挟むように4期生の遠藤と賀喜が1列目のポジションに立つ。2人のシンメトリーもグループの定番となった。ダブルセンターならではのプレッシャーを共感できる2人がそばで支えていく。
2列目は向かって左から小川彩、川﨑桜、久保史緒里、池田瑛紗、梅澤美波、五百城茉央、一ノ瀬美空が務める。この中でも2列目の中央でセンターの真後ろのポジション、いわゆる「裏センター」と呼ばれる場所に立つ池田に注目したい。
前作の37thシングル『歩道橋』、前々作の『チートデイ』と2作連続でセンター横のポジションに立った池田は、ブログなどでポジションへの熱意を言葉にしているメンバーの1人だ。「選抜に入りたい」「もう一歩、前に踏み出したい」と声を上げ続けた彼女は、初選抜の『おひとりさま天国』から少しずつポジションを前に進めてきた。センターのすぐ横までたどり着いた池田だったが、今作ではダブルセンターを後ろから支えるポジションに立つ。「前に進み続けたい」と公言している池田にとって、1列目から2列目は一見すると後退したかのように感じられるが、彼女が今作で立つ「裏センター」のポジションはセンターと同じくらい特別なポジションであると筆者は考えている。歴代シングルでは、与田や梅澤などグループの中心メンバーや、『Monopoly』や『人は夢を二度見る』では井上、1・2期生在籍時は秋元真夏や生駒里奈、高山一実、松村沙友理などが務めてきた。今後の彼女にとって間違いなく成長の糧となるポジションで、どのように存在感を発揮するか注目だ。
3列目は向かって左から、金川紗耶、冨里奈央、弓木奈於、菅原咲月、筒井あやめ、田村真佑、奥田いろは、林瑠奈が並ぶ。前作が初選抜だった奥田と6作ぶりの選抜入りだった林は連続で選抜入り。入れ替わりの激しいポジションを死守した。そして前作をアンダーメンバーとして活動した菅原と冨里が選抜復帰を果たしている。
特に昨年12月末に副キャプテンに就任した菅原は、前シングル期間を「近くで梅さんの背中を見られなかったので。(前作の)心残りをあげるとするとしたらそこだった」と、選抜発表後のインタビューで語っている。最新シングルでは、井上・中西・池田というセンターラインの後ろから、梅澤の背中を見つめていくポジションに立った。今後、梅澤の横に並び立てるように、菅原にとっても成長の期間となるだろう。
最後にアンダーメンバーについても触れておきたい。5期生で唯一のアンダーメンバーである岡本姫奈は、選抜発表後、誰よりも早くブログを更新。そこには、これまでの彼女のブログとは異なり、葛藤やファンに向けてのメッセージが綴られていた。「悔しい」という感情が包み隠さずに表現された彼女のブログからは、選抜入りを熱望していた歴代の先輩メンバーに似た熱量が感じられた。新たに芽生えた力強い意思が、今回のアンダー活動にどのような影響をもたらすか必見だ。
節目となる300曲目でグループの先頭に立った5期生・井上和と中西アルノ。2月には6期生メンバーがお披露目となり、4月6日には『乃⽊坂46 初披露の会 「はじめまして、6期⽣です」』が開催予定だ。グループに新たな戦力が加わる中、与田祐希や向井葉月など乃木坂46を支えてきたメンバーの卒業も2024年末から相次いでいる。満を持して誕生した、中西アルノと井上和の「アルなぎ」コンビのダブルセンター楽曲が、乃木坂46の行く末を示す一曲となるに違いない。