「次のステージに進みます!」卒業発表した乃木坂46与田祐希が「私は変わった」と思った仕事
年明け早々、乃木坂46に激震が走った。1月5日、与田祐希は自身のブログでグループからの卒業を発表したのだ。2月22日、23日に地元である福岡県のみずほPayPayドームで卒業コンサートを開催するという。
与田といえば、2月に3rd写真集『ヨーダ』(光文社)を発売すると発表したばかりだった。「そうか、それが卒業記念の写真集だったのか」と妙に納得するしかなかったが、それ以上に落胆したファンは少なくなかっただろう。
与田はブログで卒業を決意した理由について、「いつかはそんな居心地のいい場所から一歩踏み出さないといけない これ以上先延ばしにすると、私は甘えてしまうと思いました」と書いている。卒業のタイミングについては、「自分の中で今が一番楽しい!って思えた時に卒業できたら幸せだなって思ってた 今がその時でした」としている。卒業後に関しては、「次のステージに進みます!」「終わりではなくて、再スタート」と表現した。
与田が乃木坂46に3期生として加入したのはおよそ8年半前のこと。当時からのファンは、2016年の与田祐希を思い出してほしい。福岡の島から出てきたばかりで、どこか頼りない高校生だった彼女を思い浮かべるはずだ。
与田には人を惹きつける魅力があった。いくつかの雑誌から特別賞を受けたし、3期生のお見立て会ではセンターで歌いもした。翌年、シングル『逃げ水』で同期の大園桃子とともにセンターに抜擢された。お披露目から1年にも満たない時期にとんでもない重圧を味わった。
彼女のことは何度も取材してきた。特に入りたての時期はその機会が多かったが、当時は人に心を開くのに時間がかかる子だなという印象だった。大人と話すことに慣れていなかったのか、芸能活動に慣れていなかったのか、はたまた東京に慣れていなかったのか。いくつもの要因が重なり合って、口数はそう多くはなかった。
一番印象に残っているのは、2022年の年末にその年を振り返ってもらった取材だ。彼女が口にしたのは、「私は変わった」ということだった。
与田を変えたものはドラマだった。その年の夏、深夜に放送された『量産型リコ』が印象的だったという。共演者とのコミュニケーションによって内面が明るくなったというのだ。まるでリコの成長そのものだった。
それまでの与田は独特の空気感をまとっていた。学校でいえば、学級委員でもなく、活発さで目を引くタイプでもない。その空気感で目立つタイプだ。
小さい頃の与田は活発だった。木登りをしたりして、外で遊ぶのが好きだった。ところが、東京にやって来てからは人見知りになった。島育ちの高校生にとって東京は巨大すぎたのかもしれない。
ところが、人とのかかわりによって与田は自分を取り戻した。取材でそう話してくれた。本来、人と話すのが好きなのだ。
その証拠に、乃木坂46の先輩ばかりか後輩とも親しく食事などをするようになっていった。そうなると、活動がどんどん楽しくなってくる。乃木坂46って楽しい。そう感じたはずだ。
「自分の中で今が一番楽しい!って思えた時に卒業できたら幸せだなって思ってた」
ブログの言葉の通り、与田は「今だ」と感じたのかもしれない。
乃木坂46とは、メンバーを大人に成長させるカリキュラムだ。そして、ファンはその成長を見守る。その過程に立ち会えることが喜びなのだ。
取材・文=犬飼華
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