卒業発表したAKB48村山彩希が沖縄アクターズスクール視察で受け取ったアンナイズム
昨年12月27日、リニューアルオープンしたばかりのAKB48劇場にて村山彩希がグループからの卒業を発表した。その場に居合わせたメンバーには呆然とする者もいた。隣にいた小栗有以は「嫌です……」と語り、仲のいい向井地美音は涙を流した。
13期生として加入して14年目。昨年は27歳を迎えた。今年6月、28歳の誕生日に卒業するという。
村山にとってAKB48から卒業することは、芸能界からの引退を意味していた。それは本人が公言していたことだった。
ところが、いつしか考えに変化が生じていた。卒業発表の場で村山は「歌って踊ることが大好き」と話した。「卒業してからもステージには立ち続けていきたい」と展望を語った。自分の将来を考えると、歌って踊ることをやめることは考えられないようになっていた。私にはステージしかない。彼女はそう決めたのだ。
昨年11月、アルバム『なんてったってAKB48』の取材で何度か村山の話を聞いた。その時点では卒業のことはおくびにも出さなかったものの、将来についていくつか語ってくれた。
彼女の言葉を要約すると、「このまま大人になるのが怖い」ということだった。「活動を続けることは大事だけど、質が変わっていかないと意味がない」と。
これまで14年間やってきたように、このままAKB48で活動を続けることはできるだろう。しかし、今後の人生を考えたうえで、果たしてそれでいいのだろうか? そんな考えが徐々に大きくなってきたようだった。
村山は昨年1月、エイベックス・アスナロ・カンパニーに事務所移籍をしている。それにより舞台出演をするようにもなった。普段は交流しない人たちと共演することで感じるところもあっただろう。
また、事務所内でボイトレを受けるようにもなった。それまでの村山はカラオケに行って、自己流のトレーニングを積んでいた。しかし、プロに教わるようになった。「質が変わっていかないと意味がない」とはこういうことを指している。その成果は「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で2位に輝くという結果で証明している。
昨年、村山に大きな出来事があった。それは、沖縄アクターズスクールを見学したことだ。同スクールは2年前、創始者・マキノ正幸氏から娘の牧野アンナ氏の手にバトンタッチされているのだが、アンナ先生と村山は師弟関係にある。沖縄での出張公演の際、弟子が師を訪ねたのだ。
アンナ先生がスクールを再始動させて2年近くが経っていた。その間、生徒たちはアンナイズムをたっぷりと吸収していた。その成果を先生は弟子に見せた。東京からやってきた、たった一人の観客に向けて、「これが今のアクターズだ」とお披露目の場を作った。数メートルの至近距離でアクターズ流のパフォーマンスをもろに浴び続けた村山は衝撃を受けた。まだプロになってもいない生徒たちだが、全力で遠来の客を迎えたのだ。帰りの便で村山はアクターズのことばかり考えていたはずだ。
パフォーマンスの目的とは、観る者の心を動かすことだ。アクターズの生徒たちはそう教わっているだろう。村山も同じことを考えているに違いない。そのためにはどうすればいいか? 質を向上させるにはどうしたらいいのか? 村山は卒業を迎えるまでの期間も、卒業してからも「歌って踊ること」について考え続ける。ファンにとって何よりも嬉しいのは、彼女がステージから降りない決断をしてくれたことだ。ステージに立つ村山彩希を観ることは我々にとって幸福だからだ。
取材・文=犬飼華
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