2024-12-25 22:30

「“かとし”しか勝たん!」日向坂46 加藤史帆がバラエティや楽曲で体現した8年間のハッピーオーラ

日向坂46・加藤史帆
ⒸByakuya Shobo Co.,Ltd 2024

12月25日・26日の2日間にわたって開催されている、日向坂46の「Happy Magical Tour 2024」の東京ドーム公演。25日には一期生・加藤史帆の卒業セレモニーが行われた。グループの合言葉である「ハッピーオーラ」を誰よりも体現してきた彼女は、グループを最優先に考え、メンバーから愛される存在だった。今回はそんな彼女の活躍を振り返っていきたい。

日向坂46の前身である「けやき坂46」時代から、加藤は存在感を発揮していた。冠番組『ひらがな推し!』では、放送2回目にして番組MCのオードリー・春日俊彰と変顔対決を行い、衝撃的な顔芸を披露。また、同期の齊藤京子のお尻を当てる「YES齊藤京子」チャレンジでは、失敗して涙を流す加藤に対し、オードリー・若林正恭が「本気で『YES齊藤京子』に挑戦した気持ち、大事にしようぜ」とコメント。すると、春日が「ただの尻当てゲームですから」とツッコミを入れて笑いを生み出していた。番組開始直後でお互いに距離感が定まらない中、独特のキャラクターでスタジオを和ませていた。

そんな加藤は番組を通じて、「若林にハマりたい」と主張し、“若様愛”を一番にアピールしてきた。若林が自分以外のメンバーを贔屓すると嫉妬し、「『おたけ(高本彩花の愛称)のことは本当に好きなのかな』って悩んでいます」、「女として見てる気がします」と告発。以降も、若林の贔屓メンバーである小坂菜緒が『ナナメの夕暮れ』(若林著)の感想を伝えると、加藤は「私も買いました」と、未読のため感想は言えないながらも猛アピール。「“天使”って呼んでほしい」や「甘い声で“しほちゃん”」など、呼び方をリクエストしたり、「“頭ぽんぽん”されたい」とスキンシップを求めたりするなどヒートアップすることもしばしば。唯一無二の画風から若林が加藤の描いた絵を当てると、「絵のタッチで分かるって愛ですね」と、強引にこじつけることもあった。

そんな彼女のアピールを若林は基本的にスルーしていたが、卒業が迫った2024年12月8日放送の『日向坂で会いましょう(以下、『ひなあい』)』では、加藤の理想の告白シチュエーション演技に若林が相手役として参加。「本当に夢が叶いました。アイドルになって良かったなって思いました」と、長年の愛情表現が実を結んだ瞬間だった。

他にも、加藤は持前の運動神経を発揮してきた。『欅って、書けない?』の「2017年秋の大運動会」企画では、50m走で他を寄せ付けないスピードで走ると、『KEYABINGO!3』の「バカッコイイ動画」企画では、高速で飛んでくるペンを百発百中でキャッチする反射神経を披露。『ひなあい』では類まれなるバットコントロールでホームランを量産する一方で、ピッチングではボールを地面に叩き付ける破天荒ぶりに、若林も「あと8回被せたい(笑)」とハマっていた。

ブログで「ひらがな(当時は“けやき坂46”)の特攻隊長となれるように頑張ります!」と意気込んでいたように、彼女のガヤやボケのスピードは、バラエティに積極的な日向坂46でも一二を争う。『ひなたフェス2024』にオードリーが参加しないことが発表されると、「春日さんは“暇”だから」と、春日の言われたくない一言を瞬時で発し、「暇って言うな!」というツッコミを引き出した。また「アドリブ女王決定戦」企画では、即興トークをしなければならない緊張感で若林から一番手に指名されると、挨拶代わりのオーバーリアクションから、嘘を交えながらも一貫性のあるトークを自然に展開し、後に続くメンバーたちのお手本となっていた。ガヤのスピードや反射神経から、『ひなあい』特有の大喜利企画などで活躍していた加藤。そんな積極的な姿勢から、「(VTR)カット女王」に輝くこともあった。

バラエティでの活躍もさることながら、楽曲パフォーマンスでもグループの中心として活躍してきた。これまでの日向坂46全メンバーで最多の76曲に参加している彼女は、グループの合言葉となっている『ハッピーオーラ』や、5thシングル『君しか勝たん』でセンターを務めている。日向坂46への改名後、4作連続で1列目に立ち、同じく連続でセンターを務めた小坂を支えていた。小坂も加藤の最後の参加楽曲『絶対的第六感』のフォーメーションでシンメ(ポジションが左右対称)になると、「史帆さんと最後のシンメです。また一緒に並べたらと思っていたからこそ、とてもとても嬉しく思っています」とブログに綴っていた。

初センター表題曲の『君しか勝たん』で加藤は、グループを一番に考える姿勢を見せていた。振付師が「どんな作品にしたい?」と尋ねると、彼女は「(日向坂46メンバー)みんなが輝ける様にして欲しいです」とリクエスト。その言葉通り、同曲のラスサビはメンバー全員が円を作って、グルグル回りながら移動するフォーメーションダンスになっており、「全員を均等に輝かせてほしい」という加藤の希望が叶っている。さらに、彼女はブログで同曲のMVで好きなシーンに「2番のサビ終わり辺り」と挙げていたが、そのシーンに彼女は映っていないカットだった。自身初のセンター曲であってもグループ、他のメンバーを立てることを一番に考えていた。

常に日向坂46のことを第一に考え、後輩にアドバイスをしている最中には感情が溢れて涙を流す。誰よりも素直で、真っすぐで、涙もろい。そんな彼女をメンバーは尊敬し、お手本にし、頼りにしてきた。彼女が生み出す空気感こそが、日向坂46の「ハッピーオーラ」だったに違いない。

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