日向坂46エース・小坂菜緒の帰還!「縁の下の力持ち」としてグループを支えた葛藤と覚悟の2年間

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12月25日・26日、日向坂46は2度目の東京ドームライブを開催する。前回行われた2022年3月31日の公演(30日と2Days開催)から1000日ぶりとなる東京ドームのステージ。メンバーはブログや公式メッセージアプリなどを通じて、会場に足を運んでもらえるように呼びかけている。
東京ドームライブに先駆け、12月12日から13thシングル『卒業写真だけが知ってる』(2025年1月29日リリース)が先行配信されている。センターは二期生の小坂菜緒で6作ぶり6度目のセンターだ。
フォーメーション発表時、彼女は「メンバーを支える形で、この“2年間”過ごしてきたので、感じたことがない不安が出てきた。『次(センターに)立った時にどうしたらいいんだろう』みたいな、そういう感じの不安があるんですけど、『みんなのために頑張らなきゃな』という気持ちが芽生えました」と心境を語っていた。そして、「私は私で“日向坂46”を見てもらいたいなと思います」とコメントしている。
バラエティなどで積極的な姿勢が持ち味の日向坂46において、小坂は前に出て自己主張するタイプではない。しかし、そんな彼女が心の内を言葉や文字で表現した時、そこにはグループへの愛情や覚悟が込められている。今回は彼女が強調した“2年間”の中で、印象的なコメントたちを振り返っていく。
グループ改名後、小坂は4作連続でセンターを務め、その後も1列目のメンバーとして活動していた。そんな彼女の転機となったのは、9thシングル『One choice』(2023年4月リリース)での2列目のポジションだ。本人曰く、けやき坂46時代の『期待していない自分』以来のこと。フォーメーション発表後のブログでは、同曲センターの丹生明里に祝福のコメントを送りつつ、「50:50の感情が、今の私にはあります。それは向き合うべきことだけと、逃れたい自分もいて。正直、100%が出せるか分からないですけど、私なりに頑張ってみます。それが、どうにか皆様に伝えられるよう、身体を奮い立たせてみようと思います」と、不安や葛藤する様子が見受けられた。
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次作の『Am I ready?』(2023年7月26日発売)でも、2列目だった小坂。BUBKA9月号(2023年7月発売)で彼女は、2作連続の2列目に関して「正直に言うとすごく落ち込みました」と語っている。休業からの復帰となった2022年はまだ制限がある中での活動だった彼女は、2023年は「ここから頑張れそうだな」と考えていた。そんな中での2列目ポジションに、「『まだダメか……』というショックが大きくて。すぐには受け入れることができませんでした。『どのポジションでもいいや』と思える余裕は生まれてないんです。『甘え』を出したくないし、『落ちた』と言われても仕方ないと思ってます。23年は、明確な何かがあるわけではないけど、見えない壁にぶつかっている感覚があります」と、自らの境遇を赤裸々に語っていた。
そんな葛藤を抱えた2023年の小坂が直面したのが、『紅白歌合戦』の落選だった。グループ全体として受け止めなければならない現実に、彼女はブログで「あくまで個人的な思いになりますが、活動に後悔することもありました。もっとこうしてれば、もっとできたんじゃないかなと。そう思う、何かが足りない場面も多々ありました」と、1年間の活動を反省。そして最後に「もう一度、夢を見たいです。あの頃のように。ただ、日向坂46が大好きだから、その力になれたらいいなって思います。皆さんに見てもらえるように、活動します。少しでも認めてもらえるように。一歩一歩、着実に目の前のことを摘み取って進んでいきたいです」と、2024年への強い意思表示を示していた。
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そうして迎えた2024年。日向坂46はグループ初の選抜制を導入し、新曲『君はハニーデュー』のセンターには四期生の正源司陽子が立つなど、グループに変革がもたらされた。選抜制導入時の小坂は「本当に本気でこの1年を獲りにいかなきゃいけないっていうふうに感じています」と語っており、シングルでは3作ぶりのフロントポジションに。センターの正源司を隣で支え、初選抜の四期生には背中で覚悟と責任を示していた。
blt graph vol.100(東京ニュース通信社、2024年3月発売)で小坂は、「……もっと、日向坂の柱になりたい」と、葛藤の2023年から自分なりの答えを見つけていた。彼女の意識が変わり始めたのは、四期生が加入した2022年9月からとも語っており、約1年半かけて彼女は自分の役割を再認識していた。
そんな、グループの変わり目となった時期に小坂は、自身の好きなアニメのセリフをブログで紹介している。
「逃げる方が、絶対後からしんどいって事は、もう知ってる」[『ハイキュー!!』縁下力(えんのした・ちから)]。
彼女はこのセリフに関して、「本当にその通りで、自分でも体験した事があるからこそ、すごく響いて。少し、縁下の性格と似ているなって想う部分があるから。逃げそうになっては、この言葉を思い出します」と、自身を見つめ直す支えにしていたという。このキャラクターは名前の通りチームを支える場面が多く、責任感から一時期はバレーボールの練習から逃げ出したこともあった。しかし、だからこそ復帰時には誰よりも人の心が分かり、チームをまとめる役割を担うに至った。小坂も休業期間を経験し、グループを外から見た時期がある。そんな彼女が選んだセリフには、日向坂46に対する強い責任感が伝わってくる。
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EX大衆12月号(双葉社、2024年11月発売)で小坂は、「『自分が引っ張っていかなきゃ』という考え方にシフトできた」とも語っている。彼女が残した「柱になりたい」や「日向坂46を見てもらいたい」などの言葉は、グループ改名から約6年かけて彼女がたどり着いた、日向坂46のエースとしての自覚と責任から生まれたに違いない。
小坂が「勝負の年」と掲げた2024年、日向坂46は紅白歌合戦の出場を2年連続で逃した。その代わり、彼女たちは東京ドームに立つ。彼女たちにとって目標であった場所がリスタートの場となるように。葛藤の先に答えを見つけ、再びセンターに立った彼女が日向坂46を導くことを期待せずにはいられない。
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