「ZOZOマリン、まとめてかかってこい!」櫻坂46 山下瞳月の魂の叫び!5年目の勝利にBuddiesたちは態度で示せるか!?
11月24日(土)・25日(日)、ZOZOマリンスタジアムにて、櫻坂46の「4th YEAR ANNIVERSARY LIVE」(以下、アニラ)が開催された。2年連続のステージには、2024年の集大成とBuddies(櫻坂46のファンネーム)への感謝を伝えるという意味合いに加え、三期生が加入した2023年1月からの「櫻坂46第2章」の成長が感じられた。
ライブ開幕を告げる『Overture』の後は、昨年と同様にメンバーとBuddiesが一体となる演出からアニラはスタート。3月開催の「4th ARENA TOUR」で誕生し、東京ドーム公演のアンコールでも披露された、『ドローン旋回中』と『Anthem time』が交互に披露されるスペシャルアレンジで会場を盛り上げていく。ステージだけでなく観客席にも登場したメンバーは、アンコール用の制服スカートにMA-1を羽織ったスタイル、さらに『ドローン旋回中』でお馴染みのタオルを振り回す演出で、会場はいきなりお祭り騒ぎとなった。2日目のMCコーナーで大園玲が「櫻坂46が4歳になったのなら、Buddiesも4歳になった」と言っていた通り、アニラの始まりは4周年をお祝いする雰囲気だった。
そんな祝祭ムードも束の間、ステージが暗転し、会場には雷鳴に似た重低音のSEが響き渡ると、最新シングル収録の全員楽曲『嵐の前、世界の終わり』が初披露された。衣装チェンジしたメンバーがせり上がりながらステージに登場すると、そこからは櫻坂46の真骨頂であるパフォーマンスゾーン。8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』、2ndシングル『BAN』と表題曲が立て続けに披露された。『何歳の頃に戻りたいのか?』では、センターの山﨑天やフロントの藤吉夏鈴・森田ひかるの迫力あるダンスに加え、『僕のイノセンス』での的野美青の低音ボイスや、2番冒頭での村井優のターンなど三期生の存在感も光っていた。『BAN』にも多くの三期生メンバーが参加しており、2年前の強化合宿で先輩たちに追いつくための課題曲だった同曲が、今では先輩メンバーとともに披露され、この2年間での三期生の成長が示されていた。
『BAN』後のMCコーナーでメンバーは、海外ファンに向けても感謝を伝えている。的野美青の英語や谷口愛季の韓国語、そして松田里奈が広東語を披露するなど、再びお祝いムードに。しかし、MCコーナー終了と同時に『一瞬の馬』のイントロが流れ始める展開で、Buddiesたちはテンションを切り替えるのに必死だったに違いない。
昨年のアニラ以来の披露となった同曲では、『感情のままに 全力で踊るんだ(走りぬけろ!) その伝説を目撃させてくれ』という歌詞に注目したい。東京ドーム公演をはじめ、2024年の櫻坂46は数々のステージで歴史に残るパフォーマンスを披露している。ライブを開催すればチケットは即完売。海外のライブにも呼ばれる彼女たちは、今まさに伝説を紡いでいる途中であり、ステージに立つ度に彼女たちがベストを更新し続ける姿をBuddiesは目撃することができている。
『一瞬の馬』に続いたのは、『引きこもる時間はない』(1日目)と『本質的なこと』(2日目)の三期生楽曲たち。『引きこもる時間はない』では向井純葉がソロダンスで、2日目は遠藤理子がアリーナ中央からメインステージで待つメンバーに向かって歩くなど、別々の方法で観客の視線と期待を集め、『一瞬の馬』で作り上げたステージの熱を三期生色に染め直していた。
その後は、音源解禁直後からメンバーやBuddiesの間で好評の『TOKYO SNOW』を初披露。センター・山下瞳月の語り口調で始まる同曲は、バラードの優雅さと櫻坂46の力強さが相まって、グループの冬の定番曲に名乗りを上げている。
ユニットコーナーでは、櫻坂46の実力が様々なパターンで発揮されている。1日目は松田×石森璃花の先輩後輩デュエット曲の『縁起担ぎ』から始まり、バラエティ番組『サクラミーツ』で活躍する井上梨名×大沼晶保×武元唯衣×増本綺良の『イザベルについて』、増本センターの二期生曲『コンビナート』、2日目は遠藤×小田倉麗奈×中嶋優月×向井の三期生ユニットによる『標識』や、井上×松田の『On my way』、そして田村保乃×守屋麗奈×石森×中嶋の先輩後輩が融合したユニット曲『今さらSuddenly』が披露された。
先輩後輩の垣根を超えたパフォーマンスや、3万6000人の観客を前にして2人きりでステージに立つなど、櫻坂46の新たな形が示されていたユニットコーナー。特に『標識』に参加した小田倉は腰の怪我で「三期生ライブ」から活動を制限していたが、今回のライブでステージに復帰。まだ全快には至らないが、復帰のステージを大観衆の中でやり切ったことは彼女の自信につながったに違いない。
ユニットコーナーの後は、『ブルームーンキス』で森田のセリフに会場中のBuddiesが聞き入ると、『思ったよりも寂しくない』と『最終の地下鉄に乗って』では、メンバーがサインボールを投げ入れるなどファンサービスの時間に。パフォーマンスだけでなく、Buddiesへの感謝も忘れないステージがアニラ中盤までを彩っていた。
ライブ終盤にBuddiesたちを待ち受けていたのは、グループのキラーチューンが詰め込まれた7曲連続披露だ。彼女たちが本領発揮する時間では、新たな櫻坂46を象徴する1曲が誕生した。音楽フェスでは披露されていたが、単独ライブでは初披露となった、9thシングル収録曲の『もう一曲、欲しいのかい?』だ。
『Start over!』で中盤までのステージとは違うことを印象付けると、昨年のアニラでも披露された『マモリビト』(1日目)、『静寂の暴力』(2日目)で、三期生がこの1年間の成長を証明。『マンホールの蓋の上』ではメンバーがクラップで観客を煽り、三期生曲に聞き入っていたBuddiesたちに再び熱狂のコールを要求すると、山下の「ZOZOマリン、まとめてかかってこい!」という合図で、『もう一曲、欲しいのかい?』がスタートする。
ストレートな表現の歌詞やメロディで煽るだけでなく、メンバーは表情でも直接Buddiesを盛り上げていた。ライブ終盤にも関わらず、会場のボルテージをさらに高めることを要求する同曲は、メンバーも体力的に厳しいはず。つまり、『もう一曲、欲しいのかい?』はBuddiesだけでなく、メンバーにも限界を超えることを促す曲でもあると、筆者はライブを観て感じている。笑顔で踊る守屋や田村のようなメンバーもいれば、「お前らやれんのか?」と余裕の表情で踊る藤吉や山下など、メンバーごとに同曲への心構えの違いが見られるのも面白い。
『もう一曲、欲しいのかい?』で、もう一段階会場のボルテージを上げた後は、森田のソロダンスから始まる『承認欲求』が続き、間奏のダンスパートもバージョンアップ。フロントメンバーの谷口愛季と山下のペアダンスは迫力やキレが増していたが、センターの森田は後輩2人を圧倒する表現力を発揮していた。高まった勢いのままに『自業自得』を駆け抜け、本編最後は最新シングルの『I want tomorrow to come』でフィニッシュする。山下センターの2曲がライブを締めくくったが、『人間いつか死ぬって分かってはいるけど』の部分で、蹴り上げてターンしながら前に出て来る谷口や、2番冒頭の『耳栓とアイマスク』で魅せる山﨑など、最後まで彼女たちのパフォーマンス力が弱まることなく、むしろ増幅していくばかり。底知れない彼女たちの実力が披露された終盤7曲は、間違いなく歴代最高出力を有しており、彼女たちを限界突破させたのは、4曲目の『もう一曲、欲しいのかい?』であったに違いない。
Buddiesと一緒になって4周年を祝う演出から始まり、確かな実力をつけた後輩とその勢いを受け止め昇華させる先輩メンバーの経験値と底力、そして最後には圧倒的なパフォーマンスが披露された「4th YEAR ANNIVERSARY LIVE」。この4年間を「Buddiesたちの支えがあったから」と口を揃えて言うメンバーたちだったが、終盤7曲では、そんなBuddiesたちが振り落とされないように必死に食らいつかなければいけない速さで、メンバーは駆け抜けていた。「かかってこい!」や「もう一曲欲しいなら、『態度で示せ!』」など、力強いメッセージを投げかける曲が与えられたのは、これからは彼女たちがBuddiesたちを引っ張っていくことを示しているに違いない。三期生が加入した『桜月』でスタートした2023年からの2年間は、櫻坂46第2章期間と考えられてきた。来年には新戦力の加入も控えており、2日目の最後に掲げられた「GO TO THE “Ⅴ”」に向けて、彼女たちの第3章が始まっていく。最高速度を更新し続ける彼女たちに、今度はBuddiesが食らいついていく番だ。
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