SKE48が16周年で出した答え「いつもの」を超えた歴史的大団円
10月12~14日、SKE48が16周年のコンサートを開催した。会場はセンチュリーホール。15周年というアニバーサリーイヤーが終わり、屋台骨が何人も卒業した16年目のグループはいったい何を見せようとしていたのだろうか?
ダンスのSKE48
2008年10月5日に劇場公演をスタートさせたSKE48が、この10月、16年目のスタートを切った。今後、どのようなグループ像を見せていくのか。その方向性が見えそうな気がして、14日の最終日のみ現場で観覧させてもらった。
というのも、現在のアイドルシーンは週末じゃなくても、数多のグループがイベントを同時多発的に開催しており、バッティングするのが通常営業となっている。どこかひとつのグループのみを追いかけているのなら、3公演すべて観覧することも可能だが、マスメディア的にそれはほとんど不可能。SKE48のコンサートは3公演とも配信があったので当日深夜にチェックできて心底助かったが、もし配信がなければ……と想像すると背筋が寒くなる。
結論から書くと……この3日間は濃厚かつ素晴らしいものになった。全メンバーが出演するコンサートは(ツアーを除いて)ほぼすべて観覧させてもらってきたが、過去最高だった。そう断言していい。メンバーはこの難関をよくクリアしたし、スタッフは極めて意欲的だったと思う。
メンバーによると、この3日間に費やしてきた時間は「1カ月半」。それは16年の歴史上最長の準備期間だったはずで、費やす時間は嘘をつかないことを証明してくれた。このコンサートの準備だけではなく、10月5日の16周年特別公演の準備も重なったので、メ
ンバーの疲労はピークに達していただろう。リハに時間を追われるあまり、メンバーから送られてくるSKE48メールは極端に減ったが、その事実が準備の大変さを物語っていた。それでも、「これだけのものをやり遂げた」という、終演後の疲労感は心地よいものだったに違いない。
なぜそれだけの時間を要したかというと、ボリュームがすさまじかったからだ。まるで台湾ラーメンとあんかけスパとひつまぶしと味噌カツが同時に供されたような量だった。2008年から2012年までの曲を中心に披露した初日、2013年から2017年の2日目はそれぞれ3時間半、2018年から2024年の3日目は、4時間にわたる長丁場のコンサートだった。3日間で11時間。ユニット曲は極端に少なく、全体曲が多かったため、メンバー的には詰め込む内容が濃かったことになる。
3公演共通の目玉は、ダンストラック、それにバンドを従えての曲披露だった。
ダンストラックは、文字通りメンバーによるダンスのみのトラックからの、全メンバーによる『思い出以上』。そして、『Change Your World』。インストで踊る演出は珍しくないが、全員で『思い出以上』を踊るのは観たことがない。そして、『Change~』は松井珠理奈が選んだメンバーによるダンスチューン(27thシングル『恋落ちフラグ』c/w。2021年=Black-Pearl名義)。
大人数で踊ると、さすがに大迫力。これぞSKE48と言える、派手で豪勢な時間だった。
『思い出以上』は完全にオリジナルのダンス、『Change~』は全員バージョンにアレンジされていた。インタビューしてみないとわからないが、多くのメンバーはこのブロックに力を注いだのではないか。
それにしても、SKE48はなぜこの3曲を目玉に選んだのか。おそらく答えは驚くほどシンプルで、「いやいや、SKE48はダンスでしょ」というものだろう。ステージからは「これまでもこの先もウチは踊ることで体を張りますんで」という声が聞こえてきた。それはもはやSKE48からの答えだった。答えが9分弱に凝縮されていたのだ。
そうじゃないとしても、メンバーにとってはダンスに向き合ういい機会になったはずだし、自分が所属しているグループのアイデンティティを再確認することができたと思われる。また、ファンにとっては、SKE48に惚れ直す3日間になったと思いたい。
文/犬飼華
関連記事
・【写真】花柄のビキニ姿のSKE48入内嶋涼
・【写真】佐藤佳穂、大人の魅力あふれるグラビア
・【写真】北野瑠華、大反響の一糸まとわぬシーン