私立恵比寿中学・桜井えま「悠菜の存在は大きかった」
私立恵比寿中学が歩んできたさまざまな道のり、そして生まれた感情を、本人の言葉でどこよりも赤裸々に振り帰るインタビュー連載。「ピンチの時こそ大きな力を発揮する」そう言われてきたグループの軌跡を辿っていく。第二回目のインタビューに登場するのは桜井えま。悔しさに涙したライブの思い出、そして苦難を乗り越えたその先に見えた光とは。
秘密の待ち受け画面
──デビューライブから、1年8カ月が経ちました。ここまでの歩みを振り返りつつ、ターニングポイントになった出来事、そのときの正直な気持ちなどを話してもらえればと思います。まず、グループへの加入が決まり、お披露目ライブまでの約2カ月間は最初の大きな試練でしたよね?
桜井えま:お披露目ライブは12月17日だったんですけど、レッスンが始まったのが10月15日とかで、2カ月くらいしかありませんでした。その中で1日4曲の振り入れをして、そのままフォーメーションも覚えるとか、そんなに毎日違う曲の振りを覚えていく経験がなかったし、ほかのメンバーについていけないし、どうしようって思って、やっぱりつらかったですね。
──その状況をどう乗り越えましたか?
桜井えま:やっぱり(仲村)悠菜の存在は大きかったです。同じ状況に一緒にいて、お互いつらいなって思うとき、やばいなって思うときが一緒だったので。本当に1回、2人ともメンタルがやられてつらかったときに、「2人で1回泣こう」って言って、ブワーって泣いたことがずっと記憶に残っています。確か、お披露目ライブの1カ月前ぐらいでした。それまでの私は人前で泣くことがあんまりなくて、誰かと一緒に「1回泣こう」って言って泣いた経験も、もちろん初めてで。それぐらい追い込まれていたんだと思います。でも、悠菜も一緒に泣いてくれたことで、一緒の気持ちなんだって思えて心強かったですし、安心もしました。1回ブワーって泣いたあとは、「明日のレッスンも頑張ろう!」って。
──「1回泣こう」と言い出したのは?
桜井えま:私かな? そのときは、お互い泣いていいのかわからない、まだ相手を探っていた時期で、でも顔を見てたらどう考えても泣きたい感じだったんですよね(笑)。それで、「1回泣こう」って言って、泣きました。けっこう限界まで来てて、2人で泣きながら「もう無理だよ!」とか「つらい!」、「正直、明日も嫌だ!」って言い合ってましたね(笑)。でも、そこで胸の奥に溜まっていたものを吐き出したので、「明日からまた頑張ろう!」って気持ちに切り替えることができました。泣き終わったらすっきりして、「よっしゃ頑張ろう!」って気持ちになれて、2人で次の日に入れる振りを確認して。だから、2人で泣いたのは良かったなって思います。
──お披露目ライブ当日は、どんな出来事が印象に残っていますか?
桜井えま:リハーサルで『スーパーヒーロー』を歌う前に、まやさん(真山りか)がトントンってしてくれて、「誰かの真似をしようとかじゃなく。えまらしくやりな」って言ってくれたことです。それで肩の荷が降りたというか、「そうだよな」って思ってプレッシャーが和らぎました。先輩メンバーと同じ歌が歌えるわけないし、まずは今の自分ができる精一杯で歌うことが一番大事だと気づかされたというか。まやさんは何気なく、私が緊張していたから言葉をかけてくれたんだと思うんですけど、自分の中ではすごく大きかったです。まやさんの言葉があって安心できたし、ステージからの景色を目に焼き付けて楽しもうって思ってライブができたのは、まやさんの言葉があったからこそでした。
──本番前にそんな出来事があったんですね。
桜井えま:本番直前に円陣を組んだあとは、あやちゃん(安本彩花)がハグしてくれました。本番前でカチカチに固まってたんですけど、ハグしながら「大丈夫だよ」って言ってくれたんです。その言葉も、すごく印象に残っています。そのハグの写真を、たまたまナタリーさんが写真に収めてくれていて、実はお披露目ライブが終わってから今までずっと、スマホのホーム画面にしているんです。その写真を見ると必ず初心を思い出せるので、初心を忘れないという意味も込めて。これ、特にあやちゃんには言ってないんですけど。
──これからもずっとホーム画面のまま?
桜井えま:そんな気がします。どうしよう、急に何かのキャラクターに変わってたら(笑)。
取材・文=大久保和則
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