櫻坂46森田ひかる『東京ドーム公演』を振り返る
アイドルグループ「櫻坂46」の森田ひかるにインタビューを実施。6月15日・16日に行われた東京ドーム公演『櫻坂46 4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム』を一つ一つ丁寧に振り返りつつ、ステージ上で抱いた感情を語った。
深まる楽曲理解度
──まずは6月15日、16日に行われた「4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?-IN 東京ドーム」についてお聞きしたいです。それまでのツアー(3月2日~27日)では本編最後に披露していた8thシングル表題曲『何歳の頃に戻りたいのか?』が、東京ドーム公演では1曲目でした。
森田ひかる 8枚目シングルを引っ提げてのツアーで、歌詞の「Go on back」がツアータイトルにもなっているので、オープニングにふさわしいんじゃないかと思いました。楽曲の通り「いま」を感じながら、楽しんでパフォーマンスさせていただきました。その時々のメンバーの感情やファンの方のリアクションがダイレクトに反映される曲なので、今後披露する際も、グループの変化が鮮明に伝わるんじゃないかと思います。
──東京ドームだからこその緊張感はありましたか?
森田ひかる 緊張はあるんですけど、「東京ドームだから」という特別なプレッシャーはなかったです。
──ステージバックにお客さんを入れているので、移動しているところも見られているわけですよね。
森田ひかる 移動中も気が抜けないな、という気持ちはありました(笑)。
──3月の公演との違いとして、東京ドームでは『Nobody’s fault』や『桜月』、『流れ弾』といった表題曲も披露しました。
森田ひかる 3月の公演はライブの定番曲がないことに驚きましたが、ひとつのライブとして成立していたと思っていて。楽曲が増えたからこそ、見せ方の幅も広がったんだと思ったんです。その後、東京ドームのセットリストをいただいた時、3月の公演とはガラッと変わっていたので、違う驚きがありました。ツアーの追加公演であり、このツアーの締めくくりという節目のライブなので、ライブで盛り上がる表題曲を持ってきたんじゃないかと思います。
──『Dead end』ではMVの世界観を反映して、森田さんが信号機の上に座っているところから始まりました。
森田ひかる 『Nobody’s fault』、『Cool』、『Dead end』がMVを再現した演出のブロックでした。『Dead end』はMVを観直して、撮影当時の感情を思い起こして本番に臨みました。信号機の色を青に変えることで、子どもたちが横断歩道を渡って、シーンとした空気に心地よさを感じていると、事故が起き始めて……とイメージしながら演じたんです。
──『Dead end』披露時、ファンの方たちのどよめきは感じましたか?
森田ひかる 感じました。それこそ、子どもたちに愛想をよくするイメージで手を振ったら、盛り上がっているファンの方たちがいて。勘違いされちゃったかもしれません(笑)。
──『マンホールの蓋の上』は、今後の定番曲になりそうですね。
森田ひかる 3月の公演ではオープニングが『マンホールの蓋の上』で、クラップや「Whacha say we do?」のコールとか、メンバーだけのアプローチじゃなくて、ファンの方たちと一体感を作ることができる場所になったんです。東京ドーム公演では最後のブロックの1曲目に披露したんですけど、その位置もいいなと思いました。
──『BAN』は、選抜メンバーからBACKSメンバーに切り替わる形で披露されました。
森田ひかる 三期生のパフォーマンスから一期さんと二期に切り替わるのが「スペシャルBAN」で、選抜からBACKSに切り替わるのは「ウルトラBAN」と呼んでいるんです。演出家さんが名付けてくださいました。三期生が研修期間の合宿で覚えたのが『BAN』だったし、グループにとって大切な一曲で、今回の「ウルトラBAN」で新しい形を見せることができたんじゃないかと思います。
──『承認欲求』は音の早さに慣れるまで時間がかかったそうですが、東京ドーム公演ではどうでしたか?
森田ひかる いまは音を早く取ってしまうくらい馴染んでいるので(笑)、そこに気をつけながらリハーサルしていたんです。ファンのみなさんの熱量が伝わってきて、ツアーを通してライブ映えする曲になったんじゃないかと思います。私自身、ライブを通して『承認欲求』への理解度が深まって、より好きな楽曲になりました。
──『承認欲求』は初日と2日目で違いはありましたか?
森田ひかる 違いました。初日は盛大にミスをしてしまったので……恥ずかしかったです。
──リハーサルでは、森田さんから煽りを加えたいと提案することもあったそうですが。
森田ひかる そうですね。といっても、みんな細かいところで意見を出していたんです。私自身は煽りが得意なほうではないし、楽曲によって「合う合わない」もあるので、ただ煽りを入れればいいわけではなくて。だけど、今回は『マンホールの蓋の上』から『Start over!』までギアを上げるブロックだったので、「もっとパワーアップできるんじゃないか」と思って、煽りを加えさせていただきました。煽ることで、ファンのみなさんが返してくださる景色はたくさん経験してきたんですけど、今回はイヤモニを通してもみなさんの声が大音量で聞こえたし、みなさんの姿が大きく見えたんです。初めての経験で、私のテンションも上がりました。
取材・文/大貫真之介