私立恵比寿中学・桜井えま×真山りか×仲村悠菜、低学年メンバーが「えびちゅう」に起こした変化
2025年3月20日に開催されることが発表された、さいたまスーパーアリーナ公演。私立恵比寿中学が9年3カ月ぶりに立つ約束の地。ここまでの道のりを支えた姉メンの活躍はもちろんだが、桜井えま、仲村悠菜ら低学年メンバーがグループにもたらした影響も大きい。今回は、初期メンである真山りかとの座談会で彼女たちが加入して起こった化学反応を明らかにしていく。
プルプルノユナ
――現在、全国ツアー「私立恵比寿中学 15th Anniv ersary Tour 2024 ~the other side of indigo hour~」の真っ最中ですが、初日の千葉・市川市文化会館と2日目の埼玉・大宮ソニックシティを見させていただいて、今回も本当に素晴らしいライブをしていると感じました。最新アルバム『indigohour』の世界観を核にしつつ、それ以前の楽曲が持つ音楽性もしっかりと融合された内容だったと思います。ツアーは7月まで続きますが、今回のツアーに対する現段階での感触や意識から、まずは教えてください。
真山りか 『indigo hour』というアルバムはK-POPをJ-POPに落とし込んだというか、えびちゅうとしても新しいことに挑戦した作品だったんですけど、昔からのえびちゅうファン、アイドルファンが求めているものとギャップがあるという声もあったと思います。でも、今回のツアーで「そんなことないんだよ!」って証明したいです。すでに昔からライブに通ってくださっているファンの方が、「今回のツアーのライブが一番面白い!」って言ってくれていたりもして、これが今のえびちゅうの正解なんだと現段階でも思っています。あらためていろいろ考えさせてくれるツアーだなって思ってるし、自分だけで答えを出すものじゃないよなとも思いますね。結成15周年ということもありますし、毎公演、来てくださっているファンのみなさんに感謝を返せたらいいなという気持ちでやっています。
桜井えま 私が入る前のえびちゅうって、みんな魂を込めた熱い歌を歌うかっこよさが一番の魅力だと思っていたんですけど、『indigohour』はすごくおしゃれな曲が多いじゃないですか。
――歌い方も、全力というよりも抑えめで、スタイリッシュになっていますよね。
桜井えま そうなんです。そういう『indigo hour』の曲とこれまでの曲がどうやってマッチするんだろうと思ってたんですけど、実際にライブをしたら『indigo hour』の曲と過去の曲の化学反応をすごく楽しめている自分がいて。それがファンのみなさんに伝わっていたらいいなと思っていたんですが、初日からコールがすごくて!
――全編ラップの『Knock You Out!』のコールなんて、めちゃくちゃむずかしいはずなのに、えびちゅうファンは初日から完璧にマスターしてましたよね。
桜井えま あれはもう、びっくりしました! 私たちがYouTubeにアップしたコール動画を見て、いっぱい練習してくれたんだろうなーって。うれしくて感動しました。それ以外のコールも含め、回を重ねるごとにファミリー(えびちゅうファンの呼称)のみなさんもどんどんノリ方、楽しみ方を掴んできて、一体感が増しているなと感じています。
仲村悠菜 正直、初日は緊張しすぎて、最初から最後までコールが聞こえない状況だったんですよ。体がずっとプルプルしてるような感覚でした。だから、終わったあとに「『Knock You Out!』のコール、すごかったね!」ってみんなが話してても、私だけわかってなくて(笑)。2日目の大宮公演でやっとコールが聞こえて、仙台公演や福岡公演ではそこからどんどん大きくなって、『TWINKLEWINK』の間奏では私たちが知らない、ファミリーが考えて作ったコールが聞こえたりとかして、そういう部分も含めて、今はファミリーのみなさんと一緒にツアーを作り上げていけているなって感覚です。
泣いて許されると思うなよ!
――今のえびちゅうを見ていて思うのは、20代のメンバー5人と10代のメンバー5人が、ものすごくいい化学反応を起こして、相乗効果を発揮しているなということです。
桜井えま お姉さんメンバーがえびちゅうを続けてきてくれたからこそ、私は今、アイドルとして活動できています。その感謝が、まずは大きいですね。パフォーマンスに関しては、もちろん歌やダンスの技術はお姉さんメンバーから毎日勉強しているんですけど、一番はライブへの気持ち、思いです。ファンのみなさんがいなかったら、私たちはライブができていないという気持ち、ファミリーへの感謝をお姉さんメンバーからは強く感じます。今までずっとファンの方がついてきてくれたからこそ、えびちゅうはあるんだって。だからとにかく……お姉さんメンバー5人は本当にすごい人たちです!
仲村悠菜 私は、今の自分につながるターニングポイントは、お姉さんメンバーが私たち低学年メンバー5人全員を本気で怒ってくれたからだと思います。去年の春ツアーのリハーサルのときだったんですけど。
――どうして怒られたんですか?
仲村悠菜 自分が怒られたと思っている理由は、気持ちが抜けていたからです。覚えることが本当に多くてキャパオーバーに近くて、頑張らなきゃいけないけど体がついていかない。それで、気持ちもスカンと抜けちゃって。自覚はしてないけど、覚えることが多いからそうなっても仕方ないという自分もいたと思います。それがお姉さんメンバーに伝わって。
――「覚えることが多いから仕方ない」は、ダメですか?
真山りか ダメですね(笑)。やっぱり、ライブってお金を払ってチケットを買ってくださった方に見せるものなので! いや、わかるんですよ、ものすごく大変なのは。私たちも、昔は彼女たち以上に大人に怒られましたし。そういう経験も踏まえ、彼女たちが何か違う道に逸れそうなとき、大事な何かを失いそうなときは怒るというか、叱りますね。彼女たちは今後のえびちゅうを担う存在だから、そうすることがえびちゅうを守ることでもあるので。彼女たちがえびちゅうじゃなかったら、何も言わないです。
――どんなことを言われたんですか?
真山りか 私、何か言った?
仲村悠菜 お姉さんメンバーは、全員怒っちゃってました(笑)。言われたのは……。
桜井えま 「泣いて許されると思うなよ!」。
仲村悠菜 そうだ! それだそれだ!
真山りか それ、私が言ってるな(笑)。
取材・文=大久保和則