コンプラ尽くし…古舘伊知郎が語る“地上波テレビの現状”
フリーキャスターの古舘伊知郎と平井理央がMCを務める「FOR JAPAN―日本を経営せよ―」が、4月5日(金)21時30分よりABEMA SPECIALチャンネルにてスタートする。このたび配信を前に、制作発表会見が都内で開催され、2人が出席した。
同番組には、実際に現場に立ち、結果を出している経営者たちが登場。日本の問題点を語り合い、具体的な改善策も提示してもらうほか、自分たちの会社ではどのような経営をしているのかも語っていく。日本の未来への提言を、実力派経営者たちから行っていく。
テレビの世界で長年にわたって第一線で活躍してきた2人。今回の番組はABEMAでの配信ということだが、2人には“地上波テレビの現状”を語ってもらった。
平井は「子供が生まれて子育て中だと、なかなか地上波のテレビをいっぱい見るということができなくて。子供が幼稚園に行っている間のワイドショーとか、あとは子供の教育番組をよく見てますけど、番組はすごく真面目に熱を持って作られているものが多いなと思っていて、『テレビがつまらなくなった…』といわれてますけど、私はあまりそういうふうには思っていないです。ただ、できること・できないことがどんどん増えてきているのかなと思うので、こういったネット番組で、いろいろなことを気にせず、自由にできるという環境があるのは、視聴者としてはいい環境なんじゃないかなと思っています」。
古舘伊知郎が語る“地上波テレビの現状”
一方古舘は「僕はちょっと違ってて…」と前置きをしつつ、「僕はテレビ出身で、22歳から局のアナウンサーをさせてもらって、フリーになってずっとテレビ関連の仕事をやってきて今になっているわけですから、ものすごく思いは強いわけですよ。強いからこそ“故郷”に対して、『なんだよ~』って言いたくなる気持ちは強く同時にあります、正直。
やっぱり一言でいえば、もし記事にしていただくのであれば、短く言わなきゃいけないので言いますけど“コンプラ尽くし”。ここが問題だと思います。本当に人を傷つけてはいけないし、法令を遵守しなきゃいけないというのは当然ですけど、やはり自主規制とコンプラ尽くしがちょっと目に余る。それでワイドショー的なものができるんでしょうか? 報道番組ができるのでしょうか? という思いがあります。
それはいろいろな政治的な流れもありましたし、テレビが宿命的に抱えている既得権でもある、総務省の免許を頂く免許事業であるという。だから古きテレビ局が守られ、電波の自由化は全然できていないわけですね。
だから、そういう構造的な問題もありますし、過渡期かなというふうに思いますけど、やはりコンプラとか自主規制が激しいと“抗菌グッズ”みたいな番組になるんです。非常に無難なんですけど、だからみんな似ちゃうという。
もう一つの要素として、もう一つかな…全部つながっていると思うんですけど、これはまとめづらいかもしれないんですけど、小見出しは使っていただけるなら、“コンプラ尽くし”。本気でいうと、やはり人口減少・少子高齢化社会で、やはり高齢化社会は何かといえば、あまり消費しないわけですよね。年金生活だったりした時に、ファミリーコアに今、地上波が一部例外を除いて舵を切っているのも、13歳から49歳までという、どんどんどんどんこの人たちが固まりとして消費してもらうことで、商品やサービスが売れるんだ。
だから当たり前のこととして、代理店が入ってテレビ局が存在してという一つのスキームの中では、当然、そこで今の新たな消費社会をつくってくれる人たちに向けた番組を作ろうとするのは分かるんですね。だから、世帯視聴率、昔は視聴率といったら世帯視聴率しかなかった。今、簡単にいえば、何軒を見ているかは関係ないわけじゃないですか。
個人が見ていることの個人視聴率も関係ないんですよ。誰が見ているかだから。それは若い年齢層というファミリーコア、テレ朝なんかが世帯視聴率をまだ重視しているけど、ほかはそうじゃないから、世帯視聴率でだけど、ファミリーコアではこっちが倍とか、時代の過渡期だと思います。
では、こういうふうに人口減少社会を『FOR JAPAN』でどう捉えるかという課題もあるわけですけど、僕はそこで思った時に、まず消費者が神様だというふうになった時に、まず時代の尖兵として、時代の告発者として『週刊文春』が出てきて。僕は『週刊文春』に対して、悪いことをやっているやつを咎めるというので、政治家の悪を暴いたりするということはあっぱれと思うし、あまりにも人を不幸のどん底にたたき落としたら、それはどうなんだい?と思って反発も相半ばですけど、やはり時代の告発者・文春というのは、立ち上がって、それがきっかけになっていろいろな動きがあって、では、この時代の告発者・文春に対して、もう一つ何がある…時代の決定権者は、やはりクライアントなんですよ。
クライアントはなぜ代理店と組み、テレビ局でスポンサードをやってくれるかといえば、これはクライアントは、消費者にモノやサービスを売っているわけだから。そのクライアントは当然、消費者を重んじるわけで、これがさっき言った自主規制やコンプラにつながりすぎていると思うんですね。
大昔のテレビは不良だったんです。昔を懐かしんで『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいに、PTAからも怒られながら、俗悪番組から高尚な番組までやっていましたよね。今、コスパ・タイパの時代があるから、大変なのは分かるんですよ。テレビ局もこういうネットに押されて大変なのは分かるんです。だけど、それでもなお、ちょっと怒られてしまうことを平気でやってしまう野放図さとか、そういうもののエッセンスを昔培ったノウハウをもう1回出してもいいかなと思っています。
もう僕の勝手な思いですよね。故郷に対して、ここが良い悪いと言っているのは、故郷側から『おまえなんか関係ねえよ』と言われているかもしれないからどうでもいいんだけど、僕はそういう思いが強くあります、感情的に」と、熱い口調で持論を展開していた。
【Amazonタイトル】
⇒ Amazonで購入
【Amazonタイトル】
⇒ Amazonで購入
【Amazonタイトル】
⇒ Amazonで購入
【Amazonタイトル】
⇒ Amazonで購入