「AKB48春コンサート」卒業や新加入、新体制、サプライズな展開で大盛り上がり

3月17日(日)、AKB48が神奈川・ぴあアリーナMMにて「AKB48春コンサート2024inぴあアリーナMM」昼夜2公演を開催。前日に柏木由紀の卒業コンサートを終え、倉野尾成美が4代目AKB48グループ総監督に就任、昼公演では新たにAKB48に加入する第19期生の5人をサプライズでお披露目し、新体制として生まれ変わったAKB48。“入学式”をコンセプトにした昼公演に続き、夜公演では“卒業式”をコンセプトに4月にAKB48を卒業する岡部麟と小田えりなの卒業セレモニーを実施した。

倉野尾が総監督の象徴であるメガホンで「ワン・ツー・スリー・フォー！」と叫び、この日のために用意された新衣装に身を包んだメンバーがステージに登場。昼公演でも披露した『始まる。』で幕を開けた。続いて『サステナブル』『彼女になれますか？』など4曲を弾ける笑顔でパフォーマンス。オープニングから会場に大きな一体感を生み出す。

冒頭のMCでは倉野尾が「1曲目で念願の“総監督と言えば”のメガホンを使ってスタートしたんですけど、ちゃんと重さを感じました」とその重みをかみ締めたことを明かし「“AKB48が新しく生まれ変わったぞ”という姿を見せられるコンサートになっているので、本日も最後までよろしくお願いします！」とあいさつする。また、63rdシングル『カラコンウインク』の初選抜メンバーが前日の柏木由紀卒業コンサートを振り返り、18期研究生の秋山由奈は「『RIVER』を高橋みなみさんと柏木さんの隣で踊らせていただけて、この曲は研究生公演でも披露してるんですけど、生の“AKB～！”が聞けて本当にうれしかったです！」と笑顔を輝かせながらコメント。同じく18期研究生の八木愛月は、小嶋陽菜から「この子かわいい！」と褒められたというエピソードを感激した様子で紹介する。

ユニットパートでは、昼公演でお披露目を果たした19期研究生が登場。堂々とした表情で『ギンガムチェック』を披露し、存在感を示す。続いて63rdシングルにカップリング収録されるUniverseGirls楽曲『ライオンを狙え！』をファンの前で初披露。高いダンスパフォーマンスを誇る坂川陽香・下尾みう・村山彩希・山﨑空・山口結愛は『1994年の雷鳴』をダイナミックなパフォーマンスで魅せ、歌が得意な田口愛佳・成田香姫奈ら4人は『キンモクセイ』で美しい歌声を響かせる。

『Ambulance』ではグラビアで注目を浴びている大盛真歩・鈴木くるみ・正鋳真優が妖艶なパフォーマンスで視線をくぎづけに。小栗有以・佐藤綺星・秋山・八木・新井彩永は『希望について』を真っすぐなまなざしで力強くパフォーマンスするなど、メンバーの個性やキャラクターで振り分けられたユニット曲で会場を沸かせる。ユニットパートの最後に登場したのは、3代目AKB48グループ総監督の向井地美音と4代目を継承した倉野尾。初代総監督・高橋みなみと2代目・横山由依の楽曲『出逢いの日、別れの日』をデュエットで歌唱し、曲中では互いにメッセージを贈り合う。

中盤には、日本テレビ「OUTOF48」で放送中の「17期研究生昇格企画」の映像が流れ、17期研究生が『大声ダイヤモンド』をパフォーマンス。お披露目でも披露した同曲を貫禄のパフォーマンスで魅せ、加入から約2年間で大きく成長した姿を示す。ここでスタッフから17期研究生10人が全員そろって正規メンバーに昇格することを発表すると、会場は大きな拍手に包まれる。

さらに17期生の昇格を記念して17期・18期のオリジナル楽曲『あの夏の防波堤』のMusicVideoを制作することを発表。そして、仙台を皮切りに全国5都市をまわるライブツアーを開催することをサプライズで発表すると、メンバーも思わず絶叫しながら喜びを爆発させる。このライブツアーには17期生・18期研究生・19期研究生の23人が参加予定。佐藤綺星は「正直すごくつらい時期もあったんですけど、この10人のみんなと昇格できたことが心からうれしいですし、すごく遅くなってしまったんですけど、皆さんに昇格のうれしさを共有することができて本当にうれしいです。まさかツアーをさせていただけると思っていなかったですし、“AKB48をもっともっと明るくしていくんだぞ”という気持ちをこのコンサートでも見せていけたらいいなと思っています。本当に皆さんありがとうございます！大好きです！」と大粒の涙を流しながら感謝の気持ちを語る。

続いて『10年桜』『ジワるDAYS』『GIVEMEFIVE！』とコンセプトの“卒業式”らしく明るい卒業ソングをパフォーマンス。メンバーがステージを降りてファンの目の前でパフォーマンスする“練り歩き“も行い、会場を盛り上げる。

MCの場面では、小栗有以が「練り歩きの時にゆきりんさんに会わなかった？ あれは夢だったのかな？」と首をかしげると、会場からも多数の目撃情報が。元々このパートに参加予定ではなかった柏木がサプライズでひっそりと参加していたことが明らかに。

終盤には61stシングル『どうしても君が好きだ』、62ndシングル『アイドルなんかじゃなかったら』など5曲をたたみかけ、4月にAKB48を卒業する岡部麟・小田えりなの卒業セレモニーへ。2014年にチーム8メンバーとして加入し、来月4月3日に10周年を迎えAKB48を巣立つ2人。白い卒業ドレスに身を包んだ岡部をセンターに『流れ星に何を願えばいいのだろう』、淡い水色のドレス姿で登場した小田をセンターに『長い光』を歌唱。

岡部は卒業スピーチで「ファンの皆さんや、ここにいるメンバーみんなとの出会いが本当に宝物だなと思います。入った当初は本当に競わされてばかりで、みんなのことライバル視してたりお互いきっとそう思ってたけど、10年間いろんな活動をして、私もみんなのことを自分のことのようにいとおしく思ったり愛せるようになりました。そういう人間力を私はこのAKB48の活動の中で育ててもらったなと思っています。本当にこの10年間とってもとっても幸せでした！」と満面の笑顔を見せる。

小田は「この10年間で、こう見えて本当にたくさんの感情をAKB48に学ばせていただきました。今日このコンサートで初めて、AKB48の大きいコンサートで、センターで歌うことができたんですね。AKB48メンバーみんなと一緒に大好きな『長い光』を一緒に歌うことができて、こうやってたくさんの方に見送っていただける環境をつくっていただけて感謝しています。本当にAKB48に入って良かったなってこのステージに立って改めて思いました」と涙ながらに感謝を伝える。

本編最後は、2人をセンターにチーム8の楽曲『一生の間に何人と出逢えるのだろう』を19期研究生も含めた全員で歌い上げ、岡部は「アイドルになって本当に良かった！ 10年間本当にありがとうー！」、小田は「これからもメンバーのこと、私のことずっと見守っててください！」とそれぞれ心からの感謝を大声で叫び、美しい姿でステージを後にする。

アンコールでは、卒業セレモニーのしんみりとしたムードを打ち破るように『法定速度と優越感』をエネルギー全開でパフォーマンス！昼公演に続き、柏木がステージに姿を現し『カラコンウインク』を披露。柏木が「(練り歩きの時の)私の幻に気付いた？ あんなに応援してくれてたファンが美音推しになってて、すぐに推しメンが見つけられるグループで安泰だなと思いました(笑)」と語るとファンも爆笑。そして「みんながキラキラ輝いていてこれからのAKB48が楽しみだなと思えるコンサートでした。じゃ！ またね！」と明るく別れを告げる。

コンサートもいよいよクライマックスへ。向井地は総監督を務めた5年間を振り返り「昨日3月16日をもちましてAKB48グループ総監督を退任させていただきました。5年間支えてくださった皆さん、本当にありがとうございました！ 今日なるちゃん(倉野尾)と『出逢いの日、別れの日』を披露して、これは元々高橋みなみさん・横山由依さんのゲンソー・ジキソー(現総監督・次期総監督)で歌っている曲で、私も横山さんと歌ったこともあって、歴史の長さ・重さをすごく感じました。自分で立候補した総監督だったんですけど、“本当に自分が総監督で良かったのかな？”と思うこともありましたが、曲の中でなるちゃんが“おんさんのつくったAKB48が好きでした”と言ってくれたり、ファンの皆さんやゆきりんさんが“みーおんが引っ張るAKB48が好きだよ”と言ってくれて、総監督やって良かったなって思いました。あの頃のAKB48も好きだし、今のAKB48も大好きで、この先の未来のAKB48も大好きなので、バトンをつなぐという役目ができて良かったです。私は総監督ではなくなりますが、1メンバーとして、なるちゃんのそばでモトソー(元総監督)として頑張っていきます！ なるちゃん率いるAKB48の応援をよろしくお願いします！」と充実感にあふれた表情で語る。

向井地からバトンを受けとった倉野尾は「おんさん(向井地)やゆきさんの2人が引っ張ってくれるAKB48が昨日で幕を閉じたと思うとすごく寂しいのですが、19期研究生が加入してくれたり、17期生がみんな昇格できたり、KLP48に移籍する3人がいて海外からAKB48グループも盛り上げてくれるという気持ちも聞けて、AKB48が新しい節目を迎えているなと感じました。昨日までのAKB48が私たちのライバルだと思います。新生AKB48の幕開けを見届けていただきありがとうございました！」と熱い想いを伝える。

ここでスクリーンに映像が流れ、6月25日(火)からテレビ東京にてAKB48メンバーが出演するドラマ『星屑テレパス』の放送がスタートすることを発表。テレビ東京でのドラマ作品は「マジすか学園」シリーズ以来のタッグとなる。

サプライズ発表はさらに続き、AKB48の活動拠点であるAKB48劇場を老朽化のため全面リニューアル工事することを発表すると、会場からも驚きの声が。2024年9月1日(日)に現AKB48劇場ラスト公演を行い、9月2日(月)～12月7日(土)でリニューアル工事を実施すること、リニューアル工事期間中は日本全国出張公演を開催すること、そして、AKB48劇場が19周年を迎える12月8日(日)に延期となっていた秋元康氏書き下ろしのオリジナル新公演でリニューアル初日を飾ることを発表。

倉野尾は「ちょっぴり寂しい感じもありますけど、20周年を迎えるに当たって、そして全国の皆さんに会いに行ける出張公演も設けていただいたのでうれしいです！ 全国でまたAKB48をお届けできたらなと思います」とコメント。

そして最後は、夜公演のサブタイトルにもなっている楽曲『涙はいつの日か』で「AKB48春コンサート」3公演のフィナーレを飾った。

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