2024-02-05 10:00

音楽プロデューサー原田茂幸、ジャンルに縛られない音作りと音楽のバックグラウンド

BUBKA3月号「アイドルクリエイターズファイル」#37は音楽プロデューサー原田茂幸氏
BUBKA3月号「アイドルクリエイターズファイル」#37は音楽プロデューサー原田茂幸氏

楽曲派という言葉が死語になる前に伝えることがある!ということで始まった当連載。今回は、Shiggy Jr.時代には多彩なメロでJ-POPシーンで注目を集め、現在は作家として活動する原田茂幸氏が登場。提供作を聴くとよくわかるジャンルに縛られない音作りと、その所以ともなっている豊富な音楽のバックグラウンドを紐解いていく。

松隈ケンタとの出会い

――近年は楽曲提供の仕事がかなり増えていますが、その流れをうかがいたいと思っています。

原田茂幸 かなり前の話からすると、Shiggy Jr.を始めるきっかけがあって。僕は大学時代にバンドとか音楽をやってはいたんですけど、そんなに本気でやってなかったんです。卒業も近づいてきて就活したんですけど、就職したくないなという結論に至って、どうしようかなと考えた時に、やっぱり音楽やろうかなとなって、まず作家を始めようと思ったんです。

――作家志望が先なんですね。

原田茂幸 そうなんです。どうしたら音楽で生きていけるんだろうというところから始まって、その時できることが作曲とかDTMだったので、いろんなところにデモテープを送ったんです。それで、松隈(ケンタ)さんがやっているSCRAMBLESが連絡をくれて、そこのコンペを受けるにあたって女性ボーカルがいた方がいいなということでシンガーを探しているなかで、大学の知り合いが教えてくれた人たちのうちの1人が池田(智子)だったんです。

――コンペ用の仮歌を歌う人として池田さんにお願いするようになった。

原田茂幸 はい。コンペをやってるうちに池田がバンドやろうぜみたいな雰囲気になってきて、やることもそんなにないし、じゃあやろっか、という。デモテープを作って、それもレコード会社に送ったりなんだかんだしてるうちに、とりあえずライブやろうかということで大学の友達とか知り合いとかにお願いしてメンバーを集めて、ウルトラ・ヴァイヴがやっているmona recordsのライブオーディションで運良くグランプリをいただいて、最初のCDを出してもらったのがキャリアのスタートだったんです。なので、Shiggy Jr.の頃からちょくちょく提供のお仕事はやらせていただいていたんですけど、解散した時は、じゃあもともとやりたかったことをやろうという感じでした。つい先日退所したのですが、当時所属していたキューブという事務所に僕だけ残って、中の仕事をやらせてもらいつつ、ほかの仕事もお話があればやらせてもらうみたいな感じでやっていくなかで、今に繋がっていきました。

――SCRAMBLESのコンペきっかけでバンドになったという話も、今はWACKの仕事をしているという繋がりもおもしろいですよね。ちなみにSCRAMBLESに送っていた曲はBiS的なロックだったのでしょうか?

原田茂幸 その頃はそういうのをやってましたね。僕はロックも好きで、ギターは弾き語りがやりたくて始めたんですけど、ギターを持ってからはハードロックが好きだったりもしたので、そんなに違和感もなく。好きなものの延長ではありました。

――そう聞くと、逆にShiggy Jr.の音楽性が意外と言いますか。

原田茂幸 Shiggy Jr.に関しては、大学に入ってから山下達郎さんとか角松敏生さんみたいな音楽好きになって、その頃の好きなものがすごく反映されているのかなと。あとは単純に池田の声のハマり的にもそういう音楽性のものがよかったんです。

――2019年のShiggy Jr.解散後、すぐに作曲家の仕事は軌道に乗りましたか? 2020年はコロナ禍に突入したので大変だったのではないかと思います。

原田茂幸 ただ、その時期はプレイヤーの人の方が大変だったと思います。僕はプレイヤーとしてステージに立つ仕事はしていなかったので、パソコンの前でひたすら曲を作るという感じのそんなに変わらない日々を送ってました。解散するタイミングで知人には連絡していて、僕は作家業をやりたいですということを言っていたら、声をかけてくれる人も出てきて、その頃からお仕事させてもらうこともありました。

取材・文/南波一海

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原田茂幸プロフィール

はらだ・しげゆき|2012年の結成から2019年の解散まで4人組ハイブリッドポップスバンドShiggy Jr.のGt&Voとしてほぼ全ての楽曲の作詞・作曲を担当。現在は、WACK所属のKiSS KiSS・BiTE A SHOCKや、FANTASTICS、美少年など幅広いジャンルのアーティストへの楽曲提供を行う。

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BUBKAレポート
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#37 原田茂幸

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