ハチミツ二郎×掟ポルシェ対談…孤高のショーストッパーの生還
「保険証持ってますか?」
掟ポルシェ 1回目の死にかけた中でも、いろいろ起こるじゃないですか。やっとの思いで救急病院に駆け込んだら、「保険証持ってますか?」って言われて。あれで思い出すのは、大仁田(厚)さんが挑戦状を持ってUWFの会場に乗り込んだら「チケット持ってますか?」って門前払いされた話で(笑)。
ハチミツ二郎 大仁田さんが乗り込んだのが大阪府立体育館で、俺が行ったのも大阪の病院ですから(笑)。保険証って言われて、とりあえず診察に行かしてくれよって。
掟ポルシェ 死にかけてるのに。
ハチミツ二郎 初診者用の用紙に住所、氏名、連絡先、持病の有無、飲んでる薬とか全部書かされましたね。記憶がないぐらいです。だって血中酸素飽和度(血液中の酸素の量を表わす数値)は、水の中で溺れてるぐらいの酸素量でしたから。その数値を見て、病院の人たちも大慌てになって。
掟ポルシェ いや、本当に生きててよかったですよ。
ハチミツ二郎 (あっさりと)死んでもよかったんですけどね。
掟ポルシェ 自分でも「これはもう駄目かな」と思いました?
ハチミツ二郎 駄目だったのは、病院でタクシーを降りたときですね。本当にでかい総合病院なんですけど、運ちゃんがいい加減で「入口はあそこですね」って言うだけで入口まで行ってくれなくて。入口まで歩いて行ったら「救急はこっちじゃないです」みたいな話になって、そこから歩いてるときが一番死にそうでした。縁石とかに手をつきながら歩いてたんですけど、直感的に倒れたらここで死ぬなと思って、何とか受付まで行ったら「保険証持ってますか?」の一言で(苦笑)。
掟ポルシェ まわりに人とかいなかったんですか?
ハチミツ二郎 祝日だったから全然人がいなくて、急患で来てる人が一組いたぐらいだったんですよ。人がいなかったからよかったかもしれないですね。
掟ポルシェ 受付で「ちょっと今日は混んでます」って待たされてたら死んでたかもですよね。人がいなくてよかったというか。
ハチミツ二郎 まあ、そうですね。
掟ポルシェ 死にかけてるけど、結局、そのたびに助かってますよね。
ハチミツ二郎 なんか死なないような気もしてきました。こういうことを7~8回繰り返しながら100歳とかになるんじゃないかって。
掟ポルシェ 結果的に長生きして。
ハチミツ二郎 厳しく言われて食事制限をやってたら、70ぐらいの超健康な血糖値になったんですけど、今度は下げすぎだって言われて。もともと血糖値が高かった人があんまり下げると、頭が痛くなったりフラフラしたりするんですよ。「血糖値は100ぐらいにしといてくれ」って言われたけど、俺は「あんたらが飯食うなって言うから食わなかったのに」って。
掟ポルシェ 若い頃から、気持ち的にはプロレスラーと一緒だったじゃないですか。ナメられないように酒は大量に飲むし。
ハチミツ二郎 特に我々世代はそうですよね。だから芸人の本なんだけど、自分の身に起こったことを書いていったらプロレスラーよりもプロレスラーの本になった(笑)。今、プロレスラーのほうが酒も飲まないし、飯も食わないですからね。
掟ポルシェ 今のプロレスラーは真面目に体を鍛えてますよね。ネクロ・ブッチャーというプロレスラーが「ビールを飲むのが俺のトレーニング方法だ」とか言ってて、流石この人カッコいい、レスラーとして憧れられるなと思いました。
ハチミツ二郎 ネクロ・ブッチャーとかサンドマンみたいなプロレスラーが、いなくなっちゃいましたよね。サンドマンは日本に来たとき、俺の知り合いがアテンドしてたんですよ。「ちょっとコンビニに寄らしてくれ」って言ったら、そのコンビニで普通に〇〇〇してましたね(笑)。
掟ポルシェ 軽い犯罪ですよね(笑)。
ハチミツ二郎 ファンがまわりで見てるんですよ。
掟ポルシェ 見られてるからやってるんですかね?
ハチミツ二郎 見られてたからこそかもしれないし、酔っぱらってたのかもしれない。
掟ポルシェ でも昔は、そういうめちゃくちゃな人は結構いましたもんね。二郎さんも「プロレスラーとは」「芸人とは」みたいな気概をあらかじめ持ってた世代ですよね。
ハチミツ二郎 ちょうど狭間で、生きてるうちにしっかりコンプライアンスが敷かれた世代でもあるんです。
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