R-指定(Creepy Nuts)が語るスチャダラパーの時代
――まさにそれ。しかも初期はそれがかなり直接的だよね。
R-指定 だから、スチャダラを聴くと当時の空気がわかりますよね。それこそ“N.I.C.E GUY”とかも――あのタイトルはギャングスター「No More Mr.Nice Guy」から来てるんですかね――当時のトレンディドラマとかおしゃれな学生、バブルの浮かれた感じに、ひたすら水を差すっていう。
――水を差すっていうか、冷水ぶっかけるというか(笑)。あの曲には「みんな読んでる『ハートカクテル』」っていう歌詞があるけど、わたせせいぞうのマンガのことで、今はシティポップブームの流れで永井博とともに再注目されてるけど、当時からすると、一番仮想敵になりやすい存在だった。実際、いま40代中盤からすると、90年代って永井博とかわたせせいぞうの絵ってすごく旧時代のメインストリームの象徴であり、すごくダサいものって感じだったんだよね。
R-指定 そういう水を差すような部分って、ヘッズは認識してるんですかね? スチャってそういうグループだっていうのは。
――そうだと思う。俺らの世代で電気グルーヴとスチャに影響を受けてる人は、明らかに口と性格が悪い傾向がある(笑)。
R-指定 ハハハ! それこそ「“今夜はブギーバック”が好きで」みたいな、サブカルから入った人はもうちょっとゆるくて楽しいのがスチャダラパーっていう印象なんやろうけど、本性はものすごい毒針というか、そういう感じがしましたよね。
――だから“今夜はブギーバック”の影響ですごくファン、特に女性が増えたんだけど、その後にリリースされたアルバム『5th Wheel 2 the Coach』の“From喜怒哀楽”では、そういうファンがライブに集まってることに対して「ここはドラえもん工場かい?」って言ってて。当時、しまおまほさんはそれにすごく傷ついたって言ってた(笑)。
R-指定 そりゃそうでしょ。言う必要ない(笑)。そういえばANNで“アーバン文法”を掛けたら「ラジオでかけてくれてありがとね」ってBoseさんから連絡頂いたんですよ。
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