Especia、独自の楽曲性を紐解く…サウンドプロデューサー横山佑輝氏と作編曲家中川悦宏氏が語る
――中川さんはジャズ研にいたんですね。
中川悦宏 あんまりアクティヴじゃなかったんですけど。菊地成孔さんの門下生もやっていて、ペン大(ペンギン音楽大学)のサックスコースにはじまり、途中から音楽理論コースにも通ってました。
――そうなんですね! 前号で清水さんが『エレガントの怪物』(Spank Happyのカヴァー)のアレンジを聴いて横山さんに声をかけたと言っていたのですが、奇しくも中川さんが菊地さんの門下生だったとは。
中川悦宏 当時、「うわー(苦笑)」ってなりました。
――BiSなど社内での案件が増えていくなか、中川さんも都度駆り出され、ついにはEspeciaでがっつり関わるようになり。
横山佑輝 普通はアシスタント仕事をやって、コンペでいっぱい曲を出して、ある程度経験を積んでからやっと任せてもらえるのが筋なんでしょうけど、つばさという会社は良くも悪くもルール無用なので、そこが幸いして任せてもらえることになりました。話をもらったときはすぐ選手に連絡しました。「好き勝手やれるけど1カ月くらいで5~6曲作らないといけないからヤバいぞ!どうすんだ」って。
中川悦宏 でも「どうせ売れないから好き勝手やろう」って。
横山佑輝 まさにそう言ったの覚えてる。当時はまったく需要があるとは思えない音楽をやろうとしていたので、今やらなかったら一生できないだろうというのもあって、多少睡眠不足になってもやるべきだろうということで。
――結果、空前のアイドル需要もあり、Especiaは攻めた曲を次から次へと出すグループになっていきました。
横山佑輝 最初の『DULCE』は4曲入りでしたけど、当然ライブでやるには尺が足りないですから、もっと必要で。次の『AMARGA』に入れる曲も同じタイミングで進めていたので、僕らと近い感覚で曲を作れる人を見つけるのが急務だったんですよね。だからコロちゃん(PellyColo)を見つけたときはすぐ連絡しました。ニューディスコみたいなことをやっていたのがすごくよくて、やろうとしてるコンセプトにも合ってるから、ぜひ曲をくださいという感じで。
――本当に手が足りなかったんですね。
横山佑輝 誰か助けて! みたいな。でも誰でもいいわけじゃなかったので。コロちゃんがいたのは奇跡でしたね。
中川悦宏 僕らは多作でもなかったので、BiSの時に作ったけど使わなかった曲も引っ張り出したりしてました。それでもスケジュールが結構エグくて。僕は日中の仕事が毎日終電みたいな時期があって、帰ってから曲作って、2~3時間だけ寝てまた出社するみたいな。『GUSTO』を制作してた時ですかね。半分ネタみたいな話ですけど、残業中に社内のコンビニに行ったら自分のサックスソロが聞こえてきて、いよいよ頭おかしくなったかと思ったらEspeciaがちゃんと有線でかかっていたという。
――(笑)。前号で清水さんと話したのですが、『DULCE』から『GUSTO』までが2年足らずなんですよね。その間にEPやシングルを何枚も出してましたし。
横山佑輝 『GUSTO』をやり終わったときは2度とやりたくないと思いました(笑)。
中川悦宏 あれはマジできつかったね。
――インタビューの続きは発売中の「BUBKA8月号」で!
取材・文/南波一海
横山佑輝|「Schtein & Longer」名義でEspeciaの全楽曲のサウンドプロデュースを行った。また、別名義(=テープ大久保)で中川(=アーバン北仲)とともにThe Replicantsを結成し、音楽活動も行っている。
中川悦宏|「アーバン北仲」名義でThe Replicantsのほか、サキソフォン、トークボックス、フルート奏者として、上坂すみれ、HALLCA、鶴岡龍(LUVRAW)などアーティストの楽曲制作に参加している。
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