佐々木敦が語る、日本アイドルポップスの栄光と未来…世界基準の日本アイドルはなぜ生まれないのか

――もちろんそこを目指すべきだとは思いますけど、例えば、ずっと小さいライブハウスでやって来た人が大きな会場でやりますとなったときに、じゃあチケット代とグッズ販売でどうにかしようとなれればいいんだけど、この規模で特典会をやったらこれだけのチェキが見込めるぞ、というふうになるんですね。Zeppクラスでもライブは早々に切り上げて、フロアでずっとチェキやったりとかもあります。

佐々木敦 ハコがデカいと列が長くても大丈夫(笑)。

――広々使えるから。せっかくでかいライブ会場借りたのに、という驚きはありますよ。

佐々木敦 でもそうしないと小屋代だって払えないし、パラドックスというか、蛇が尻尾噛んでる感じですよね。

――エビ中なんかもそうですけど、ツアーではがっつりライブだけをやるっていうのが理想だし、あるいは、さすがにこの規模だと1対1で特典会やってられないというところまでいければ考えも変えざるを得ないだろうけど、上に行くための傾斜がキツくなってるというか。ライブを1時間なり2時間なりやったら、同じくらいかそれ以上の労働が待ってる。

佐々木敦 長い長いコミュニケーションタイムが待っている。考えようによってはキャバクラより過酷だもんね。数分刻みで、しかも同じ人が2周3周とやってくるっていう(笑)。

――演者にとっていい側面もあるんですよね。僕たちもいろんな人たちに話を聞いてきたじゃないですか。コミュニケーションを取ることで自分が癒されるとか。

佐々木敦 鼓舞される場合もあるよね。そういうのが平気な人、向いてるアイドルは残るし、平気だと思ってた人もある日突然……みたいなことも。

――病んだりして。病まないにしても、アンバランスな構造に疑問を持つのも当然と言えば当然だと思います。一方で、BTSがグループ活動を休止するという話も出たじゃないですか。それはそれでどん詰まりを抱えてるんだな、みたいな。

佐々木敦 もう疲れたって……世界のトップに立ってもああ思うんだからね。

――記事の続きは発売中の「BUBKA8月号」で!

取材・文/南波一海

佐々木敦=ささき・あつし|1964年生まれ。評論家、著述家。音楽レーベルHEADZ主宰。文学、音楽、演劇、映画など多ジャンルを横断した文筆活動を行う。著書は『批評時空間』『あなたは今、この文章を読んでいる。』『シチュエーションズ』『未知との遭遇』『即興の解体/懐胎』『ニッポンの思想』『テクノイズ・マテリアリズム』『ゴダール原論』など多数。近著には『半睡』(書肆侃侃房)がある。

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