なんてったってキヨハラ第22回「ラストブルー」
「年下クンの“あげまん”になりたい」と口にするOLたち。
これは巨人の“くわまん”こと桑田真澄のスキャンダルではなく、『週刊宝石』1996(平成8)年6月27日号の「山口智子『ロンバケ』で加速するOLたちの「年下の彼」願望」特集の見出しである。木村拓哉が優柔不断なピアニスト瀬名を演じ、年上の売れないモデル南との同居生活を描いたフジテレビ月9ドラマ『ロングバケーション』は初回から視聴率30%を突破。「これがスッポンパワーの威力!!女房のうっとり顔は最高だ」という広告ページの横で「ロンバケ最終回はこうなる!」とか熱弁かまされても……なんて真っ当な突っ込みは野暮だろう。いつの時代もオヤジ系週刊誌で強引に特集されたらマジで社会現象5秒前だ。
ちなみにキムタクはドラマ第1話で背中に「NOMO」とプリントされたドジャースの背番号16Tシャツで登場。野茂英雄が履くナイキのスパイクの格好良さは高校球児たちをも直撃したが、日本のプロ野球界でナイキの顔に抜擢されたのは西武の清原和博である。日本人選手では野茂にヤクルトの古田敦也と池山隆寛に次ぐ4人目の契約だったが、96年1月20日の記者会見でナイキジャパンのネルソン社長は背番号3に対して、「野茂と同じようなマーケティング戦略展開する用意がある」とぶち上げる年間1億円のVIP待遇での契約となった。